1章 始まり
日本の領域に含まれているが、憲法や法律は独自のものがある(銃刀などの利用が許可されていたり、島に入るには入門許可証が必要、など)という何ともご都合な鳩羽島という創作島が舞台のお話です!戦闘×恋愛物語
浅葱律翔がデスクで作業をしていると、執務室の扉が開いた。
「ビックニュースがあるぜ。聞きたい?」
そう言いながら班長の葦葉和は浅葱に近寄ってくる。
「前置きは要らんから早く言え」
「そんな急くなって」
葦葉はオーバーに首を傾げる。
「…なんと、うちの班に新入社員が入ってくるってよ」
驚くリアクションを求められているらしいが、生憎そこまでではない。
浅葱の無反応に葦葉はため息をつきながら履歴書を浅葱に手渡す。
履歴書の写真にはさわやかな好青年が写っている。
「なら今年から3人か。久しぶりだな」
「なんだかんだ3年くらい2人っきりだったもんな。…人が増えて残念?」
「ぬかせ」
呆れた浅葱は履歴書に目線を戻す。
ふと、あるものが視界に入った。
「『山吹』…」
それは、あの好青年の名字だった。
浅葱はこの名字を知っている。
それも、あまり思い出したくない記憶として今も濃く残っていた。
察した葦葉が声をかける。
「すごい偶然だな」
その言葉に軽く頷きながら考える。
これは果たして本当に偶然だろうか
それとも─────
嫌な予感を振り払おうとしたその時、執務室の扉がノックされた。




