表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/16

歴代のペット

 実家の母は動物が嫌いだ。


 犬猫が嫌いと言うと、『接し慣れないからだ』とか『人間として冷たい』とかいう意見を聞くことがあるが、心情的にアレルギーがある人もいる事を言っておきたい。


 母は単なる動物嫌いではない。

 母は肉を食べない。

 肉の入った料理も食べない。肉をどけても食べない。

 牛乳もチーズ、バターもだめだ。酪農王国、北海道に住んでいてそれはないだろうと思うのだが。

 かろうじて卵はOK。魚介も赤身のお刺身はだめだ。


 別に食物アレルギーがあるわけでも、何かの信仰や主義主張があるわけでもない。心情的な拒否感から来るものだ。


 そんな母と、借家住まいという環境から、うちで飼えるのは小鳥か金魚くらいだった。


 母と反対に生き物好きな父は、セキセイインコからウグイスまで、色々な小鳥と観賞魚を飼っていた。(当時はまだ一部の野鳥が飼えた。現在では全て違法である)

 どう母を言いくるめたのか、外にニワトリ小屋があった事もある。

 一度、同級生の家で手乗り文鳥を見てから、父に『うちの鳥も手乗りにしよう』と言ったことがある。

 肩や指に小鳥がとまるなんて、白雪姫みたいで素敵だと思ったのだ。

 しかし、手乗りにするならもっと小さい時からやらなきゃだめなこと、それに母が嫌がるであろうことを父に説明された。


 私の白雪姫計画はあえなく潰れた。



 その後も、ペットらしいペットとは無縁だった。

 が、私はいつも何かを飼育していたように思う。『何かを飼って観察する』のが好きだったのだ。

 毎月届く学習雑誌の付録に合わせ、色々なモノを飼った。

 モンシロチョウ、かたつむり、アリ、プランクトン――今から思えば神経質なうちの母だけでなく、どこの母親にとっても迷惑なものばかりだ。

 毎回、両親はなんと言って私に捨てさせていたのか。

 小学生の頃の話なので、飼育していた事以外全く記憶にない。


 今となっては、どうもすみませんとしか言いようがない次第である。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ