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緑の拳士~ゴブリンハーフは魔法が使えない~  作者: ハンドレットエレファント


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287/322

287.龍の背にまたがるは神代王

空気を引き絞る音とでもいうのだろうか


キュイイという甲高い音が耳についた瞬間、リンファの視界は真っ白に染まった



「み、みんな避けて!」

リンファがそのその光の正体にいち早く気付くと全員の前に立ちながらその両手を構え、糸の様により合わさった閃光に立ちはだかる!



その光は蛮龍の口から発言した高熱のビームの様な炎

魔法の詠唱も術式展開もない、ただの魔法炎のはずだったが、そのすさまじい出力で打ち放たれるそれはあらゆるものと溶かしながら穿つ閃光と化していた



その閃光を螺旋の動きにて裁こうとリンファは構えたが、それは叶わない

掌にしつらえられたステラーハウルの銀毛を一瞬で焼きながら、その閃光の一撃はその勢いを殺すことなくリンファの体に襲い掛かる


「くっ……! このぉ!」


咄嗟に身を翻してその一撃をかわすも、その余波でリンファの体は焼け焦げる


そしてその閃光が地面に激突した瞬間、溶岩の如く白い土は赤く燃え盛りながら爆発し、天を貫かんほどの勢いで炎上した




「そ、そんな…… なんて威力なんだ……!」


その惨状に目を奪われていたリンファにアグライアが駆け寄り、その傷にポーションを振りかける

薬液がわずかに傷に染みたが、リンファはそれを表情に出さずアグライアに笑いかけた



「あ、ありがとうございますアグライアさん!」


「大丈夫か!? なんて威力だ…… 回復魔法を使ってやりたいが、この範囲だと君が魔力の影響で動けなくなってしまうかもしれない……すまない」



アグライアはその傷を手早く処置しながら謝る

あらゆる魔力に抵抗力を持たないリンファにとっては回復魔法すらダメージになる為、アグライアは効き目の薄いポーションを振りかけるに留めたのだ




「ちっ……死んでおらぬか 悪運の強いやつめ……!」



リンファの視界に広がる空を真っ黒に覆うほどの巨大な物体が迫る

蛮龍のどこまでも落ちていきそうな漆黒の相貌がリンファに突き刺さる



以前に戦ったシーサーペントなど比にならないその存在感

その目はただ狂暴なだけではない、何もかもを見透かしてくるような恐ろしさを携えている




そしてその龍の頭上で、まるでそれが自らの力とでもあるかのように神代王が腕組みをしたままリンファを睨みつけていた



「し、神代王……!」


「おとなしくしておればよかったものを、神の手のひらに至るだと……! 貴様等のせいで我はここまで追い詰められたのだ!」


神代王の今まで見せていた表情とはまるで違う切羽詰まった表情に、リンファはわずかに引っ掛かりを感じた



「神の代理を名乗る不届き者よ、随分と大層なものに登ってご満悦じゃないか?えぇ!?」


ガルドが自分よりも何倍も大きい龍を前に、いつもと変わらぬ煽りを言い放つ





「ガルド……! 貴様がおとなしく我が力にかかっていればこんなことには……!」


「貴様などとは比較にならぬ神が私にはついておるのでな! さぁその首を差し出せ! 貴様を倒して私は神の手のひらに至る!」


「行かせるものか! 貴様等を神の手のひらには一歩たりとも立ち入らせぬ!」



その声と共に蛮龍がその目をわずかに閉じると、即座に見開き天空に吠える



「来るぞ! 死にたくなくば散れ!」



ガルドが叫ぶとともに袖口から青い魔鉱石を大量にばらまき、巨大な魔法陣を錬成し詠唱を始める!

その詠唱を完了させまいと神代王が詠唱を始め、それに呼応するように蛮龍の翼膜が稲光を帯びた





「死ねぇ!」

「くたばれぇ!」





お互いが叫びながら巨大な稲妻を放ち激突させる

その巨大な稲妻の拮抗は多数の小さな稲妻を発生させ、まるで五月雨の様にその電撃を周囲にまき散らした


「す、すごい……! こんなのもう魔法じゃない、天災じゃないか……!」

リンファとアグライアがその魔力のぶつかり合いを目の当たりにして、思わず言葉を漏らす


その時

「うわぁぁ!た、たすけてくれえええ!」


雨の様に飛び散る電撃から逃げ惑うグリフが助けを呼んでいるのを聞いて、リンファは駆けだした


迫る電撃に思わず身を竦めるグリフだったが、間一髪でリンファがその電撃を捌いて直撃を回避した



「グリフさん! 大丈夫ですか!?」

「り、リンファ……! 助かったぁぁありがとおおお!」



グリフは泣きながら抱き着きそうな勢いでリンファの腕にすがりつき、リンファは思わず苦笑をする

ここに来てどこかある意味いつも通りのグリフに、リンファ本人も気づいていなかったが肩の力がわずかに抜けた



「リンファ!グリフ!大丈夫か?」

アグライアが二人に追いつくと、即座に障壁を展開する


「あんなの化け物だろ! 同じ人間じゃねぇよ! なんだあれ! おまけにあんなでけぇ龍にのってよぉ!」

「確かにな……ただでさえ恐ろしい相手の神代王があれほどの上位種を従えてくるとは……!」



その言葉に、少し冷静になったリンファが何かを考え始める




「なんであいつ……あんなに追い詰められてるんだろう……?」




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