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第四十三話 『精霊魔導師の分析 Ⅰ アフェクオルキッソside視点』

少し遡り不帰の峡谷からのアフェクオルキッソside視点


思えばここに入ってからカリスの様子はおかしい気がする。

腐った臭いがすると言ったり見えない何かが見えると言ったり。

疲れてるのだろうか?

「……血の臭いとかは?」

そういえばそう言ってたけど、何も感じない。

周りでは闇の精霊達がカリス、いえ、ダークエルフが帰ってきたと喜んでるけど、臭いについて聞いてみると最近はしてないと返ってきた。

……最近は???

「……してない。」

「……ここ、どのくらい放置されてたの?」

「数百年くらい、基本的に魔法生物や精霊がここ綺麗にしてるけど、見る?」

ほんの少しの間目を離してたから何があったのかの詳細までは知らない、そう提案すると乗ってくれた。

竜人も何が見えてるのか理解してないようだ。

私は幼い頃から精霊達が視えるけど、カリスは違うようだ。

暗視は私達よりもカリスのようなダークエルフの方が秀でているがそれとは違うのか。

ここの説明を求められて簡単に外部との会合などにもよく使われた所だと説明した。

「どこでそれ分かるの?」

「この階層下の図書室のある区間で分かった事よ。」

「……すごく気になる」

「この人間達の居住区より下へ行ったら着くから我慢なさい」

この大広間は月の女神の神像の背後に存在する鏡によって光を反射させて照らし出している。

調査の為に何度もきているからもう馴染みの光景だが、カリスの方を見ると純粋にキラキラとした眼差しであちこちを見ている。

イグニもその神像を見て素晴らしいものだと漏らした。

ここは元々月の女神の信徒の為の神殿の一部だ、誓約の女神はこの地でかつて繁栄していた国とダークエルフ達の管理するここを誓約によって結んでいたのだ。

歴代の聖騎士達も其々の神様に対する誓いをする為にこの最奥の神殿にて祈りを捧げ、神を呼び出し嘆願して誓いをしていたとある事を説明するとカリスの笹の葉のようなエルフ耳は感情を現すように上下に動く。

……かわいい、いやそうじゃない。

魔法ギルドで最初に見た時は小さな褐色肌のウッドエルフだと誤認識させられていた時とは違い、黒曜石のように黒い肌、白銀の大きな瞳が楽しそうで何より純粋なまでに感心しているようで、ダークエルフ特有であるはずの白銀の髪は魔法薬で黒く塗りつぶされた痕跡が視えた。

冒険者ギルドで彼の記憶を記録した魔道具を一部解析した際に見えた光景でその様子が映し出されていた上にただ貶めるだけの為に、それを数ヶ月ごとにしていたのだろうと思うと嫌な気分になる。

カリスの方を横目で見ると神像に向かって祈っている。

どう言おうか悩んだが声をかけて気付かせて先へと進む事にした。

「カリス、先に行くわよ」

「あ、うん、行くよ」

カリスは祈りを終えてついてきた。

下の階層はダークエルフと共に共同生活を行っていた際の人間達のための居住区だ。

至る所に配置された鏡のおかげで明かりは必要ないのが助かる。

カリスの方を見るとまた顔をしかめているようで、また何かが見えてるようだ。

……文献における聖騎士は何かが見えるらしいけど。

小さな広場の前まで来ると、ここを掃除している魔法生物である白い粘液状のスライム、ピュアスライムが這いずってきた。

いつもと変わりなく掃除をしているようで、核はいつものように不可視であるようで、問題ないように見えた。

「この子がその魔法生物のひとつ、古代魔法で造られたピュアスライムよ。」

2人にこのピュアスライムについて話していく。

「つまりこれと似たようなものが管理してると言うことですな、便利なものですな。」

「この子の場合は雑食だから重宝されてたみたい、こういうのがいるから、魔法ギルドで管理されてるというのもある。」

「それは大変ですなぁ」

途端、精霊達から警告の声が届くと同時にカリスに突き飛ばされるように2人で床に転がる。

同時に先ほどまでいた場所が強酸で焼ける音がする。

ピュアスライムが大きく唸りながら触腕を複数生やして形を変えていく。

「……オルキッソ、雑食性って言ってたけど僕らのようなものも対象?」

「対象外!なんでこんな事が」

死体や汚れならまだしも!!

竜人に促され杖を取り出し構え、連携してスライムを消滅させた。

魔法の火の矢と氷の矢で援護して何とか撃退したが、その際に見たカリスの動きは舞い踊るようにスライムの触腕を軽やかに避けてそのまま反撃に転じている。

更にはあの一瞬で未知であるはずの相手に対する分析と解析能力、瞬時に戦い方を構築する構成力に目を見張った。

……どれだけの思考を重ねればあそこまで出来るのだろう?

少なくとも俯瞰的に盤面を見ると言うことを普段からし続けていなければあれほどの作戦を立てることは考えにくいだろう。

そうして、カリスたちと共に奥へと向かうと牢屋には袋に詰め込まれた人間の女性がいた。

傷を検めると頭部に複数の傷跡があり、深い眠りにあるのを考えると魔法の眠りだろう。

癒しの水薬を使って傷痕に染み込ませるようにかけて傷を少しでも癒しておく。

依頼としてだけならこれで終わりだ。

カリス達と話をして先へと進む事にした。

決意をしたカリスの瞳は怒りがこもっていた。

そして階層下のダークエルフ達の領域に差し掛かると闇の精霊達が更に活発化していた。

元々ダークエルフ達の為の生活の領域だったからだろう。

カリスの方を見るととても喜んでいて、耳がすごく上下に振られている、かわいい……いやいや、それは私のキャラじゃない。

演劇の本に関して事実を言うと耳がしなだれたのをみて、試すように言うと耳がピンと立って喜んだ。

何故か蘇った死体、骸骨戦士とも交戦をしつつ奥へと行くと人間の持つ松明の光が見えた。

第四十三話更新しました!

やばい、ほんの少しで終わらせるつもりが続いてしまった、申し訳ない。

だが、次で終わる!次で終わるから!!

ううん、これを後でどこかに差し込もう!!

レビュー、感想、いいねなど様々な評価をよろしければお願いします!作者の力になります!!

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