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緑の拳士~ゴブリンハーフは魔法が使えない~  作者: ハンドレットエレファント


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243/262

243.【神の手のひら】はどこだ!

管理人と呼ばれた何かはその質問に反応できず、沈黙する

ガルドはそれこそが大きな反応だと感じ、言葉を重ねた


「どうした管理人とやら……! 神の手のひらとは何だ!あの男は一体何を恐れていた! それは転生者にとって特別なものなのか!?」


光すら発しなくなった管理人が沈黙を重ねる

薄暗い監獄でただ一人ガルドは何もいない空間にお構いなしに叫び続ける

跪いた冷たい石畳がガルドの体を急激に冷やしていくが、その心が溶岩の様に燃え盛っていた



『忌避項目該当なし……拒否すべき理由もないためお答えします 【神の手のひら】とはこの世界にある転生者が最初に訪れる場所であり、転生者の願いなどを管理、運営する為の施設となります』

管理人は心なしか不承不承と言った感じで【神の手のひら】について話し出す



ガルドはその言葉に一縷の望みをかけて更に質問を試みる

わずかな一本の蜘蛛の糸……これを逃せばもう自らの神を救う手段はないと言わんばかりに声を上げた



「そこに行けば我が神は無の空間とやらから解放することはできるか!?」


『能力の破棄は本人の選択ですが、【神の手のひら】の施設内であればサクラコ・アオヤマの拠り所を限定的にその場に変えることが可能です ただし貴方がそこにいかなければ意味はありませんし、そこから離れればまたサクラコ・アオヤマは拠り所を失います』



「つまり我が神は常に私と共にあるわけか……! その神の手のひらとやらに私が入ることはできるんだろうな!?」


管理人が回答に窮する、今度は沈黙ではなく明確に言いよどむ声がガルドの耳に届いた



『入場は……恐らく可能 神の手のひらには転生者、若しくはそれにかかわりのある者であれば利用できる設定になっています 断定できない理由としては今回の様な転生者がこの世界への顕現を拒否したうえで願いの効力を残すと言った例が皆無の為です」


「だらだらと……! 入れるのだな!?」

『可能です、入場不可の条件に該当しません』

「最初からそう言え! そしてそれはどこにある……どこに行けばいいのだ!?」


ガルドがその回答にわずかな希望を見出し、更に言葉を上げる

だが次の言葉はガルドのわずかな希望を断ち切る答えだった




『座標についての開示は可能ですが、それをこの世界の人間に通知することはできません』


「な……! ふ、ふざけるな!どういうことだ!  神代王は知っているのに何故教えられんのだ!?」

 

『神代王です』「なにぃ!?」



『神代王の願いの力【神の代理権限】によってこの世界の人間にその座標を伝えることはできないようにルールが書き換えられてます』

「か、神の代理だと……!? 名前通りというわけか……ふざけおってええええ!」


ガルドは怒りで頭を掻きむしり、そして必死に考える

わずかでもいい、この機会を逃せば何の手掛かりも失ってしまう!

そしてふとあることに気付き、掻きむしるその手を止めた



「貴様……今「人間には」といったな? という事は亜人や魔獣の類はその場所を知っているのか?」

『肯定も否定もしませんが、この世界のルールにその点についての記載はないとだけお伝えします』

「持って回った言い方をしおって……!」



ガルドは得た答えを元に、必死に考える

何でもいい、一縷の望みでいい……!

そしてガルドは苦し紛れに質問を捏ねくり出した


「その場所を人間に通知できない理由はなんだ!?」

『不明です、神代王の願いの理由は関知していません 推測もいたしません』


「その場所を知っている種族を教えろ!」

『不明です、各個体がどんな記憶を持っているか関知していません』


質問の数々が空振りとなり、ガルドは目に見えて焦っていく


「考えろ……考えろガルド……! こいつはどんな質問なら答える? どんな答えなら希望になる……?」



考えても何も思い浮かばないガルドは苦し紛れに思いついたままの言葉を口にする



「じゅ……10年前のゴブリンの大軍勢! あれは神代王の仕業か!?」


その質問に管理人が再び沈黙し、その沈黙にガルドは目を見開いた





「部分的には違います、あのゴブリンの行動は神代王の命令を別の権限にて上書きし、大規模な戦闘に引き起こしたものです」


ガルドはその回答に違和感を感じ、冷や汗をかきながら眉を動かす

そしてその違和感を信じて更に言葉を重ねる



「上書きだと……!? 誰がそんなことをした?」

『この質問は忌避項目に該当します、お答えできません』

「く……! では何故あんな大量のゴブリンに命令がなされた?」



管理人が再び沈黙する

牢獄の沈黙が重くガルドにのしかかり、のどがカラカラに乾いていく

そして……


「命令の上書きは元々神代王の願いによる命令を受けている者のみが対象となっています」

「それはつまり……」




「あの場にいた全てのゴブリンは神代王の力の影響下にあった……そう言う事か!?」

ガルドが叫びに、管理人が答えた


『忌避項目該当なし……その通りです 上書きの権限は神代王の力を受けていることが前提です』




その言葉にガルドはわずかに目を輝かせ、冷や汗を流しながら口角を吊り上げる

それはただの思い込みだったかもしれない、答えを欲しがるあまりの焦りだったのかもしれない


けれどガルドはそこに確信めいた何かを感じずにいられなかった


歴代の神代王はゴブリンを蛇蝎の如く嫌い、人類の敵としてそれを公言している

そしてその考えは王都の常識となり、多くの人間はゴブリンを憎み蔑むことが当たり前としていた


ゴブリンへの命令を含めて、神代王の差し金だとするならば

神代王はゴブリンを人間と敵対関係以外で接触したくない理由が存在しているのではないか……?


それを考えたとき、ある文献で読んだ街の事をガルドは思い出す

遥か昔、王都ができる前から存在しゴブリンと関わりが深い街の事を……




「【神の手のひら】の位置を人間には伝えられない、そう言ったな!」

『はい、その通りです ルールにより人間に教えることはできません』



ガルドは大きく息を吸う

今からしようとする質問の回答がどうであれやることは変わりはないが、それが一つの望みになる

そう信じて、ゆっくりと言葉を吐いた



「その情報を神代王の命令が出る前から【神の手のひら】を知っている者への影響はあったのか……?」


管理人が沈黙する

その沈黙に、ガルドの息を呑む音がわずかに響く



『……特別状況を採用』


今までのやりとりでは出なかった言葉にガルドの目が見開く




『転生者システムの原則に基づき、管理人権限でお答えします その命令より以前に知っていた者はその影響を受けていません』



転生者システムとやらが何かなど、ガルドは知る由もない

けれどその回答を耳にして……



ガルドはその回答を耳にして、小さく拳を握りしめた



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