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きらきらが集まる朝

 冬の朝、きらきら町は、うすい光に包まれていました。


 夜の冷たさが、まだ残っていますが、空のはしは、少しずつ明るくなっています。


 ソラは、家の戸を開けて、外に出ました。


「……きれい」


 道の上に、いつもより、きらきらが集まっていました。


 小さな光が、点々と並び、まるで、朝の道しるべのようです。


 白いねこ――キラも、光のそばを、そろりと歩きます。


「どうして、こんなに集まってるんだろう」


 ソラが歩き出すと、きらきらも、すこしずつ動きました。


 まるで、「こっちだよ」と言っているみたいです。


 光の道は、町の広場へつづいていました。


 広場には、だれもいません。


 でも、空気が、いつもより、やさしく感じられました。


 ソラが立ち止まると、きらきらが、円をえがくように集まります。


 その中心で、ひとつの光が、ふわっと大きくなりました。


 光の中から、あたたかい気配が、広がります。


 そのとき、町のあちこちから、人の足音が聞こえました。


 早起きの人、仕事に向かう人、散歩の人。


 だれかが、広場に来て、足を止めました。


「あれ……?」


 ひとり、またひとりと、人が集まります。


 だれも、大きな声は出しません。


 ただ、光を見て、静かに立っています。


 そのとき、きらきらは、みんなの足元から、少しずつのぼっていきました。


 光は、人と人のあいだを、つなぐように動きます。


 ソラは、胸が、ぽっとあたたかくなるのを感じました。


「みんな、ここに集まる朝なんだ」


 白い息が、いくつも重なります。


 白い息の中に、きらきらが、やさしくまじりました。


 しばらくすると、光は、また小さくなり、道へともどっていきます。


 人も、ひとりずつ、動き出しました。


 でも、顔は、少し明るくなっています。


 ソラは、キラをなでました。


「いい朝だね」


 キラは、気持ちよさそうに、目を細めました。


 冬の朝は、寒いけれど、きらきらが集まる時間でもあります。


 だれかと同じ朝をむかえる、それだけで、光は生まれるのです。


 きらきら町の朝は、今日も、静かに、やさしく始まりました。

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