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アニモファイト

場所は移り、中核都市、ハテノシティ市内――


その一角に設けられた公園では、今日も各種スポーツが盛んに行われていた。

特に、人間と小動物がペアになって向かい合っているコートでは、より一層の盛り上がりを見せていた。


丁度そのとき、一人の青年と小動物が対戦相手に宣戦布告を仕掛けた。


「よし、特訓の成果を見せるときだ。今日こそ勝利を掴んでやるぜ! いくぞ、ランマル!」


「ピイ!」


青年が高らかに宣誓すると、ランマルと呼ばれた小動物は勢いよく対戦相手に向かっていった......!


そして数分後、彼らは敗北した。いとも簡単に。


「ピイ......」


「ああっ、ランマル! くそー!! また負けた!」


どうやら彼らは、連戦で負け越しているようである。


「もう諦めなよ、お兄ちゃん」


その青年――マサトを完封した、妹らしき中学生くらいの女の子が言葉で追い打ちをかける。


「いや!俺は諦めないぞ! 次の勝負で必ず勝ってやる!」


「いっつもそれ聞いてるけど」


「ふ、俺の意志を挫こうとしてもそうはいかんぞ! 俺の燃える覚悟は不滅――」


「もうかれこれヒナと30回くらい戦ってるけど、一回も勝ってないじゃん」


「……」


そんな様子を、公園端のベンチから何やら達観した風で眺める男の姿があった。


「いいねえ、若者は。夢があって」


男は昼間から缶ビールを開けて一人で喋っている。

傍からみても明らかなほどに、酔いが回っている。


そこに、また別の声が加わってきた。


「あの集まりはなんだ。あやつらは何をしているのだ」


「おいおい、変な冗談だな。アニモファイトに決まってるだろう?」


「アニモファイト?」


「そうさ。ああやって自分のアニモを一対一で戦わせて、相手を戦闘不能にした方の勝ち。この町じゃみんな知ってるよ」


「ふむ、なるほど。あの人間と一緒になって戯れている動物をアニモというのか。そして、人間は基本的に戦わぬと」


「まあ、ホントはもっといろんな種類があるんだけどな。俺も昔はよくやったもんだよ。毎日相方のポムキャットに技を教え込んでは、大口を叩いてた。俺は全国大会で優勝する!ってな。懐かしいねえ。」


「全国?大会?あれは他の場所でも広く行われているのか?」


「あったりめえよお。大会に出てからがアニモファイトの醍醐味だぜえ。でかい大会でいい成績を残せば、周りからの憧れの的になることは間違いねえよ。それに賞金だってたんまり出る。全国上位5%に入れりゃ、人生遊んで暮らすのも夢じゃねえ。勝てば名誉と金、その両方が手に入るわけだ。おもしれえだろ?」


「ふむ、それはなかなか興味深い。よし決めたぞ。我の最初の目標として、その大会の名誉の全て、我が手中に収めてやろう」


「ぶっはっはっは!! おもしれえこと言うじゃねえか! ついでにいいこと教えてやるよ。ちょうどそろそろ次の大会が始まる。この公園をまっすぐ進んだ先の建物で選手登録ができるからよ、その先に夢が転がってるかもしれないぜ?」


「礼を言う。そうと決まれば、早速行動開始だ」


「はっはっは!嫌いじゃねえが純粋すぎるぜ、あんた! 思い立ったらなれるような甘い世界なら苦労しねえよ!まあ、せいぜい頑張りなあ」


「うむ、達者でな」


「そうだ、せっかくだから名前教えてくれよ。あんたとはいい酒が......ん?」


隣を振り向いても、そこには誰もいなかった。

唯一目に入ったのは、オオカミに似た姿をした一匹のアニモ――トイウルフの姿だけだった。トイウルフはなぜか、今自分が教えた方向に向かって歩いている。


状況を整理しようとしたが、あまりにも馬鹿馬鹿しいことに思えて、考えるのをやめた。

酒の飲み過ぎで幻覚と幻聴が一緒に押し寄せてきたことに、男の酔いは一気にさめた。

やがて、空を見上げてこう呟いた。


「..........酒、やめようかな」


本作を読んでいただき、誠にありがとうございます!


もしよろしければ、ブックマークや評価をしていただけますと幸いです!

ご感想等もお待ちしております!


執筆のモチベーションになりますので、何卒よろしくお願いいたします!


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