1/1
、
私はいつも来ている公園で珍しい光景を見た。
子供が木に風船をひっかけてしまい、それをぼろぼろの翼の悪魔がとろうとしている所。
私は公園のベンチでぼぅっと悪魔を見つめていた。
「…仕方ない…助けてやるかぁ。」
ベンチを立ち、悪魔の元へ向かう。
「ねぇ。」
声をかけるとそこにいる悪魔は呆然とこちらを見つめながら不思議な顔をしていた。
『…何か用ですか。』
冷たく彼は言い放った。
私はにかっとしながら
「その風船、取ってきてあげる。あなた、翼ボロボロだもの。」
彼は、
『あんただって、片翼じゃないか。』
と言った。
私はその言葉を気にも留めずに木の下へ勢いよくーーーーー飛んだ。