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なろうラジオ大賞3

サイコロふったら死んじゃう病

掲載日:2021/12/06

 ある男が呪いをかけられた。

 サイコロを振ったら死んでしまうという。


 別に困らないだろうと思っていると、ある問題に直面した。


「お題はサイコロ……だと」


 男は編集者から言い渡されたお題を聞いて固まる。


「ええ、サイコロについて小説を一つ書いてください。

 内容は何でもいいです」

「なっ……なんでサイコロなんだ⁉

 他にもいろいろあるだろう!」

「他のお題は既に別の作家さんが書かれているので、

 これしか残ってないんですよ」

「うそ……だろ」


 あまりに絶望的な条件を付きつけられるが、仕事を断るわけにはいかない。

 男はしぶしぶ依頼を受けることにした。


 しかし……弱ったな。

 男は悩みながら次のような小説を書いた。


『サイコロを飲み込んで死んじゃいました』


 アホみたいな内容だったが作品にはなった。

 これをサーバーにアップロードして……。



 ……ぐっ!



 突然、胸に違和感を覚えた男。

 本能的に命の危険を察知した彼は、すぐさまデータを削除。

 途端に苦しさが消えて行く。


 ――なるほど。

 つまりはこういうことか。


 サイコロを飲み込んで胃の中で転がってしまった。

 そう言う解釈ができるから、このネタはアウト。


 やれやれ、これは難題だぞ。

 少しでもサイコロが転がったらダメらしい。


 男は考えを巡らせて、新しい作品のプロットを組んだ。


 次の作品はこれだ。


『サイコロを振ったら死刑になる国』


 うむ、これならば……ぐっ!

 どうしてダメなの⁉


 禁止したところで、この世界の誰かがサイコロをふってしまう。

 だからアウト……と言うことか?

 これでは何を書いてもダメではないか。


 というか、どうして今まで大丈夫だったのだろうか。

 何百という作品を書き上げて来たというのに……。


 はっ、そうか!


 俺は今までサイコロの存在しない世界の物語を書いて来た。

 だから大丈夫だったんだ。


 そうと分かれば話は早い。

 俺が書くべき小説は……。


『サイコロの存在しない世界』


 ……だ!


 これなら大丈夫だろう!


 俺は書き上げた小説のデータをサーバーにアップロード。

 特になんともなかったので、このネタなら大丈夫だと確信。


 ふぅ……ヤバイ仕事だったけど、何とか乗り切ったぜ。


 男は額に着いた汗をぬぐって、深く息を吐いた。





「あの……大賞どれにします?」


 編集者が言う。


「ううん、それなりに完成度高いけど、

 どれも似たり寄ったりだな。

 会議で決めるのも面倒だし……」

「あっ、いいこと思いつきました!」


 若手の編集者が手を上げる。


「サイコロで決めましょう!」

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― 新着の感想 ―
[良い点] うぅ…… 頑張ったのに! 頑張ったのに!! [一言] サイコロ、テーブルにボンドで引っ付けようかな、と思いました。 動かないように……
[良い点] このオチ!アリかよ!(笑) [一言] えええ!?そんな殺生な! それじゃあたとえ「サイコロがボンドでくっついて動かない」という小説を書いたってダメじゃあないか! 運か、運なのか!? テーマ…
[気になる点] 他人がサイコロ振っても死んじゃうの??(´・ω・`)
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