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こんけるふぇん(仮)  作者: 黄昏狐
第1章 冒険者パーティー『狐火』
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第1話 狐娘は腹ペコだ。

 この世界は狂っている。

 少なくともあたしは思うのだ。


 貴族の娘として生まれ、人生勝ち組まっしぐら!──そう思っていたのに。

 些細な()()で私のバラ色未来は閉ざされた。


 幼かったあたしは悪戯心から宝物庫に入り浸ることが多く、最奥に安置・封印されていた毛皮を被った瞬間に取り憑かれた。


 両親には感謝している。

 十歳でこんな体になってしまったあたしを、十五歳まで育ててくれた。

 すでに五つ年下の妹には身長でも体格でも追いつかれて今にも抜かれそうだった。


 十五歳の誕生日の翌日、あたしは誕生日プレゼントとして少しの金貨を渡され、家を追い出された。


 ドレスを着れない童顔低身長貧乳貴族令嬢なんて、一部の変態を除いて需要がない。(ドレスは着ると燃え落ちる)

 だからあたしは世間では十歳で事故で死んだことになっているそうだ。


 家の正面玄関のドアが閉まる瞬間の、生まれた時からお世話してくれていた、メイドのシルビアの悲しそうな顔が今でも忘れられない。



 そんなこんなで家を追い出されたあたしは、しばらく玄関前で俯いていたものの、今更嘆いたって仕方ない。底なしプラス思考こそがあたしの本領なのだ。

 両親は本当にミリアという自由の獣を解き放って後悔しない? 大丈夫? そんな感じだ。


 最近の両親の不穏な動きには感付いていたので、父の書斎の本棚で今いるここフォクシリウス領周辺の地図を頭に叩き込んでいた。


 十二歳の頃からこの生きる狐パーカーとは意思疎通ができるようになり、勉強を抜け出しては家の裏山に行って、秘密裏に自分に何ができるのかを検証していた。(そのせいで勉強もしないバカ娘なんて追い出してしまえと思われた疑惑もある)


『おい』


 この狐パーカーのおかげで成長しない体にはなってしまったものの、とりあえず簡単な魔物は倒せるだけの力を手に入れていた。

 

『狐パーカー呼びするでない』


 右の手の平を見る。

 握るように力を込めると二十cmほどの爪が出てくる。

 この爪は岩をチーズのように切り裂くだけの鋭さと硬さがあった。


『その思考は誰に話している?』


 自分自身の魔力は吸い尽くされて無いようなものだが、魂の繋がりができてしまった狐パーカーの保有する魔力を引き出して魔法を使えるようだった。


 左の手の平を見る。

 手をパーのまま力を込めると、小さな火炎球(ファイヤーボール)が出来上がる。


『魔力を無駄遣いするでない』


 狐パーカーの思考が流れ込んできて火炎球(ファイヤーボール)が霧散した。


「ちょっと、ウェイズ! せっかく良い所だったんだから、邪魔しないでよ!」

『ぬう、すまぬ?』


 念話の声の主である()ナインテイルの()狐パーカーであるウェイズは、訝しげにデフォルメされた狐顔についた眉を潜めた。


「あー、もういいや」

『うん???』


「色々とすっとばして、ミリア様の快進撃はここから始まるのです!」

 腰に左手を当て、右手で明後日の方向を指差し、足を少しだけ広げてドヤ顔ポーズを決めてみる。


 追放された元貴族令嬢、悠久を生きる九尾の相棒、脱げない呪いの最強装備!

 この三点セットから導き出される回答は⁉


「ミリアはこれから冒険者になるのです!!」

 また腰に左手を当て、右手で今度は明々後日の方向を指差し、足を少しだけ広げて無い胸を張ってドヤ顔ポーズを決めてみる。


『まあ、順当であろう。一文無しでは腹も膨れぬゆえな』

 ウェイズの呆れたような念話が聞こえてくる。


「あっそういえばお昼ごはん食べてなかったな。ウェイズ、お金出して!」


 言われたウェイズは嫌々ながらその口を大きく開くと、そこから虹色に輝くゲロを吐き、その虹ゲロの滝の中から小さな麻袋に入ったお金が出てくる。ゲロだけど虹色の魔力の奔流なのでばっちくない。

彼は亜空間収納魔法を使って虚空から物を取り出したに過ぎない。


 中を確認すると、そこにあるのは金貨五枚。贅沢をしなければしばらくは何もしなくても生きてはいけるはずだ。


「とりあえず()()()()って言うじゃない?」

『……腹が減ったのだな?』

「そうとも言う」


 お腹の虫を鳴かせながら、ミリアは栄光への第一歩を踏み出すのです!

※妹の年齢五歳年下に再設定(話が合わなくなるため)

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