10話 十一の神錠
夜、建二はパールに再びバッジを貸して、オーランドに言われた通りに城の一階の噴水の近くで迎えが来るのを待っていた。
噴水は大理石のようなもので作られており、女性の像が頭上に掲げた杯から水が吹き出ていた。
ちょうど周りをぐるりと囲んでいる部分が座れるようになっているため。彼はそこに座ってぼんやりと流れている水を眺めていた。無色で透明な水が流れ、形を変えて行く。
どのくらいの時間が過ぎたか分からない。ただ時間が流れて行くのだけを感じていた。
コツコツと誰かが歩いてくる音を感じ取りそちらの方を振り向いく。
そこには天王司を筆頭とした、青木、安藤のトリオが談笑しながらこちらへ向かって来るのが見えた。
天王司にほぼ四六時中くっついている彼らを始めに見たとき、鯨にくっつく小判鮫にでも似ているような気がした。鯨と言う巨大なものにくっつく二匹の、鯨のおこぼれを狙う小判鮫のようだと。
しかし、そう言う例えをするのも小判鮫に失礼だ。彼らは必死に生き抜くためにそう言うものにくっついているが、こいつらは別。全く持って度しがたいものだ。
こちらに気が付いた彼らの内、天王山司以外は曇った表情になった。
嫌なものを目の当たりに者の表情のそれだった。
青木と安藤がその感情を顔に出すのはこちらとしてはごく普通の事だと思える。せっかく中の良いトリオで談笑していたと言うのに、いきなりとんでもない奴に出くわしてしまったのだから。ましてはクラス単位で対立しているからその不快さは、嫌にでも顔に出るだろう。
こちらも同じ心境だが、いつもほぼ表情を変えていなかったため表情には出ずいつも通りの仏頂面に彼らには映っているだろう。まぁそれで別に構わない。
「おー、皆さんお早いですなぁ!」
と天王司達が来た方向とは別の所から、あの弟子思いの魔術師の声が背後から聞こえてきた。
なんだか少し微笑ましい、そう言う感情を抱きオーランドの方を振り向いた。
「イヤッホー、皆さん元気?」
見なかったことにしたい。
厳格で賢そうなイメージのおじいさんが、いきなり手を左右に振ってスキップをしながら、にっこり笑いながら歩いて来るなんて。
キャラ崩壊じゃないか
横に目をやれば、天王司達もひきつった表情をしている。とりわけ二重のショックだったのか、安藤と青木は目が死んでいた。
「やぁ、皆さん。こちらです、ついてきてください」
最後に、残っている片目でウインクをこちらにかますとローブをはためかせ再びスキップをしながら先頭に立ち、廊下を歩いて行く。
あんなおじいさん今まで生きてきた中で一度も見たことがない。
そして現在、見知らぬ洞窟内を歩いている。自分達が魔法で発した光が足元を照らしてくれている。中は鍾乳洞が連なり、牙を思い出させる。地面は石やら何やらがゴロゴロとしていて歩くのもしんどい。
ゴツゴツとした岩石の壁に光る物を見つけた。どうやら宝石のようだ。オーランドの歩く速度を見計らってもぎ取っり、何の種類なのかを確認した。
その後、彼らの後をついていく。
「オーランドさん。ここは?」
と天王司が質問を飛ばす。
「ああここですか、城の地下の洞窟です」
オーランドの声が洞窟内に響き渡り、こだまする。生命の存在さえ全く感じさせない程の静けさが不気味に漂っていた。
オーランドの足取りは未だに軽く、ありありと彼の心情を映し出していた。
しかし、彼の表情と行動が一瞬にして変貌した。
「まぁ、ふざけるのはこのくらいで良いですかね」
そして、いつものオーランドへと戻って行く。いいや、いつものオーランドではない、徐々に顔中のシワと言うシワが山脈が如く固くなっていく。
恐らく真面目な時のオーランドの顔なのだろう。
無言の威圧とでも言うべき重力が自分達にずっしりとのし掛かってくるのを感じた。
言葉にし難く、それでいて何人さえ畏怖させる歴戦の男。少なくとも自分はそう感じた。そして何よりも彼に近いオーラを持つ人物を思い出させてくれた。
じっさま。自分の祖父に当たる人物であり、柔道を教えてくれた人。老いてもなお、底知れぬその強さは自分の憧れでもあった。
そして、柔道の才能の無い自分を最後まで鍛えてくれた優しく厳しい人。
視界が一瞬ぶれたがすぐに元に戻る。今は昔に思い馳せて良いときではない、そう自分の心に言い聞かせた。
そうこう歩いて行く内にとりわけ広い場所に来た。足元の石もここだけはまるで無くその代わりににサラサラとした砂があった。
天井がやけに高くなっており、ドームのように半径が丸々被さったような形だ。そこには様々な種類でいて、規則性のある模様がある。どうやら文字のような物らしい。何よりもその模様の色が気になった。
「あ」
背筋におぞけが走る。あれは血だ。少なくとも動物か何かの血で書かれている。少しそれが書かれている位ならどうした事もなかっただろう、しかし駄目だ。あんなにびっしりと書かれてしまっては。
訂正をしなければならない。自分が見たものは辛うじて規則性、模様が分かるものだった。文字らしきものが重なっている部分が多数あり、ほぼ大半がそれとなっている。
絶対におかしい。狂っている。そんな感想しか思い浮かばない。
天井の文字に気づいたのか天王司達も見上げ始めるが、オーランドがこちらへ振り返り、警告する。
「あれは我らがここが住み着くよりもずっと前に合ったもの。あまりじっくり眺めるのはおすすめしません。何かと不吉なのですよ、アレは」
次の瞬間、全員の第六感とでも言うものが大音量でここから離れろと泣きわめいていた。突如として強い風が中を駆け巡り、揺らぐはずの無い魔法で作った光が揺らいだ。
「先を急ぎましょう。なぁにあともう少しです」
皆、逃げるように我先に次への道を急いだ。
このなんとも言いがたいこの場所は二度と近寄るまい。そう思った。
道を急ぎ、下っていくと地下洞窟の湖のような場所へ出た。透き通る程清らかな水とその湖の中で光る石がある。何とも幻想的な場所だ。さっきの事は全ての忘れてしまいそうになる。
だが、底が見えない、水底が。透き通っているはずなのに全く底が見えないのだ。
湖の底を覗き込む
「これから皆様には十一の神錠を探していただきます」
そうオーランドは言った。
十一の神錠。その単語に反応するように頭の中からその詳細が思い出すかのように出てくる。
神代の異物。すなわち、あっち(地球)で言うところのオーパーツと呼ばれるような代物。現在のウロボロスの力でも読み解くことの叶わざる物質と力を持つ。
詳しいことは分かっていないが、今まで存在が発見されたのは五つしかないと言う。
「神託によりここにあなた方を案内し十一の神錠を授けさせよと承りまして、導かせていただいたございます。記録に残っている前例を調べてみますと発見場所がここに重点しているんです」
「でも、前例が有るってことはその神錠がいくつかあったって事ですよね。わざわざここに来ることは無かったんじゃ無いですか?」
健二はそう質問したが、オーランドはため息をついて言った。
「いえいえ、そうもいかないんです。十一の神錠は相手を選ぶのです、持つにふさわしい者かどうかを。そして十一の神錠は持つ主が死ぬと灰となり、消えてしまうんです」
あの、何かすいませんと健二が謝罪をした、しかしそれがオーランドの中の何かのスイッチを押してしまった。
オーランドが重いため息を出し、高速詠唱、即ち大規模魔法を使うときに必要とする呪文のような愚痴が口から滝のように流れ出た。
「あーあ、なんでこんな便利なもんみんな使えないんだろう、そもそも何で毎日報告書が上がるのよ、そのせいで中間管理職でのわしの仕事大変なんだよ、まぁ理由は至極真っ当だけどもうちょい自分の力だけでどうにかしてくれねーかな、もう何日寝てないかなひいふうみい・・・・・・・・そういや最近どこにも行ってねぇな、もうそろそろ季節限定の薬草やら何ら取りに行かねぇとな、うちのかわいい弟子も「お師匠様、いつになったらより高位の魔法教えてくれるの?」と言っていたしなぁ教えてあげたいのはやまやま何だけどこれ以上わし働いたら過労死で死ぬよ、多分それよりもすぐに魔法を覚えられてとっても優秀なのよわしの弟子今まで教えてきた弟子よりも最優秀だよ、その分何か喪失感あるわぁ何かこう胸にぽっかり空いちゃったよ大穴・・・・・・・・わっ」
愚痴が出ていくほどだんだんオーランドの目が曇って行くのに気が付いたため肩を叩いて元に戻す。
目上の方には無礼だと思われそうだがそうでもしないとオーランドの愚痴が再現無く吐き出され、小一時間待機する事に成りそうだったためさせてもらった。
「あぁぁ、すいません。最近疲れているんでしょうかね。あははは」
こちらもつられて笑ってしまうが、あの愚痴を聞いてしまったあと少しひきつった笑顔で応えた。
「ごほん。さて本題に戻りましょうか」
わざとらしく咳をかまし、十一の神錠の回収についてオーランドは説明を始めた。内容はこの綺麗な湖の底まで潜って十一の神錠を取ってくる事だったが、何よりも頭を悩ませたのは湖の深さだった。幸い十一の神錠は十一の内の一つを取ってくれば良いらしい。
一見それほどこの湖の幅は広く無いが、その深さは水上から見た通り底が見えない。
ある程度水中で発光する宝石のお陰で視界は困らないが底の方には一切その宝石が無かった。後でじっくりと確認して理解したのだが、ほの暗いモノがぐるぐると螺旋を描いて底方に居たのだ。明らかに何かヤバそうなモノであるが、出来るだけ接近しもし本当にヤバくなったらすぐに撤退すれば良い。
建二はそう思っていた、それが後にどうなるかも想像せず。
「では、わしはここで待っているぞ。良い結果を期待している」
服を脱ぎ、あらかじめ渡されていたこちらの世界の水着になると、建二達は湖に潜っていった。水中での息はオーランドの魔術により数分、疑似エラが出来ている事と酸素が込められた大きな泡がそれぞれに配給されているので、通常よりも潜水時間を長くする事に成功している。ましては建二はクラスの中でもトップの肺活量を持っていた。
建二にとってある意味余裕の感情が心を満たしている。
そして現在、建二はあの仄暗い黒色の渦と対峙していた。
眼前は漆黒に覆われているように錯覚しかねないどす黒い水の流れが、時計回りに回転している。突入してしまえば最早、光は見えないだろう。
(それにしても、この中に入って良いんだろうな?)
意を決して、平泳ぎでカエルのように渦に入っていく。
入った瞬間、視界に全く光は入ら無くなり、墨汁の中にいるような気分がした。
(なーんだ案外、見えなくなる他には何にも起こらないじゃん)
と思った次の瞬間、何かが体から強制的に引き剥がされるような感覚に陥った。その理由はすぐにわかった。
オーランドに付与されていた魔法が引き剥がされたのだ。少し前にエラの魔法は解けたものの、まだ残っているはずの大泡にある酸素が肺に来ないのである。
(うわぁぁぁ、不味い不味い不味いッ)
パニックに成り、慌てふためくがすぐに落ち着きを取り戻そうと試みる。水泳において、間違ってもパニックになることは現金である。急激に呼吸の速度が速くなり、脳が酸素を求め、肺にある空気を全て使いきってしまうためである。
そうなってはこの深さから地上へは戻れない。
泳ぎを止め、少し腕や足をかき今居るところを維持する。
(ヤバいなこりゃ、もっと本格的なダイビングの道具でも持ってこない限り底まで行けないだろう)
浮上をしようと必死に両手両足をかき、黒い渦から出ようとする。この渦に入ってから魔法が引き剥がされたのならば、ここから出れば元に戻るだろうと推測したからである。
が、いくら泳いでも光は、澄みきった水にはならない。それどころか、体に倦怠感が徐々に巡ってきた。
ふと頭に嫌な情報が甦ってくる。
ある時に聞いた、水泳をしていた男性が浮上しようとして、ずっと下へ泳ぎ続けてしまい、溺死した話。
水圧で人の方向感覚が、つまり三半規管が狂ってしまったのである。自分では上へ泳いでいると錯覚し、実際には下へ泳ぎ続けている。そんなシナリオの最後に待つのは己の死。
そして、少し息苦しくなってきた
(そんなもん、認めねぇ。認めねぇんだよ)
焦る心を押し殺し必死に策を考え、閃いた。
ごそごそと水着の腰の辺りを探し、取り出す、一つの輝く宝石を。自分では興味本意で採集していたのでこんな時に役立つは思っても見なかったため、忘れていた。
魔石ヒルリカ
体の一部に押し当てる事で、この石に近い器官を完全ではないが治癒する。
即座に三半規管に近い部位、耳に押し当てる。ヒルリカは一個しかないので慣れている右耳の三半規管の治癒に専念する。
少しして、多少の平衡感覚を取り戻す事に成功し、黒い渦から脱出できた。脱出したお陰でオーランドの魔術付与が戻ってくる。
新鮮な酸素が肺から体全体に行き渡ると同時に視界に光が戻ってくる。
(建二殿、先程魔法の付与が一瞬剥がれたのじゃが平気か?)
オーランドが念話と言う魔法でこちらの頭の中へ直接語りかけてくる。この時、多少心が落ち着いてきたので、こちらも念話を通して今さっき起こった事を伝えた。それを伝え終わったと同時にオーランドの動揺しきった声が返ってきた。
(なんじゃと。そんな恐ろしいことがあったのか)
(ええ、どう考えても今の装備でどうにかなるような物ではありませんね)
そう答えると少ししぼんだ声色で、撤退をするよう促してくる。それを承諾し、水面へと浮上する。
ザパッと大きな音を立てて、湖から上がる。
そこにはオーランドの他に、安藤と青木が焚き火をして、暖を取っていた。が、こちらが戻ってくるのを見ると安藤が話しかけてきた。
「あれ、天王司君は?一緒じゃないの?」
「は?いや、見てねぇな」
そう答えると再び安藤は焚き火にあたり始めた。青木はかくかくと忙しなく貧乏ゆすりをしていた。青木がこういう行動をする時は、何か焦っているか心配している時である。
オーランドに事情を聞くとどうやら天王司はまだ上がってきていないらしい。どうやらそれで不安がっていたようだ、徐々に安藤と青木の心配はピークを迎えた。
「大丈夫かなぁ大丈夫かなぁ大丈夫かなぁ」
と安藤はひっきりなしにそう唱え続け、青木の貧乏揺すりは辺りに小規模の地震を起こしていた。
オーランドも表情には見せないものの先程と同じ様に動揺していた。顎の白い髭をいじり続けている。
それでもう、小さく揺らいでいた、決心は固まった。
「オーランドさん。もう一回、強力なの頼めますか?」
オーランドは驚愕の表情をし、安藤達は固まっていた。
「い、今、何と言ったかね?」
「良いから、速くしてください」
ぶっきらぼうに催促し、再び準備体操をする。
「何しに行くのか、答えて」
振り替えると、少し固まった表情をした安藤が少し震えている足で仁王立ちをしていた。近くには青木が腕を組み、こっちを見ていた。
「何って、もう一回探しに行くんだよ、十一の神錠」
柔軟を終え、オーランドに魔術付与をかけてもらいつつそう答える。
「何よあんた。天王司君を助ける気はないの?」
完全に崩壊しそうな顔面で、涙がこぼれそうになりながらも必死にこちらを睨み付ける安藤が、怒気をはらんだ大声を投げ掛けてくる。
あーあ、泣き始めやがったな、そう思うと同時にじりじりと焦げるような腹立たしさが込み上げてくる。
「はぁ?助けに行きたか行ってこいよ、お二人さん。ま、天王司を見つけるのが先か、あんたらが先に溺死するか、見物だがな」
「若林、お前ッ」
青木が歯噛みをし、肩を怒らせる。顔は分かりやすいほどの憤怒が刻まれていた。
それを一瞥するが、気にかけるような事も興味も何も無いので無視する。が、こちらの苛立ちは増幅するかのように膨れていく。
その心のまま、一気に言葉を浴びせる。
「別に天王司がどこでくたばろうが知ったこっちゃねぇ。わしと天王司の仲なんざ、とうに分かりきってんだろ?この間抜けが」
突然の怒鳴り声にびくりと体と顔を震わせ、ひぐっひぐっと安藤がしゃくり上げ始めた。青木が気づかうように寄り添い、こちらをキッと睨む。
「安藤泣くんじゃねぇ、耳障りだ」
そう告げて、再び仄暗い湖の底へ潜っていく。
強化された魔法のお陰でエラの魔法は黒い渦の前まで到着しても未だ残っている。
(さて、探しますかね)
気を取り直し、一気に今吸い込める全ての酸素を肺に入れ、再び暗闇の中へ。
淡く光輝くヒルリカを頼りながら暗黒の中を進んでいく。小さな光だが闇に決して負けること無く底へ潜り続ける。
突如、目の前が明るくなった。それと同時に剥がされたはずの魔法も戻ってくる。
(また、三半規管が狂って、戻ってきちまったかな)
そう思って進行方向とは逆に向かおうとすると、あるものが目を引いた。
辺りにはここまで潜っていく過程で見てきた物とは比較にならない程巨大な光る宝石があった。それはまるで光る太い柱を見ているような気がした。
そして、白い砂で覆われた水の底と巨大な円が目の前にあった。
どうやら底まで到着したらしい。巨大な円が気になったので接近し、観察する。
円の淵は何本もびっしりとした刺が生え、中央には十二角の多角形の形をした物があった。そのちょうど角にあたるところに、それぞれ十一個の何かが嵌まっている。その多角形の周りには人の形をした像があった。そして、その近くにもう一つ目的のものがいる。
どうやらこの嵌まっている物が、十一の神錠らしい。
いや、確かにそう確信した。
そのうちの一つが何かがこちらを呼び寄せているように思えた。
先程とくぐり抜けてきた黒い渦にひけを取らないほど黒い一つの十一の神錠に引き寄せられる。
ドラゴンのような怪物の頭部を型どった握りこぶし大の物で厚さはそこまで無かった。それを握り、ぐいと引っ張るとゴトリと音を立ててあっさりと取れた。もっとそれをじっくりと観察したいがそれは後だ。
隣に居る溺れたうつ伏せなっている美少年にちらりと目をやる。
天王司、分かりやすい正義感とカリスマ性、素直さ、強さ、頭の良さを兼ね備えたイケメン。
わしと天王司は一生反りが合うことは微塵も無いだろう。
だが。
(あーあ、てめえなんて大嫌いだ)
ぐいと天王司の首根っこを引っ張り、肩を貸す。胸に耳を当て、心音を確かめる。
トクン、トクン、トクン······
弱いがまだ心臓は動いている。急がなければ。
力強く湖の底を蹴る、普段は魚雷如く進めるが、お荷物(天王司)がいるためあまり速度が出ない。
そして再び、黒色の渦に挑まねばならなかった。




