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◇エピソード2:ひかりのアイドル活動と友情


ひかりは今日も輝くステージの中心で、ファンの歓声に包まれていた。全国ツアーの最中、忙しい日々を送っているが、心のどこかに悠真とはるかのことがいつもあった。


ライブが終わった夜、ひかりは久しぶりに悠真とはるかの家を訪れた。ドアを開けると、温かな笑顔で二人が迎えてくれる。


「ひかり、おかえり!」はるかが抱きしめる。


「ただいま。みんなに会いたかったんだ」


リビングでは久しぶりの再会を祝って、三人でテニスの話に花が咲く。


「最近、新曲の振り付けもテニスの動きを取り入れてみたんだ」ひかりが笑う。


「さすが、スポーツ万能!」悠真が冗談交じりに言うと、三人は大笑いした。


忙しいアイドル活動の合間でも、こうした友情の時間がひかりの心の支えになっている。


「また近いうちに一緒に練習しようね」とはるか。


「うん、約束!」


その夜、ひかりは自分の夢と友情の両立に新たな決意を固めていた。


その翌日、ひかりはスタジオでのリハーサルを終えると、スマホに届いたメッセージを見た。悠真からだった。


「今日の試合、応援してるよ。頑張って!」


ひかりは思わず笑顔になった。忙しい中でも、友人を気遣う気持ちが嬉しかった。


夜、ホテルの窓から東京の夜景を眺めながら、ひかりは心の中で呟く。


「どんなに遠くにいても、みんながいるから頑張れる」


一方、悠真とはるかも、テニスコートで汗を流しながら、ひかりの話題で盛り上がっていた。


「ひかり、あの子は本当に強い意志の持ち主だよね」


「うん、だからこそ、私たちも負けられないよね」


そんな風に、三人は離れていても心でつながっていることを確かめ合っていた。


数日後、ひかりは地方公演を終えた帰りの新幹線で、はるかからのメッセージを受け取る。


「忙しい中お疲れさま。今度、うちでお鍋しよう。ゆっくり話したいな」


その言葉に、ひかりの心がじんわり温かくなる。


「うん、絶対行く! 次のオフに空けておいてね!」

返信する指が自然と軽やかになる。



そして、再び訪れた週末。

ひかりは私服姿で悠真とはるかの家を訪れる。アイドルの顔ではなく、ただの“友達・ひかり”として。


「ただいまーっ! 冷蔵庫、覗いていい?」

「ちょっと!勝手に開けない!」とはるかが笑って言う。


「いつも通りだな」悠真が呆れたように笑う。


三人で鍋を囲みながら、話は学生時代の思い出や、今の生活の悩みへと広がっていく。


「正直、最近ちょっとだけ怖いんだ。みんなの期待が……重くて」

ひかりがぽつりと漏らすと、はるかはすっと手を伸ばした。


「ひかりが笑ってくれるだけで、私たちは嬉しいよ。無理しすぎないで」

「アイドルだって、頼っていいんだよ」悠真も優しく続けた。


ひかりは涙をこらえながら、うなずいた。


「ありがとう。ほんとに、二人がいてくれてよかった」



夜が更けていく中、三人はコタツで寄り添い、眠ってしまう。


その寝顔には、青春時代と変わらない絆が宿っていた。



翌朝。

帰り際、ひかりは玄関でふと振り返って言った。


「次に私のライブに来てくれたら、特等席を用意するね。…大事な家族だから」


その背中には、また一つ、強さを増したアイドルの覚悟が見えた。


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