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境界駅  作者:
2/11

1-1

朝。

今日も学校に行かねばならない。

姉のいない学校も、前と違って楽しくなかった。

仲のよい友達が心配してくれているのは分かるが、姉がいないのに私だけ笑っていられるはずがなかった。

乗り継ぎの電車を待っている時、ふと私は知らない場所に行ってみたくなった。

そして、一体どこまで行けるのか試してみたくなった。

視界の端で、おっさんが新聞を開いてみている。

その新聞に「女性が一人死亡」という蘭を見つけてドキリとした。

今日もどこかで誰かが死に、その死んだ人の周りでたくさんの人が泣いて悲しんでいる。

私と同じように・・・。

女性の写真が載っていた。

まだ若い。

同じ年くらいだろうか。

二つに結んだ長い髪に、あどけない笑顔がどこか寂しく見えた。

新聞の小さな文字を目で追った。

『西浦町でトラックと乗用車の衝突事故で、乗用車を運転していた加藤博氏(四十歳)と娘の加藤美和子(十四歳)が死傷した。父親は重症だが意識はある模様だが、乗用車の助手席に乗っていた娘は即死。トラックは運転前に缶ビールを10本、焼酎1瓶飲んでいて・・・』

西浦町・・・。

確か学校とは逆の方向だ。

なんとなく彼女の亡くなった場所に行ってみたくなった。

そこに偶然なのか、西浦町行きの電車がホームに入ってきた。

私は何かに操られるように、その電車に乗っていた。


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