魔女がいる世界に迷いこんだ天界人
[注意]
この作品は……
『異世界に飛ばされた私は、自らの力で世界を開拓をしよう』
及び
『魔女と少女』
のスピンオフ作品です。
▪▪▪
ベステーラの件から、街も徐々に復興の兆しが出てきた。
そんなある日。
「キャーッ!」
家の外から、オリアの叫び声が聞こえた。
「ど、どうしたの?」
オリアは、家の前を指差す。
見たことが無い人物が……横たわっている?
『イタタ……。』
白く長い髪をなびかせている、謎の女性はそう言いながら起きた。
『………あれ?此処はどこじゃ?そなた達は……誰じゃ?』
「「それはこっちのセリフですよ!!」」
思わず、二人はそう突っ込んでしまった。
▪▪▪
『申し訳ない……わたくしは[ルシアル]と言いますわ。』
とりあえず家へ招き入れると、彼女……[ルシアル]はそう言った。
「あの、どう言った訳でこちらに?」
オリアが質問する。
『………それはね。』
[ルシアル]によれば、彼女は『ワールドインフィニティ』もとい『ワールドゼロ』という世界に居た。
……のだが、突然謎の時空間に吸い込まれてしまったようだ。
彼女曰く、『天界人』らしい。……確かに、そんな感じはするけどね。
「……禁断の術のせい、かしら。」
「直近のだとそれしか思い浮かばないね。」
禁断の術は、副作用的なので別世界へ繋がるとかなんとか、聞いたことがある。
『ふみゅぅ……どうすればいいのかしら。』
「………?ちょっと待って。」
ティーラは、家の地下にある小さな本部屋に赴く。
「……あった、これだ。」
[禁断の術について]
と書かれた本を取り出した。
「第5章:時空間に巻き込まれた人物を元の世界に戻す方法」
ぶっちゃけ無い、諦めろと書かれていた。
「え、それって……」
『帰れないって事!?』
「……ただし、元の世界の住人が魔方陣解除の術を使えば戻れるっぽい、けどね。」
▪▪▪
その頃、しずく町では……。
「[ルシアル]さーん?何処なのー?」
しずく達が[ルシアル]を探していた。
『………?』
[ヤンバ]が魔方陣に気がついた。
そこに、[ルシアル]のネックレスが落ちていた。
『皆さん!来てください!』
ぞろぞろと集まる。
「見たことない魔方陣だな。」
アールガイが呟く。
『………これ、見たことがあります。』
[フェイア]がそう言った。
『確か、姉妹世界の魔方陣だと記憶しています。』
「姉妹世界?」
しずくが聞く。
『ええ、天界様の妹様の世界だったかと。妹様側の世界では、解除不可の筈……少々お待ちください。解除の本をお持ちいたします。』
▪▪▪
「………っ!?」
ティーラは強い魔力を感じた。
これ、違う世界の魔力っぽい……
「ティーラさん!外を見てください!」
オリアのその声を聞いて、外を見る。
見知らぬ人達が居た。
『………っ!しずくさん達だわ!』
[ルシアル]がそう言った。
三人は外へ出た。
「[ルシアル]さん、よかった!無事で。」
しずくはそう言った。
「……あ、申し遅れました。[ワールドゼロ]から来ました、しずくと言います。」
「私はティーラです。それと、この子はオリアと言います。」
『二人が居なかったら、途方に暮れていましたのよ。…で、魔方陣は?』
[ルシアル]が聞いた。
『私が解除いたしました。あと、実は……』
[フェイア]が事情を説明した。
「成る程。それで、か。」
ティーラとオリアは納得した。
それで、無事に[ルシアル]達は帰っていった……とさ。