母に贈る懺悔
ここはとある死刑台の上
そこには放火、そして強盗、殺人等様々な犯罪に手を染めてきた男【田中謙三】が立っている
監獄に4年入り、とうとう死刑が決定した
4年とゆう年月が一人の人間の人生を悔い改めさせたが国はそれを許しはしなかった
「田中謙三、これから死刑を執行する、何か最後にやり残した事はあるか?」
『……俺は…』
その時、謙三の目の前が真っ白な光に包まれ、気が付くと懐かしい風景が広がっていた
『田舎?…俺の田舎だ…』
すると畦道の向こうから懐かしい声がする
「謙坊〜!!晩飯だよ!早く帰って来い!!!!」
『母ちゃん!…』
懐かしい声、懐かしい顔
『亡くなった母ちゃんにまた会えるなんて…』
母に駆け寄る謙三
『なあ母ちゃん?』
「どうしたん?」
『母ちゃんは俺が悪い事して死刑になったら悲しいか?』
「当たり前だべ!?何だ?また謙坊は悪い事したんか?」
『いや!!やってねぇ、やってねぇけどちょっと聞いてみたかっただけだ』
「そうけ、謙坊は頭が良い子だ、良い事と悪い事の区別はつくだろ?オメエはきっと将来優しい大人になって偉くなってるから、母ちゃん安心だ、謙坊…」
『なんだ母ちゃん?』
「母ちゃんの子に…」
その時、謙三の目の前がまた白く光って気付くと死刑台に立っていた…
『…母ちゃん?母ちゃん?』
「田中謙三、これから死刑を執行する、最後にやり残した事はあるか?」
『看守さん…最後に教えてくれ?』
「何だ?」
『俺はまた生まれてきてもいいのかな?今度は絶対悪い事はしねえ、神様…いや、俺の母ちゃんに誓う…』
「人間は一度死んだら罪が許される、次に生まれてくる時はまともな人生を送れよ」
『ありがとうございます…』
「田中謙三の絞首刑を開始する!!」
『…母ちゃん、俺…母ちゃんを裏切って生きてきちまった…でも今からそっちに行って謝るから、沢山謝って、今度はちゃんとした人生にすっから…俺、母ちゃんの子供に生まれてこれて良かっ…』
ガシャンッ!!!!!!
「謙坊、母ちゃんの子供に生まれてきてくれてありがとうな」