パーティーとして
「はい。実力も知識も、何もかも下で、シャリアに頼り切りになるのではないなら、安心です」
エディがにこりと笑った。
「パーティーなのに、片方に頼り切りになるのは、違うなと思っていたので」
「何言ってるんですか!エディさんは頼りになりますよ!ツインヘッドウルフとかばっさばっさできるじゃないですかっ!」
「ふっ、でもシャリアは一人でもなんとかなるでしょ?」
ぶんぶんと頭を横に振る。
「全然無理っ!倒すのに時間がかかって依頼されても達成できる気がしない」
エディが笑う。
「逆に僕はアイアンゴーレムの魔石を依頼されても達成できないだろうから、僕たちはお似合いですね」
お似合い?!
「あ、はは、いや、うん。パーティーとしてめちゃくちゃ成功の予感がする!」
でも、お似合いって単語はなんか違うよ、エディと思ったけど口にしない。
かといって、何と言う単語がいいのか?
「あ、それでですね……。依頼を受ける前に、いろいろと話をしたくて」
「いろいろ?好きな食べ物の話とか?」
エディが首を傾げる。
「は?それは、食べるならどの魔物なら食べてもいいって話ですか?」
確か、エディは食べられる魔物は戦場では食べてたみたいだし。あいにくと私は日帰り……しかも早めなので、お昼ご飯さえ持たずに行って帰ってくる。おやつの時間くらいには戻る感じだったから、お腹すいたなぁ程度で戻ってくる。
ああ、もちろんいざというときに干し肉と固焼きクッキーだけは少しポケットに入れていくけれどね。
エディさんが両手で顔を覆って首を横にふりはじめた。
か、か、か、かわいいー!
そのしぐさはジャンのお得意のかわいいポーズよ!
ダンジョンの外でかわいいしぐさはしてくれと言った(言ったかな?)けれど、いやいや、ここでする?
「スイマセン、本当、僕はうぬぼれが強いなんて思ったことがないのに……結構ヤバイみたいです……女性が僕と話をしたいというと……何が好きなのかという質問が多かったので……」
うん?
ああ、そう。女性が話しかけるのに「エディ様の好きな食べ物はなんですか?」ってよく言われたってことかな?
「ふっ、ふふっ、いえ。あの、好きな食べ物も教えてくれると嬉しいです。パーティーを組む相手は彼氏よりも大事だそうなので」
「え?」
エディさんが顔から手を離して私を真顔で見る。
「師匠……アイシャさんが教えてくれました。命を預け、命を預かる、それがパーティーメンバーだと。確かにそう考えると彼氏に命を懸けることはしませんよねぇ」
エディさんが私の顔をじっと見ている。
何だろう。……そういえば、エディさんくらいモテそうなら命がけの恋をする女性もいたのかもしれない。「付き合ってくれなければ死ぬわ!」みたいな。怖っ。
「だけど、家族は命をつないでくれることもあります……彼のために死ぬわけにはいかない……と」
そうだ。
だから、一夜の花嫁というジンクスもできたのだ。
実際家族のために生きて帰るという強い思いで死なずに済んだ人もいるだろう。
エディはもう一度会いたい女性がいると言っていた。……恋する相手がいたことで命が救われたのだとしたら、ちょっと悪いことを言ってしまったかもしれない。
「あ、あの、も、もちろん家族や真実の愛の相手とかそういう人は別で、えーっと、フランクに付き合う恋人とかの話だと……」
「フランクに付き合う恋人?シャリアにはそんな人が?」
「いません、恋人は欲しくないですす、ましてやフランクになんて付き合い方はできません。前にも言いましたけど、私は男性に恋愛的興味は一切ありません。どんなにいい男がいても、それは変わらないです」
エディさんがしゅんっと頭を下げた。
「ごめんなさい。あの、そうですよね、冷静に考えればシャリアの話は聞いていたし、そんな人じゃないって知ってるのに。彼氏とか恋人とか、シャリアの口からきいて、無性に気になって……」
まぁパーティーを組むにあたり、恋愛沙汰でもめて解散とかもなんどか耳にしたから大事ではある。
「……僕はシャリアの彼氏より大事な男になるんですね」
エディさんがうっとりした声を出す。




