表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/101

今の私には、経験値にしか見えない。

 地平線が明るくなってきた。

 どうやら夜明けが近いらしい。

 

 馬でポクポクと歩いていると、街道から外れたところに一匹の魔物を発見した。

 街道は人が行き交うため、基本的に魔物は近寄らない。

 よほど飢えていたりするならともかく、普通は。

 

 だから珍しいことではあるけど、夜明けのこの時間帯だから人通りはないのでもしかしたら街道近くにも魔物は現れることがあるのかもしれない。

 この辺り、元お嬢様である私は知るよしもないことなので想像するしかないのだけど。

 ともかく魔物だ。

 今の私には、経験値にしか見えない。

 

 ホーンラビット。

 額に角が生えたウサギである。

 肉はなかなかの美味で、毛皮も需要がある。

 ただし逃げ足が速いので、なかなか仕留められないらしいけど。

 

 ただそれも魔法使いがいない場合に限っての話だ。

 

「〈マジックアロー〉」

 

 追尾性能のある〈マジックアロー〉はこういう場面で活きる。

 

 バシュッ!

 

 よしよし、一撃で仕留められたね。

 馬から降りてホーンラビットを拾う。

 時間が微妙だけど、血抜きして皮を剥いでおこう。

 

「〈ウィンドカッター〉」

 

 首を落とす。

 闘気法を発動して、皮を引っ剥がす。

 血で汚れるが、〈クレンリネス〉があるので問題なし。

 

 そういえば昨晩から魔法を撃っているけど、魔力不足に陥る感じはない。

 私の魔力量がどのくらいか、一度どこかで測定した方がいいだろう。

 まあそれもこの領を出てからの話になるだろうけど。

 

 貴族院のサバイバル実習で習ったから、ホーンラビットを捌くのは久々だ。

 指先に小さな〈ウィンドカッター〉をまとわせて解体していく。

 内臓はよく分からないので捨てる。

 枝肉になったので、〈ファイアボール〉で炙っていく。

 肉は大抵、熟成させた方が美味しいと聞くが、とれたてもまた悪くない味がするのだ。

 

 ……調味料があればね。

 

 塩すら持っていないことに気づいて愕然とした。

 いかん、これ食べるんじゃなくて売る方が良かったのでは?

 

 まあ焼いたのは一本だけだし。

 残りは売りたいけどカバンに肉を直で入れるのは気が引ける。

 布か紙が切実に欲しい。

 

 あ、塩なら作れるのか。

 

 地属性の〈クリエイトソルト〉を唱えると、製塩された白い塩がこんもりと手の平に生成された。

 おかしい、岩塩ができるはずなんだけどなあ。

 

 まあともあれ塩は入手できたので、焼いた肉に一振りしてかぶりつく。

 うん、美味い。

 滴る肉汁がなんともいえない、プリプリした歯ごたえもグッド。

 

 あ、布といえば……。

 私は地面に生えている雑草を集めた。

 

「〈クリエイトクロース〉」

 

 シュルルルル。

 雑草の繊維質が絡まり、緑色の布が出来上がる。

 念の為、〈クレンリネス〉で消毒して肉を包んでカバンに入れる。

 

 地属性バンザイ!

 

 やっぱ下位四属性は便利だね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ