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桃竹ウン年、熊ナン年。  作者: 桃熊猫紅魔美
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どうする子育て

オジイとオバアとクマさんはモモとタケの今後について相談を始めました。

オジイとオバアは自分達の子供として育てたいと考えていましたが、それではモモもタケも森でヒッソリと暮らし続ける事になります。

オジイとオバアは安全に安心に暮らし続けていくのであれば、自分達の経験から、それも良いと思っていたのですが、どうやらクマさんは別の考えがあるみたいでした。

実はクマさん、時々、人型になって森から少し離れた年寄だけが暮らしいる限界集落に遊びに行っていたのです。

森に迷い込んだ人間を人里に帰すために、その限界集落まで連れて来ると、あとは年寄が人里までの通り道を説明してくれました。

そんな事を繰り返しているうちに、人型に変身しているクマさんと年寄は顔見知りになり仲良くなっていたのです。

年寄達は体力的に、たまに集落を出て行った子供達に会いに行くために人里には行けるが、険しい道を通るクマさんが住む森には行けませんでした。

集落は痩せ地で、何も無いところだったので、領主も年貢を免除する代わりに何も援助しない事にしていました。

クマさんの森の先には人も獣も近寄れない山脈があり、隣接する国が攻め入る事もできないと考えられていた事もあり、年貢は免除されても何の援助も無い集落では、若い人達は土地を離れて人里に移り住み、集落に訪れる人達もほとんど居なかった。

集落に住む年寄達は長年の経験から人里から集落まで迷わずに行く事ができたが、一度くらいしか集落に来た事が無いような人が再び集落に迷わずに来る事は不可能に近かった。

現に、集落を出て行った年寄の子供家族ですら、年寄と一緒でないと集落に来れないほどなので、子供家族が集落に帰省するではなくて、年寄が子供家族に会いに人里に出向くような滑稽な状況になっていた。

そんな事から集落に暮らす年寄からしたら若い人型に変身したクマさんは異質であるものの、クマさんが集落に来る事を愉しみにしていた。

クマさんも人間ではない自身の事を察しながらも詮索してくる事もなく、おそらく人里に子供家族に会いに行っても他言してこない年寄達の事を気にいってたので、集落に来る時は森の恵みや薬草とかを手土産に持ってきていた。

クマさんの手土産には、実は魔力が込められており、無医村の限界集落において病気やケガで困っている年寄はおらず、同年代の人里の年寄に比べたら足腰が丈夫になっていた。

クマさんは、この集落の年寄達にならモモとタケを連れて来ても、余計な詮索する事もなく、人間の子供として接してくれるのではないかと考えていた。

当然、オジイやオバアが頑なに反対してきたら、無理に連れて行く気もなかったし、集落の年寄達がモモとタケを変に詮索したり、人ならぬ者と接してきたりしたら、二度と集落に出没するのもやめようと考えていた。

クマさんがオジイとオバアにモモとタケを集落に連れて行って、人間との会話や接し方を学ばせようと考えている事を伝えてみると、オジイとオバアは少し思案してから、クマさんにモモとタケを育ててもらえるようにお願いする事にした。

オジイとオバアだけでは、この世界で生き抜くための総ての術をモモとタケに教えきれないと思いにいたったからだ。

モモとタケの寿命がオジイやオバアより長いか否かは分からないが、将来、この世界の中で独立して生きていくためには、この世界の人間とのかかわり方を身につける事は必要だと考えた。

結果的にオジイとオバアのように、この森の中で引きこもりじみた生活を選ぶのであれば、それはそれで悪い事ではないし、森の中で生きる術は、魔法を含めて、いつでも教える事はできると思ったのだった。

オジイとオバアは今日のところはクマさんにモモとタケを預かってもらって、一旦、家に帰る事にした。

家に着くやいなや、オジイとオバアは燃え上がる感情を抑える事なく開放して、果てしない営みを続けるのだった。

いつしか、オジイとオバアは全身から神々しい光を放ち出すと、力尽きたかのようにグッタリして眠りについた。

翌朝、どちらとなく目を覚ましたオジイとオバアは互いに身体の変化に気がついた。

2人とも少し身体が成長した感じで、相変わらずアイドル並みのルックスではあるものの成熟した20才ぐらいの肉付きになっていた。

オバアは心なしかお腹が膨らんで胸が張っているように感じたのだった。

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