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メニュー:4 フロストハーブの心温スープ

森の中に佇む架空の食材を使った料理を出すレストラン「星の庭」。

星空が見える夜にだけ開店するそのレストランに、知らず迷い込んでくる様々な悩みを抱えた人達と架空の食材を使った料理が紡ぎ出す、心温まる物語。

静寂に包まれた冬の森を一人歩く女性がいた。彼女はコートをぎゅっと締め、冷たい風を避けるように顔を伏せていた。数日前、大切な友人と喧嘩をしてしまい、彼女の心は寒々しい孤独感に覆われていた。


ふと、森の中に淡い光が漏れる一軒の建物を見つけた。「星の庭」と記された看板の下に立つと、温かな空気が彼女を包み込んだようだった。戸を開けると、ウェイターが明るい笑顔で出迎えてくれた。

「いらっしゃいませ。暖かいものをご用意しますね。」

シェフも静かに頷きながら、彼女の表情を見つめていた。

席に座った彼女は、小さな声で心の内を話し始めた。

「友達と酷い言い争いをしてしまって…。修復したいけど、何をどうすればいいのかわからないんです。」

シェフは少し考え込み、静かに言った。

「そんなあなたには、フロストハーブの心温スープをお出しします。このスープは、冷たい外見と温かい心を持つ特別な料理です。」


キッチンではシェフが、フロストハーブを優しく摘み取り、冷たさと温かさが見事に調和したスープを準備していった。その作業はまるで彼女の気持ちを癒やそうとするかのようだった。


スープがテーブルに運ばれると、彼女はその美しさに目を見張った。冷たいクリスタルのような見た目の中に、ほのかな温かさが漂っていた。一口飲んだ瞬間、彼女の心の中に温もりが広がり、涙が静かに流れた。


「このスープのように、自分の冷たさの中にも隠れた温かさがきっとある。それに気づいてもらえれば、きっと友人とも仲直りできるはずです。」

ウェイターが優しく語りかけた。


その夜、女性は心に希望を抱え、友人に会いに行く決意を固めた。


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フロストハーブ

霜が降りる寒い夜にだけ見られる冷たいハーブ。透明感のある薄青色をしており、冷たい見た目に反して食べると体の芯から温まる、冷たさと温かさの対比が特徴。


フロストハーブの心温スープ レシピ

材料

- フロストハーブ(ミントやタイムで代用可能)

- ジャガイモ 2個

- 玉ねぎ 1個

- 牛乳 200ml

- チキンブイヨン 500ml

- 塩と胡椒 適量

- クリーム(飾り用)


手順

1. ジャガイモと玉ねぎを薄切りにし、チキンブイヨンで柔らかくなるまで煮込む。

2. フロストハーブを加えてさらに煮込み、全てをブレンダーで滑らかにする。

3. 牛乳を加えながら弱火で温め、塩と胡椒で味を調える。

4. 器に注ぎ、仕上げにクリームをスプーンで渦を描くように飾る。

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