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他愛もない話をしている中、ふと朝日奈くんは思い出したように言った。
「マスターってモテるのに、付き合ったりとか、再婚とか考えないの?じいちゃん達がお見合い話持ってこようとしてるんだけど。」
付き合う?再婚?お見合い?なんのことかと思うほど驚いてしまう。
「ん?なんで急にそんなこと?んー…恋愛とかはもういいかなー。僕は結婚にも向いていないみたいだから、自分の好きに生活するよ。」
「そっかー。なら、俺からもそう言っとく。余計な世話するなってね。ちょっと、東雲さん?変な顔してるけど、大丈夫?」
気がつけば変な顔をしていた様だ。
マスターの年齢が年齢だけに結婚はしてるんだろうとは思ってたけど、まさかのバツ付き…恋愛はもういいとか言ってるし、思いの外マスターにときめいてることが多いので、早めに飽きらめられるなら良いのか…とぐるぐると思考を回していた。
「えっ!あっ、うん。大丈夫だよ。マスター過去に結婚してたんですね。驚きました。」
ほとんど本心が出てしまう。
「ヒナくんのせいで一沙さん驚いてるから。結婚してたのは脱サラする前までね。向こうはキャリアウーマンだったから、子供もいなかったし。何年も前に終わったことだから、慰謝料とかも何もなし!円満離婚だから気にしないで!」
と笑顔で言っているものの、こっちはもやもやとしてしまう。
そのあとはなにを話してたのか忘れるくらい生返事をしまっていた。
帰り道はまたマスターが心配して送ってくれた。
「一沙さん。」
不意にマスターが立ち止まった。
「マスター?どうしました?」
「何かあった時は必ず言ってくださいね。今日みたいな事は寿命縮みますから。必ずですよ。」
そう言ってマスターはまた歩き始めた。
その時のマスターの顔は怒っている様な、何かを思い出して辛い思いをしている様な感じだった。
自宅までは必要のない事は話さず、そのまま自宅前まで送ってくれた。
自宅の鍵を開けようとすると鍵が開いていた。
不安になりながら恐る恐る開けると室内が荒らされていたのだった。
そのまま警察に連絡した。
第二章了




