金が稼げそうでいいなぁ
気が付けば、16階層まで来ていた。
銀色パーティーが依頼を受けるような場所だ。
一番強い魔物はアイアンゴーレムだ。強いといっても私でも武器なしで倒せるのだから大したことはないけれど、他にレッドウルフの上位種双頭のツインヘッドウルフが出てくる。
こっちがなぁ。倒せない。早すぎて、もはやなんというか、攻撃が当たらない。
私の場合は、アイアンゴーレムの足を殴り、膝をつかせたところで、背中にある魔石を力任せに引っこ抜いて倒す。その間ツインヘッドウルフの攻撃を受けるけれど、身体強化重ねがけ5でジャンに叩かれているくらいの衝撃しかなくなるので無視。
で、アイアンゴーレムを倒したら、ツインヘッドウルフの攻撃を受けながら進んでいく。無視されたツインヘッドウルフは諦めるか仲間を呼ぶか諦めくれずにしつこく攻撃を続けてくるかのどれかなんだけど、やっぱり無視。
たくさん仲間が増えると、やみくもに振り回した棒が運よく当たって、1匹2匹倒せることもある。
あとは効率が悪いから倒そうと思わず次の階層へ進んだ方がタイパもコスパもいいのだ。
エディさんはどうするのかな?
と思っていたら、アイアンゴーレムに剣をはじかれて苦戦している。
苦戦していると、ツインヘッドウルフがやってきて、エディさんを攻撃し始めた。
瞬殺……。
「えー、嘘だぁ、なんで、そんなに簡単にツインヘッドウルフが倒せるのよぉ!速いのズルいぃぃぃ!」
スパパーンだよ。
「魔石は、眉間の間……」
頭が2個。つまり魔石も2個。しかも、アイアンゴーレムの魔石の倍の買い取り価格。つまり、1匹倒したらアイアンゴーレム4匹分の値段になる。
そのツインヘッドウルフを、エディさんはばっさばっさと倒している。
エディさんが私に視線を向け、剣を振り上げた。
「シャリアさんっ!」
必死な顏。
「大丈夫ですかっ!」
また抱きかかえられるのか?!と身構えると、そうではなく、剣を振った。私の前で、ツインヘッドウルフが真っ二つになる。
え?見えなかった。
あっという間にアイアンゴーレム4匹分。
「なんで、こんなにっ!」
どうやら私をロックオンしてツインヘッドウルフ話集まってきていたようだ。
立て続けに6匹倒した。……うん、アイアンゴーレム24匹分。
「シャリアさん……怪我はないですか?」
「ええ、大丈夫ですよ」
「本当ですか?」
ものすごく心配そうな顔でエディが私の顔を覗き込む。
「はい」
「嘘をついていませんか?無理してないですか?」
本当に大丈夫なのに。
「なぜ、そう思うんですか?」
「……顔が……変な顏をしているので」
変な顏って。
そりゃ、美しいエディさんから見れば、私なんて変顔女よね……。って、失礼じゃない?
「沈んだ顔をしているので、……本当に無理はしてないですよね?」
沈んだ顔?
あ、ああ、変な顏って、変な表情って意味か。
「無理はしてないですよ、大丈夫です!というか、無理すれば死に直結ですから。冒険者としてはまだ余裕があるうちに撤退が鉄則です。エディさんも大丈夫ですか?」
いけない。あっという間に稼いでいくエディさんを見て悲しんで心配かけてる場合じゃない。
ちゃんと指導しないと。




