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聖剣争い  作者: ヤマ ノボル
3/5

設定―人物紹介その2

今回は、本編でラスボスとして登場する、敵組織の親玉について。それにあわせて、名前というか文字も変わります。

首将→朱将

『首』では無く『朱』の将軍という書き方になるため、イメージもしやすくなったかと。これまで書いた分についても、随時修正を加えていきたいと考えています。

 源罪の朱将

現在の首相。二院正義会のトップであり、毒・再生刀の有剣者。『朱将』という呼び名は彼の立場と、再生刀の色から付けられている。また、『源罪』という言葉は亡くなってから贈られたモノ。

聖剣を巡り各国が争っていた時代、戦いをやめるよう人々に呼びかけ、その過程で自身も有剣者となる。聖剣を軸として戦わせることで、人間の数を減らしていく―再生刀を通じ、自然界の目論見にいち早く気付いた。持ち前の平和主義と手に入れた聖剣を利用し、社会をまとめるため動き出す。

正義会を作ることで、人々を正事家と民衆の二つに分類。互いの立場を強く意識させ、正事家同士、民衆同士が協力するよう促した。これによる両者の対立の増加には、自身が正義会側を率いることで治めようと考えた。また、聖剣に加え、銃火器や爆発物など、危険性の高い武器を告界に持ち去る。これは、市民が互いに争わぬようにするため。総じて、大規模な衝突や想定外の事態を防ぐため、正義会による支配を行った。


しかし、組織が大きくなるにつれ、意識の統一が難しくなり、問題を起こす者が続出。この時、約束を破った者への対応は、有剣者であるサバキと影騎士に任せていた。だが、このやり方が正義会の方針―『問題を未然に防ぐ』という理念に反するとして、サバキは告界を離れた。さらに、聖剣や武器を管理する行為が『軍備を増強し、武力的な支配を考えている』と受け取られ、多くの反発を招いた。


サバキと敵対してからは、自身の至らなさ、考えの甘さを自覚。同時に、彼とその関係者が『世の中を導くに相応しい』と考え、人知れず支援を開始。正義会にも険岳界にもバレないようにしながら、民衆たちが有利になるようにコトを運ぶ。そのため、一部の人間が険岳界と繋がり、不穏な動きを見せるのも黙認していた。また、自分の敵になる者に聖剣を渡す、正事家をピンチに追い込み、群持聖剣が奪われるようにするなど、双方の力の差が縮まるように根回しを行った。ここだけ聞くと、敵に塩を送ったり、傷口に塩を塗り込んだりしているようだが、全ては世界平和のためである。

強襲者が登場し、世の中が大きく動くのに合わせ、繕壊一致を実行。正事家を名乗りながらも、悪事を働く不届き者に、人々が反撃する機会を作った。同時に、繕壊一致により自分が暴れても被害が抑えられるよう、異空間の中に身を置いた。


最終的には影騎士も含め、他の有剣者を全て敵に回し、一般市民からも憎しみを抱かれ、告界は滅び、正義会も壊滅するという極めて悲惨な結果を迎えた。しかし、朱将自身がこうなることを望んでいたため、本人的には大成功のハズである。

当初は、民間人の間に聖剣が普及するのを恐れていた。しかし、力や身分に差があれば、必ず対立が生じる、身を守る力が無ければ、一方的な暴力を止められない―正義会を運営するにあたり、そのことを痛感。誰かが道を誤っても、周りがそれを止められる―正事家や強襲者が暴走した際、険岳界側が押さえに回ったことでこの考えに辿り着く。

ただ自分が退いても事態は好転しない、それどころか余計に悪い方向に転がると予測し、消えるべきタイミングを見定めていた。自分を倒した者たちが、社会に受け入れられるように―自分がなれなかった『正事家の不正を正す存在』を輝かせるため、その命を投げ打った。

作中で唯一、戦って命を落としている。参考までに、補剣所で戦った者や強襲者の一部が、意識不明になることはあった。しかし、これは感情的になって聖剣を暴走させたためで、死に至る者はいなかった。悪徳正事家たちをしずめるため、人として優れた存在が犠牲になる結果となった。上に立つ者の責任とは言え、どうにもやりきれない思いは残る。明確な力関係こそ消えたが、それでも平和には程遠く、報われない部分も多々ある。


後始末を他人に丸投げしたと見られがちだが、彼が社会を動かしたことで、多くの人命が救われたのも事実である。元々、再生刀を用いて、告界や自然を守るのが主な役目で、周りが想像するほど強い権限は持っていない。もっと言えば、どんなに規制を強め、処罰を厳しくしても、問題は無くならない―その思いから、根本的な解決を目指し、処理が追い付かなかった部分もある。直接的な処罰の際にも、偽隠槍で精神的な痛みを与えるに留め、怪我人や死亡者が出ないようにしていた。実際、聖剣争いによる死傷者はほとんど出ていない。

正事家時代の上下関係に始まり、積極的に動くか策を巡らすか、聖剣に身体を乗っ取られるか心を飲まれるか、果ては生きるか死ぬかに至るまで、険岳界を指揮っているサバキとは対照的な面が多い。その一方で、人の上に立つ身分であったり、みんなの幸せを望んでいたり、最後は一人ひとりの意志を尊重したりと、両者に共通する部分―互いに影響し合っている点も存在する。


 毒・再生刀

独裁政党。聖剣の一つで、赤く輝く特殊な毒を刀身に帯びている。この毒は、人々の怒りや悲しみをエネルギーに変え、取り付いたモノを再生させる。人間の手により、環境破壊が深刻化したのを受け、自然界が作り出した。

設計思想が明確な初期型の聖剣の中でも、『生態系のバランスを整える』コトを追求している。戦闘用に作られておらず、人間への影響が少ないのも珍しい。持ち主だけで無く、赤の他人の気持ちも力に変えられるのが特徴。ただし、先に述べたように集めた力を戦いに使えない―使おうとすれば生命の危機が訪れるため、宝の持ち腐れな印象は否めない。並外れた力を、自分以外のために捧げる―朱将らしいと言えばそれまでだが。

告界を支えていた件についても、理屈としては補剣所と同じ。こちらは聖剣本来の力では無く、社会から流れ込んでくるストレスを利用している。エネルギーが有り余っているため、規模がデカくなっただけのこと。逆に言えば、それだけの量のエネルギーが、繕壊一致を行った者を飲み込むことになる。


朱将はこれを使い、荒れ果てた土地をよみがえらせ、それを人々に分け与えることを計画。その際、エネルギー源となるストレスについては、正事家と民衆の間でやむを得ず発生したものを流すつもりでいた。しかし、正義界との関係の悪化に伴い、働ける一般人の数は減少。さらに、家族や友人、住み慣れた土地から離れたくないという意見も数多く寄せられた。しまいには、『領土拡大のために、他人の苦しみを食い物にしている』『争いを誘発して、ヒトの心をもてあそんでいる』など、批判的な憶測も飛び交い始めた。正事家の行いや、再生刀が作られた経緯からすれば、受け入れがたいのも無理は無い。それだけに、世間に理解されず、自然界の意志に反しながらも、社会のために動いた朱将の健気さが伝わってくる。彼が亡くなった段階で、自然環境は充分に回復。時が経つにつれ、移り住む人々も増えたため、長い目で見れば計画は成功したと言える。

朱将は戦いに参加せず、再生刀もあくまで環境改善の道具として制御されていた。そのため、有剣者としての能力は低く、聖剣との繋がりも薄い。繕壊一致の時、人々の想いを受け止めきれず、振り回される形となったのはこれが原因。もっとも、有剣者になりたての頃ならまだしも、既に『自分が消えること』を考えていたため、精神的にかなり打たれ弱くなっていたのも事実である。

持ち主がいなくなったあとは、有剣者たちの手で粉々に砕かれ、さらに厳重にフタを閉めた上で地底の奥深くに埋められた。その上には建物も建てられたため、掘り出されて人目に触れる機会はそうそう無いと思われる。一般的な聖剣とは異なり、一般人のストレスまで吸ってしまうため、いずれは復活してしまう―終わってからも油断出来ないあたり、聖剣を作った自然界の恐ろしさを思い知らせてくれる。


 繕壊一致

全会一致。再生刀で集めたエネルギーを再生刀、及びその有剣者に集中させる。自然界と一体化し、エネルギーを共有することで、人と剣の両方が巨大化。また、再生刀の毒に覆われて、赤を貴重とした色になる。ところどころに見られる黒や紫の結晶は、毒を強めるのに使われた他者の感情が固まったモノ。能力も格段に強化され、ラスボスっぽい感じになる。ただし、有剣者側の足元には植物の根のようなモノが生え、歩き回るのが難しくなる。


核となっている朱将からして、戦いに勝つこと、生き延びることに否定的だった―我が道を突き進むタイプでは無かったため、膨大な量のストレスを束ねる柱としては不完全。その影響から、戦いの最中にも集めたエネルギーが少しずつ漏れ出している。また、必要以上に動きが止まることも多い。再生刀の方は柄の上から毒が侵食しており、原形をとどめていない。と言うか、もう9割方の部分は聖剣では無く、活性化した毒が固まって出来ている。外見的にも刀と言うよりは大剣のようであり、切り裂くのでは無く叩き付ける形で使用する。また、本体の重さを支えるため、地面に立てられて杖代わりになるのも重要な任務である。これは、人型の方の上下のバランスがとてもお粗末なことと、まだ身体に馴染んでいないことが原因。それならそれで潔く四足歩行にしてしまえば丸く収まるのだが、なんぼなんでも人間の面影を取っ払ってしまうのは『有剣者』を名乗る上でマズかったらしい。


剣を使った攻撃の他、背中や肩の辺りからエネルギー弾を撃ってくる。再生刀による攻撃の前後には、非常に大きな隙が生まれる。動きが遅いためガードもしやすく、仮に直撃しても一発なら耐えられるレベル。ただし、その大きさからフィールド全域に技が届くため、基本的に狙われると回避出来ない。よって、無理にかわそうとして喰らってしまうと確実に吹き飛ばされる。そこに本体からの弾を浴びればまず生き残れない。後ろから仕掛けられたとしても、とにかくガードで踏ん張ること。体勢を崩しさえなければ、直後に回復して持ち直せる。

朱将本体と再生刀はHPを共有しており、どちらに攻撃しても構わない。注意点として、能力を低下させる類の技は、朱将に当てなければ効果が出ない。逆に、朱将に当てさえすればかなりの高確率で効く。これは、身体を動かすのに精一杯で、抵抗力が低下しているためと思われる。また、再生刀を地面から引き抜く前、持ち手を握り直す動作が入るため見逃さないように。加えて、攻撃後に地面に膝を付く時と、再生刀を突き刺す時の衝撃もスゴいため油断大敵。足元は弾が当たりにくく比較的安全。ただし、朱将が転んだ時に下敷きにされないよう気を付けて。


なお、撃ち出した弾が爆発するのは、自身から漏れたエネルギーを特殊な膜で覆っているため―何かに当たると膜が破裂し、中のエネルギーが反応するという仕組み。しかし、この膜を作るには、自分の身体にあるストレスをちぎらなければいけない。地面に根っこが生えたとは言え、戦い始めるとエネルギーの供給が止まるため、使えば使うほど自分の首を締めることになる。HPが半分以下になると飛んでくる弾の数がバカみたいに増えるが、これは蓄積した痛みにより、身体の限界が近付いているため。本編では、有剣者たちが押されてきたところに仲間が合流、そこからの総攻撃によって沈められた。だが、そんなことをしなくとも、距離を取ってガードし続けていれば、そのうち自滅してくれる。


倒されると再生刀本体を残して消滅、朱将の身柄も見つかっていない。したがって、身体は消えてなくなっており、朱将の意志―魂のようなモノが人型に宿っていたのではないかと考えられている。彼の意志は聖剣を通じ、自然の一部に流れて今も生きているとする説もある。

間に短編を挟んだとは言え、連載としてはかなりお休みしていたことになります。他の予定が入ったり、個人的な書類作りに追われたり、機材の不調があったりはしたものの、遅くなって申し訳ありません。残りの部分―主人公も含め、物語に深く絡んでくるヤツらは固めてある部分も多いため、なるべく早く作りたいと思っています。気長にお待ち頂けるとありがたいです。

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