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聖剣争い  作者: ヤマ ノボル
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設定―人物紹介その1

ご無沙汰して申し訳ありません。今回は主人公側のエラい人と、そいつの使う聖剣について。お楽しみ頂ければ光栄です。

日殿 裁紀

人の裁き。有剣者であり、険岳界に集まった人々の中心的存在。ツドウの街の噂を聞きつけ、反大勢刀を送ってよこしたのも彼である。また、新型の群持聖剣の完成直後、各地へ速やかに配備されたことを考えても、その影響力は計り知れない。人を集めたり動かしたりといったカリスマ性に長けた人物であると言える。集めた情報から次の行動を的確に選択するため、指揮官や代表者としては優秀。その一方で、全体を見て判断を下すため、要所要所で誤解を招くような部分も多い。

実は、正義会が出来てからまだ間もない段階で参加していた。民衆に危害を加える正事家を止めるなど、『人々を守る』という本来の役目を一番に守っていた。その真面目な性格と人柄を見込まれ、首将から聖剣を託される。以降は正事家たちの行動の監視を、それまで以上に積極的にこなしていく。しかし、約束を守れない者、協調性の無い者はあとを絶たなかった。にもかかわらず、首将が組織の見直しや、抜本的な解決に乗り出さなかったため、これに反発。険岳界に移り、同じ目的を持つ者たちと協力しつつ、正義会打倒の準備を進めていた。

聖剣を手に入れてから正義会と敵対するまでの流れはマトメと同じ。ただし、あちらは街の住民たちに力を貸し、正事家を追い払おうという面が強かった。それに対し、サバキは正義会を潰すことが第一目的となっている。これは、神鎖剣の影響で、考え方が過激かつ極端になっているため。また、自分が人々の先頭に立ち、他を引っ張っていくという意識も高い。この点については、正義会にいた頃から変わっていない様子。

かねてより、戦いを身近に感じさせることで、人々の平和への思いを深めようとしていた。実際に、補剣所の封印を解き、聖剣の力を強め、破壊活動を誘発した。それがマトメの怒りを買い、一時的に対立、戦闘になる。その際は神鎖剣と、審尋剣・収誠の二刀流で応戦。相手が怒りにのまれていたとは言え、攻撃を防ぎながらスタミナ切れを誘い、致命傷を与えないようにするという攻撃力的に逆に難しい芸当を披露。この時、マトメの民衆守技が発動したことから、『自分のやっていることで犠牲が出る』『悪いコトをしている』という自覚も芽生えていたようだ。

マトメの一時離脱を機に、自身も前線に出始める。然台魅門の解放、逃げ延びた正事家との戦闘、僚持・才板剣と幸蝕・戦拒砲の入手など、最終決戦に向けた戦力増強に努めた。首将との戦いでは、戦拒砲をメインにしながら、神鎖剣での接近戦を織り交ぜ、遠近両方で攻めの一翼を担った。

争いが終わってからは、新しい社会作りを民衆たちに任せ、自分はそのサポートに回っている。自身の能力や人間関係を活かして、無関係の人間が戦いに巻き込まれないよう、根回しを行っているという。手段はどうであれ、民衆同士が意見をぶつけ合えるようになったのを、誰よりも喜んでいるようだ。


律峰・神鎖剣

立法審査権。社会全体の敵や、絶対的な悪とも互角に渡り合える、鎖の巻き付いた長剣。基本性能の高さもさることながら、その独自の機能も極めて強力。鎖が外れたかと思ったら、剣が伸びたり、大きくなったり、盾の形に変形したりと、他に類を見ない変形能力により、強敵にノーダメージで勝つことも可能とする。作中で使われ始めたのは中盤を過ぎてからで、手加減しながらの戦いもあったが、見ている者に恐怖心や無力感というモノをトラウマになるほどに刻み付けた。

初期型の聖剣ゆえ、人間の情報が少ない中で作られたのは事実。だが、それにしてもここまでの戦闘力を持たされたのには、何か特別な事情―何らかの計画における、重要な役目があったためと思われる。神鎖剣を手にした者が、その強大な力で破壊と混乱を招く。それを止める者が改心刀を使い、人々の怒りを静め、社会をまとめる。両者の対立により、世の中で高まった恐怖や不安を、再生刀の力に変えて利用する―本来の役割も含めて、こういった関係性が考えられている。実際の使われ方や、有剣者たちの立ち位置と比べると、なかなかに興味深いものがある。

善悪の概念や敵の規模によって性能が変わるのは、改心刀や反大勢刀と似ている。しかし、改心刀が持ち主の心に左右されるのに対し、こちらは持ち主の心を操る。また、反大勢刀とは異なり、自分と敵対する相手には、基本的に最大限の力が出せる。これは、『世界平和の障害となるモノは、情け容赦なく排除する』という、人間味の欠片も無いような思いが有剣者に宿るためである。これらの反動で、『失敗は許されない』『間違ってはいけない』という強迫観念が生まれ、装備した人間は強いストレスやプレッシャーにさいなまれる。

ほとんどの人間は使おうとしないか、使おうとした瞬間におかしくなるかの二択である。若干攻撃的になりつつも、サバキが自我を保てたのは、強い意志―『みんなの幸せのためにも、悪いヤツを許してはいけない』という思いがあったため。マトメとの一騎打ちの際、自身の行動にも疑問を抱き、それが神鎖剣の心への干渉を弱めるきっかけとなる。このため、聖剣としての性能はやや下がったが、後に才板剣を入手したことで改善された。

最終的に正義界が打ち倒され、人々は支配から解放された。よって、サバキの望みが両方とも果たされたのと同時に、強すぎるほどの力は出なくなった。しかし、彼が戦いに参加することが無くなったため、コレと言った不都合は出ていない。むしろ、彼が人間的に丸くなったこと、穏やかな性格に戻ったことから、プラスの面に働いたとする声が多い。


僚持・才板剣

領事裁判権。他の剣に添えるための小刀であり、武器として使うには少々厳しい。だが、味方全体の能力を引き上げる効果を持ち、サポートに関しては超優秀。この能力値の上昇量は、装備者の精神力をもとに、味方との繋がりの深さを数値化した分が上乗せされる。つまり、大勢の仲間を引き連れ、それぞれと何らかの関わりを作っておけば、それだけで戦力が跳ね上がる。

初登場時は、正事家の一人が使っていた。繕壊一致の時に火事場泥棒的に持ち出されたモノのようで、正義会の生き残りを率いて、街を占拠するのに利用された。そこそこの数が集まっていたのと、『ここを追い出されたら今度こそおしまいだ』という危機的状況下だったのが合わさり、ザコの群れにしては高い戦力に仕上がっていた。ただし、能力が上がるだけで、別に集団行動が上手くなったりはしない。組織を名乗りながら、各人の息が合っておらず、戦いが始まってすぐに孤立する者が続出。二度目の戦闘では、これを民衆たちお得意の人海戦術に潰される形となり、もう笑うしかないぐらいのスピードで数が減らされていった。この場合、民衆側についた影騎士が、才板剣の所有者目掛けて一直線に突き進んだのも大きい。戦力の要である有剣者を守れなかった―守れるような陣形を組んでいなかった段階で、正義会の負けは目に見えていたとも言える。

街を取り返してからは、サバキの装備となった。この時、『みんなの命がかかっている』『自分たちが負けたら世界が終わる』という、途方も無い重圧が彼にのしかかっていたらしい。これに打ち勝つには、それ相応の精神力と言うか、強心臓が必要とされる。だが、サバキはこれらの不安要素を、神鎖剣で経験済みだったためか、何食わぬ顔で使いこなしていた。

最後の戦いでは、『平和を望む全ての人々が仲間』ということになり、主人公側に反則的なパワーアップをもたらした。『仲間』や『味方』という言葉の曖昧さが原因ではあるが、それを言い出したら聖剣を使うための『心』だって似たようなモノである。その性質を踏まえると、友達の多い方だけで無く、思い込みの激しい方にもピッタリ。

ちなみに、コレと同じようにして、告界の外に移された聖剣は、他にも多数存在するハズである。


ネタは出来ていたハズなのに、書き加えたりまとめたり、している間に月日は流れ、気が付いたらもう三月に。月が変わっておしおきされるワケではありませんが、これ以上お待たせするのも申し訳ないと思い、出来上がった部分から流しました。敵組織の親玉についても書きたかったのですが、それに関してはまた別の機会に。しばらくの間、お待ち頂けるとありがたいです。

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