召喚
次に視界が戻るとそこはお城?だろうかどこかゲームなどで見たような白い床に赤い絨毯が高い玉座のようなところに伸びた王様の部屋。という感じの部屋だった。周囲を見渡せば見慣れた顔がちらほらと見え、高校生・中学生合わせて三〇〇人程度に教師が三人という感じだろうか。そして俺が軽い状況確認をしている間に疑問の声が周囲から上がり始めた。
ここで過半数が大きな混乱せず疑問で留まったのは何人かの混乱した生徒を見て、冷静になったからだろう。そんな時玉座らしき場所から幼いながらも凛々しい声が上がった。
「ようこそおいでくださいました勇者様!」
その声に全員が注目し、一時の静けさが訪れた。声の主は一呼吸おいて、
「私は第13代ヴァークリル王国女王シェイリア・ヴァークリルと申します。勇者様!どうかこの世界をお救いください。」
十二歳程度の女の子は俺たちにそう語りかけた。
「あー。取り合えずこの今の状況を詳しく聞かせてくれませんか?我々は何が何だかわからない状況でして、それからでないと話もできません。とりあえずここがどこで、あなたが誰なのか・・・はさっき言っていたから、えーっと勇者様っていうのはどういうことでしょうか。」
俺たちの担任で、最近ようやく担任になれたと喜んでいた川原 悟先生がまず話しかけに行ったが、まだ混乱しているようで普段のはきはきした様子は見られない。しかし、そこは大人として女王?である女の子に敬語を使いながら情報を得ようとしている。
「はっはい!まずここはヴァークリル王国王城の玉座の間で、勇者様というのは創世神が召喚したあなた方のことです。」
女王様の慌てながらの返答にほんわかしながらも、俺は胸の高鳴りと言いようもない不安に駆り立てられた。