第5話:はるかの想い、初めての告白
<冒頭モノローグ:月城はるか>
「好きだって、言いたかった。
だけど言えなかった――怖かったんだ、壊れるのが」
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【場面:放課後の校庭】
夕暮れのグラウンドに月城はるかが一人で立っている。
スマホの画面には、悠真とひかりが笑い合う写真が映っている。
はるかの手が震える。
「悠真……私のこと、見てくれてるのかな……?」
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【場面:テニス部部室】
はるかは仲間たちと距離を取り、どこかよそよそしい。
蓮見が声をかける。
「最近、はるか先輩、元気ないっすね。何かあったんですか?」
「……別に、何でもない」
でも、はるかの瞳は涙で光っている。
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【場面:翌日・図書室】
はるかは悠真に呼び出される。
「はるか、少し話せるか?」
二人きりになった空間で、悠真は真剣な表情。
「俺は……お前がいるから、強くなれる。
お前の気持ちも、ちゃんと聞きたいんだ」
はるかはうつむき、顔を隠す。
「私……ずっと悠真のことが好きだった。
でも、ひかりがいるから……」
悠真ははるかの手を握り、優しく言った。
「俺は……誰かを諦めるつもりはない。
お前も、ひかりも、どっちも大事だ」
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【場面:放課後の校庭・ライトアップされたコート】
はるかは涙を拭いながら、悠真に告げる。
「私……告白する。
悠真、あなたが好き」
悠真の目が大きく見開かれた。
「はるか……」
その時、遠くからひかりの声が響く。
「悠真くん!」
二人の間に静かな波紋が広がる。
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【場面:コート脇・ひかり】
ひかりはスマホを握りしめていた。
「私も、言わなきゃ……でも、怖い」