第四章~図書館での出会い~
その日はギルドが休みの平日の午後だった。
俺はふらりと街の大図書館に足を伸ばした。目的は特になかった。
広大な図書館に漂う古い魔法書の匂いと静寂が心地よく、最近戦いで疲れた心身に良い休息を与えてくれるようだった。
「……おや、珍しいな君」
背後から声がした。振り返ると、深緑のローブを纏い、銀色の髪を肩まで垂らした美しい女性が立っていた。
「リサ……? 世界最強の魔法使いだよな」
彼女はギルドの魔女リサ。いつもは笑顔だが、今日は目を見開いて、俺を凝視している。
「あなた……今日は一体何をしに来たの? それに、どこかから溢れ出す……途方もない魔力が……」
俺は肩をすくめた。
「いや、ただ散歩がてら来てみただけ。…魔力というか、ステータスがチート過ぎて隠しようがないってところかな」
リサは目をキラキラさせて立ち尽くす。
「ま、魔力が無量大数って……どういうことよ!? そんなの理論値すら超えてるじゃない!!」
俺は彼女の驚愕した姿を冷静に眺め、そのまま続ける。
驚愕の第二幕~無限魔力の実演~
「試しにちょっとだけ魔法使ってみるか?」
そう言って立ち上がり、俺は手のひらに小さな焔の玉を浮かべてみた。
「ふむ……一瞬で燃え尽きるかな」
周囲の読書していた冒険者たちが一斉にざわつく。俺が魔法を使うたびに、空気が震え、魔法陣が輝く。
炎は普通なら数秒しか持続しないが、俺の炎は無限に燃え続ける。さらには、燃え盛る炎が射出され、目にも止まらぬ速度で図書館の壁を軽く焦がした程度で消えた。
「すげえ……まるで炎の神が降りてきたみたいだ……!」
リサは目を見開き、額に汗を浮かべながら何度も頷いた。
驚愕の第三幕~魔法の理論を凌駕する存在
リサはその後、俺に熱心に質問を浴びせてきた。
「あなた、その魔力はいったいどこから? 魔法理論の脆弱性すら全て無視してる! “チート無効化無視”とはどういう意味!? あなたは魔法界の常識を完全に覆しているわ!」
俺は軽く笑った。
「まあ、神様からのプレゼントだからね。俺がやりたい放題できるってわけだ」
リサは最初は信じられなかったが、俺が次々に理論を超越した魔法の存在を見せるたびに、口をぽかんと開け、驚嘆の声を上げ続けた。
驚愕の第四幕~日常が非日常に変わる瞬間
その後も街中で普通に歩いているだけで、周囲の魔法使いたちがこぞって振り返り、囁き合う。
「見て……あれは……?」
「異常な魔力が漂ってる……いや、それは魔法使いとしては見たことのない――…」
「……まるで世界の理が歪んでいるかのようだ」
そんな視線に俺はもう慣れた。だったら皆驚いてくれればいい。
ふとした日常が、異世界最強の魔法使いをも驚嘆させる。そんな俺の無双生活は、今日も続いていくのだった。