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第二章 冒険者ギルド加入編

魔王軍をワンコマンドで消し去った翌日。俺は街の冒険者ギルドに足を運んでいた。

 異世界といえば、やっぱり冒険者ギルド。チュートリアルもかねて、ここは参加しておくべきだろうと思ったのだ。


 扉を開けると、中は木材むき出しの酒場風。冒険者らしき人々が酒を飲み、依頼掲示板を眺めている。視線が一斉に俺に集まるのを感じた。


「新顔か?」

「へへっ、また命知らずが一人」


 ざわめきの中、受付嬢らしき女性が笑顔で出迎えてくれた。


「ようこそ、冒険者ギルド《ライゼル支部》へ。登録ご希望でしょうか?」


「はい、お願いします」


 俺は素直に頷いた。


ギルド登録の洗礼

「それでは、まずはステータスチェックを……この水晶に手を置いてください」


 差し出された透明な水晶球に、俺は右手をそっと触れる。

 すると、球の内部に魔力の粒子が渦を巻き、次の瞬間——


 ボンッ!


 派手な爆音とともに水晶が粉々に砕け散った。


「「「……ッ!?」」」


 ギルド内の全員が一斉に立ち上がり、俺を凝視する。

 受付嬢は顔を真っ青にして呟いた。


「し、信じられません……水晶が、計測結果を吐き出せずに壊れるなんて……」


 後方の冒険者たちがざわつく。


「クロノ竜を単騎で倒したSランク冒険者でも、せいぜい水晶にヒビが入るだけだったはずだ……」

「計測不能……あいつ、いったい何者だ!?」


 俺は苦笑して肩をすくめた。


「えっと……数値が大きすぎたみたいですね」


勝手に決まるランク

「か、仮登録ですが……通常は最低ランクのFから始めるのですが……」

 受付嬢は困惑ぎみに書類をめくる。

「今回のケースは特例です! ギルド本部に照会し、即日SSSランクとして承認されました!」


 冒険者たちがどよめく。


「バ、バケモノが現れた……!」

「冗談だろ、本部が即決だと? そんなの初めてだ!」


 俺には意味がよく分からなかったが、とりあえず便利そうだから了承しておく。


そして次の出会い

「……お前が新入りか?」


 低く響く声に振り返れば、そこには鎧に身を包んだ金髪の青年が立っていた。

 背中には聖剣らしき武器を負い、誰もがその存在に道を開けている。


(あ、これ絶対勇者ポジションのやつだ)


 青年は俺を見据え、僅かに挑戦的に笑った。


「俺はアルディス。この世界に召喚された勇者だ。——お前、ただ者じゃないな?」


 勇者と、無量大数チートの俺。

 二つの異端が、ここに邂逅した——。



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