丸くなる両親に思うこと
先日、70を過ぎた両親と久しぶりに会ってきた。
そこで思ったのは性格まぁるくなったなぁって言うこと。
私が子供の頃は、頑固親父とか亭主関白なんて言葉が似合う職人気質な父親と、そんな父を宥めつつ家庭を支えてくれた母親。
それが今はふたり揃ってほんわかとしている。
隣で見ていると昔のように大変そうではないので良かったなと嬉しく思ってしまう。
多分こういうのを良い歳の取り方をしたって言うのだろう。
そこでふと、人はどうして歳を取ると性格が変わるんだろうかと考えた。
人は未熟児などで無ければ生まれた瞬間はそれほど大きな違いは無いと思う。
言ってしまえば可能性の塊だ。
それが20年30年と生きるなかで研磨されて鋭くなっていく。
そうしないと厳しい社会で生きていけないからだ。
人によっては途中で磨くのを止めてしまったり、加減を間違えてポッキリと挫折してしまうかもしれない。
鋭い刃は他人だけでなく自分をも傷付けた事だろう。
それでも家族の為に頑張ってくれた両親には感謝しかない。
そして50年60年と経ち、子供達も独立した後は穏やかに雨風によって鋭い部分が削れていき、まるくなって行くのだと思う。
そうなればもう、自分も他人も傷付ける事はない。
このまま後30年もすれば、まん丸くなった魂が三途の川をどんぶらこと流れて来世へと向かうのだろう。
どうか幸せなまま逝って欲しい。
だから思うのだ。
邪魔をするなと。
無遠慮な刃で傷付けに来るなと。
子供のころ、多くの苦難から守ってくれた両親を守るのは私の使命だ。