プロローグ
一人の青年が膝をついている。その周りに複数の人間たちが輪になって囲っている。
彼らは集団で暴行を加えているようだ。
悪党はあざけるように挑発する。
「せいぜいあがいてみろよ、なあ!」
(ここで、終わりか。ついてないな、くそっ......)
青年はうつむいて、己の運命を悟る。
その時、どこからか声が聞こえた。
「下がっておれ」
「!?」
そこに現れたのは、何とも可愛らしい、小さな動物だった。
「そこまでだ。おぬしら、少々悪さが過ぎたようだな」
「おい、このアニモ、喋ってるぞ!」
そして小動物は一言つぶやいた。
「今からおぬしらに、鉄槌を下してやろう」
悪党は自分たちを制止しようとするその動物の風貌をみて、当然のようにバカにする。
「ぎゃははははは!! おい聞いたかよ! あの可愛いのが、鉄槌を下してくれるらしいぞ!」
「やれるものなら是非ともやってもらいたいねえ!」
彼らは完全に敵を侮り、見下している。そのせいで、周囲に威圧感が増していくことに気づくことができない。
ゴッ!!
突然、轟音が響いた。小動物の周囲には雷鳴と劫火が舞い踊っている。
悪党たちは不意の出来事に慌てふためく。
「な、なんだ......?」
「貴様ら、我を侮辱したな? 後悔するがよい。我を対面したとき、まずもって命乞いをしなかったことを......。思い知るがいい。己の無知と、無力さを!!」
「お、お前、何者だ......?」
「......黄泉の手向けに、教えてやろう」
「我が名はラスト。永遠と終焉を司るものなり!!」
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