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『ラリー・ラブ!~アイドルと白球の約束~』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
スピンオフ未来編『 ~ずっと一緒に、約束の先へ~ 』
33/41

第2話「それぞれの夢と、隠された決意」




「さぁ、本日の4番、ファースト・阪神タイガース、相馬悠真!」

甲子園が沸き立つ。

開幕から苦しんできた男が、今日こそはとバットを握りしめる。


スタンドには「相馬」の名を掲げたボードが並び、歓声が轟く。

プロ9年目。4番打者。

だが昨年は怪我で不調。今年も開幕からわずか2本塁打。世間では“終わった天才”と囁かれることもある。


けれど彼の中には、今もあの炎がある。


(……諦めるには、まだ早すぎる)


その頃、朝比奈家。

テレビの前でひかりと悠翔が見守っていた。


「がんばれ、パパー!」

「悠真くん……届いて」


ピッチャーが投げた瞬間――

カキィィン!


「打ったァァーーー! これは伸びる! 伸びるぞーーーっ! ライトスタンド一直線、ホームラン! 相馬悠真、ようやく4番の仕事を果たしたーッ!」


甲子園が揺れる。

スタンドの虎党が総立ちで歓声を送る中、悠真はベースを一周しながら、胸元に指を当てた。


それは「家族」への合図だった。


* * *


その夜。


「悠真くん、今日のホームラン……すごかった」

「まだまだこれから。悠翔のためにも、君のためにも、もう一度本気でやるよ」


けれど――


ひかりはまだ、心の中で揺れていた。

かつてのステージへの想い。最近届いた“芸能界復帰”の誘い。

彼女には、まだ伝えられていない夢がある。


「……私も、もう一度ステージに立ってみたいなんて、言ったら……どう思うかな」


その言葉は、まだ誰にも聞こえていない。


だがふたりの物語は、確かに“新しいステージ”に踏み出そうとしていた。


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