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桃竹ウン年、熊ナン年。  作者: 桃熊猫紅魔美
3/5

桃と筍と妖精

クマさんの家は森の樹齢何百年の妖精の棲家とも噂されているご神木の真下の洞穴にある。

ご神木の妖力か妖精の加護かは不明だが一種のパワースポット的な場所になっていて魔力の回復のほか病やケガの治癒も早くできるようだった。

オジイはオバアとクマさん、それと赤子達をクマさんの家に運んで来て寝かせた。

それから何か魔力が回復できるような食べ物を探しに出かける事にした。

まずはタケを見つけた竹やぶに行ってみて筍掘りをする事にした。

タケを見つけた竹の近くなら何か特別な筍が掘れそうな気がしたからだ。

タケを見つけた竹の近くに来てみるとオジイの予感的中とばかりにキラキラ光る筍が生えていた。

オジイはサクッと筍を掘ると次はオバアがモモが入ってた大きな桃を見つけたという川に行ってみる事にした。

川に来てみるとオバアがモモを取出し置いていった大きな桃が転がったままだった。

オジイが大きな桃に近付くと今まで嗅いだ事のない何と甘美な香りがしてきた。

オジイは臭いからしてまだ食べれるかもと思い桃も持ち帰る事にした。

オジイはとりあえず筍と桃だけをクマさんの家に運んで来た。

オジイは焼き筍を作ろうと思い筍を切ってみたところ、筍の中から小指の先程の緑色に光る珠を見つけた。

オジイは懐に緑色の珠を大切にしまうと魔法で火を起こし筍を焼き始めた。

オジイは筍が焼けるのを待ちながら桃を切り始めたところ、何やら桃の種が鈍い光を放っている事に気付いたので、その桃の種を抜き取り割ってみると、中には小指の先程の青色に光る珠が転がり出てきた。

オジイは青色の珠も懐に大切にしまい桃を切りながら、毒味を兼ねて桃を一口食べてみると、今まで食べた事ない美味で何か身体の中からムクムクと力が湧き出てくるのを感じ、抑えきれないギラギラした何かが心を満たしていった。

しばらくすると筍が焼けた何ともいえない香ばしい香りが満ちてきた。

オジイがオバアとクマさんに食べさせるために桃と焼き筍を盛りつけしていると、桃の甘美な香りと焼き筍の香ばしい香りに誘われて、どこからか来たのか12〜13才の読書モデルにいそうな一人の少女が現れた。

女の子は視点が定まってない虚ろな目で、オジイに桃と焼き筍を欲しいとねだってきた。

オジイは赤子達に乳を与えてグッタリしてしまったオバアとクマさんに魔力を回復してもらうための桃と焼き筍である事を少女に伝えると、あろう事か少女は乳首を出し寝ている赤子達に近寄り起こして吸わせようとモゾモゾし始めたので、オジイは慌てて少女の行動を止めて、あとで桃と焼き筍を分けてあげると伝えた。

少女はジト目でオジイ見つめて納得はしたが、口からはヨダレが垂れていた事は見なかった事にしようと思うオジイだった。

オジイがオバアとクマさんに桃と焼き筍を食べさせると、オバアとクマさんの身体の全身が光りを放ち、穏やかな顔をして再び眠りについた。

オジイはオバアとクマさんの身体が光った事に少し驚きはしたが、2人の魔力が回復した事なんだろうとは思えた。

オジイが少女のところに戻ってきて考えた。

おそらく桃も焼き筍も強力な魔力回復食、身体が小さい少女に食べさせても大丈夫だろうかと…。

オジイは少女にドコの誰なのか訪ねてみようとした時、少女の方からオジイに伝えてきた。

オジイが懐に大切にしまっている2つの珠の事に。

少女がいうには2つの珠は赤子達の守護する珠で、身につける事で魔力を強化と安定化させる事ができるのでマジックアイテムにでも封入して常に身につけさせるようにするようにと…。

オジイが懐に大切にしまってる珠の事に驚いていると少女は更に衝撃の事を伝えてきた。

何と少女の正体は、この森の妖精で、普段は顕現する事なく、森の中を監視しながらご神木を守る事が役目で、オジイとオバアが赤子達を見つけて連れ帰った事も見て知ってはいたが、オジイがクマさんの家に桃と筍を持ち帰り、桃を切り筍を焼き始めた事で美味しそうな悩ましい香りがご神木までたちこめたため我慢できずに顕現してきたのだと…。

オジイは驚きながらも、妖精?少女?に約束通り桃と焼き筍を分けて食べさせてあげた。

妖精は喜んで桃と焼き筍を堪能して完食すると、あとで赤子達に授乳するとオジイに伝えてきたが、ドワーフ族のオジイからしても、少女の身なりの妖精に授乳させる事ダメな気がしたし、あとでオバアやクマさんに知られたら大変な事になりそうなので授乳は思いとどませる事にした。

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