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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

完全犯罪

作者: エマ



 8月13日。

 私たちはとある墓地に来ていた。


『あっ、居た居た! 情報通りだ!! 』


『急ぐよ!! 』


 すぐさまカメラを構え、押し付けられた新人とお墓の細道を走る。


 目的の彼は、墓の前で手を合わせていた。

 静かに。

 高校生のように若々しい頬を、上にあげながら。


 そんな彼は私たちに気がついたのか、ゆっくりと振り返った。


七変化(しちへんげ)先生! で、あってますか!? 」


「バカ! 声がデカい!! 」


 墓前であるのに叫ぶ新人。

 それとは対照的に、先生は物静かに笑いかけてきた。


「えぇ。それで……記者の方ですか? カメラ持ってますし 」


「……はい。(わたくし)、村雨新聞社の空紅(からくれ)と申します。七変化先生にインタビューを伺いたいのですが……今、お時間よろしいですか? 」


「構いませんよ。あっ、じゃあ近くの喫茶店に行きましょうか。あそこのコーヒー美味(うま)いんですよ 」


 事前調査によれば、彼の年齢は23だ。

 でも明るく笑う彼は大学生……いや、下手したら高校生にも見えてしまう。



「さて、じゃあお話を」


「ここのコーヒー美味いっすね!! 」


「……彼はほっといてください 」


 喫茶店でコーヒーを飲みながら騒ぐ新人は、彼と違ってとても幼稚に見える。

 というかお願いだから黙ってて欲しい。


「コホン、失礼。それでは」


「あぁ、はっきりさせたい事が一つ 」


 話す直前、彼は指を一本上にあげた。


「あなたが聞きたいのはどちらですか? 」


 そう聞かれ、少し口を閉じる。

 きっと慣れているんだろう。

 彼はこういうのに。


 だけど私は記者だ。

 ここでしり込みしていては仕方がない。


「『完全犯罪』とうたわれる誘拐事件を。その被害者であるあなたについてを……どうか聞かせてくれませんか? 」


 少しの沈黙。

 そして彼はおもむろにメニュー表に手をかけた。


「じゃあ、パンケーキでも頼みましょうかね。きっと長くなるでしょうし 」


 紙に注文を書き終え、コーヒーを一口飲み、彼は話しを始めた。

 きっと10年後にも語られるであろう、あの事件を。









ーーー



「成功……したんだよな俺たち? 」


「あぁ、誰からも見られていないハズだ 」


 無精髭の仲間と、森の中の廃墟で顔を見合わせる。

 俺たちは成功したんだ。

 あの金持ち一家の……次男の誘拐に。


「よぉ、縛ってきたぜ!! 」


 一息。

 付く暇もなく、向こう側の鉄の扉が開いた。

 そこからは俺たちの中では一番若い、オールバックのバカが出てくる。

 

「なんだお前か 」


 気がたっているらしい。

 あんな音でビックリしてしまった。

 いや……当たり前か。

 誘拐なんて初めてやった事だしな。


 一旦自分の坊主頭を撫で、ゆっくりと息を吐く。


「さて座れ。ここからが本番だぞ 」


 バネの壊れたソファーに腰を落とし、一台のスマホを三人で囲む。

 これはジャンクフード店で偶然拾ったスマホだ。

 ロックは掛かっているが通話はできる。


「……誰が電話する? 」


「というか金額は? 俺は最低でも1000万は欲しい 」


「1000万は少ねぇだろ!! 100億! 100億欲しい!! 」


「バカ、どうやって運ぶつもりだ。俺たちは盗難車しかねぇ。そんな大金運ぶならトラックくらい居るだっ」


『ガチャン 』


 窓ガラスが割れる音。

 それは鉄の扉の向こうから聞こえた。


「「「っ!!! 」」」


 すぐ部屋に駆けつけると、少年が割れた窓ガラスに腰をかけていた。

 黒い髪に若い顔。

 けれど焦りの表情は見えない。


「ど〜したおっさん達? そんな死にそうな顔して。つーか紐抜け対策しろよ 」


「……大人しくしていろ。危害を加えることしない。身代金さえ貰えれば解放する 」


「ここ、高いな 」


「……はっ? 」


 俺の言葉を無視し、少年は不安定な窓ガラスの縁で足を組んだ。


「頭から落ちりゃ即死。背中で下半身不随……いやギリ死ねるかな? それにさぁ、誘拐しといて俺を殺したら……あんたら間違いなく無期懲役か死刑だろな 」


「……何が言いたい? 」


 無精髭の仲間の剣幕が濃くなる。

 少年の薄ら笑いも濃くなった。


「俺が協力してやる。ちなみにこの要求飲まなきゃ飛び降りる 」


「お前が協力する理由はあるのか? 」


「ある 」


 そう言うと、少年はTシャツを脱いだ。

 布の下から現れた肌。

 そこには青紫色のシミがベッタリと染み付いていた。

 しかもその胸には、体に栄養がないと示すようにアバラ骨が浮き出ていた。


「クソ家族どもに復讐したい。だからあんたらには……たくさん金奪って、ちゃんと逃げて欲しい。そのためなら俺は、なんだってしてやる 」


 三人で顔を見合わせる。

 誘拐した子供から脅される。

 こんな状況など想像していなかった。

 だが……俺たちも捕まりたくは無い。


 協力者をしてくれるのなら断る必要も無い。

 しかも彼の言葉には説得力ある。

 家族への復讐心……それは俺たちがよく知っている。


「……分かった。協力……しよう 」


「よっしゃあ! じゃあまずは身代金決めようぜぇ!! 」


 しぶしぶ承諾したのもつかの間、少年はスタスタとこちらに歩いてきた。

 そして俺たちの合間を通り過ぎ、ズタボロのソファーに思いっきり座り込んだ。


「さぁ! 完全犯罪にしてやろうぜ!! 」



 不安はあった。

 不安しかなかった。

 だが、


「はい身代金いくら欲しい!? 」


「1000万 」


「一億!! 」


「……500万ほどあれば 」


「OK! 3000万くらいあれば良いな!! これが現実的だし、逃げる時に隠しやすい!! 」

 

 コイツはびっくりするくらい乗り気だった。


「逃亡方法は? 」


「バカ、教える訳ねぇだ」


「盗難車一台!! 赤のエクストレールだ!! 」


「……はァァ 」


「それだけかァ、キツイな。そもそも受け取り方法どうすんだよ? 」


「そりゃ高速道路から投げさせて」


「でも現実的じゃねぇだろ。どこに飛ぶか分かんねぇぞ、それ 」


「かと言って安全策を取れば……すぐに囲まれるな 」


「分かった! 口座に振り込ませようぜ!! 」


「下ろす時どうすんだよ…… 」


 ため息をつきながら、自分のジョリジョリとした髪を触る。


「高速道路も下手したらヘリで追跡して来るしなぁ? どうする? 」


「……あっ!! 」


 バカがまた何かを思いついたように声を上げる。

 期待はしてないが聞くだけ聞いてやろう。


「もう三台くらい車奪おうぜ! そしたら警察どいつ追えばいいか分かんないだろ!? 」


「バカが。今から盗難して足がついたらどうする。しかもガソリン残量も気にしなきゃいけない。奪った車がガス欠寸前だったらどうする…… 」


「なら高速道路手前で奪えば……いや、手間だな 」


 四人で頭をひねる。


 誘拐された少年と誘拐犯が一緒に犯罪を計画する。

 そんな変な関係も、なぜか気にならなくなってしまった。



「あっ! もしかしたらそんな面倒なことしなくて良いかもしれね 」


「金がかかり過ぎるのはナシだろ? そんなに手持ちはねぇ 」


 無精髭の男の忠告。

 に、少年はニヤッと薄ら笑いを浮かべた。


大丈夫(でぇじょおぶ)。1000円ポッキリでおてがるカモフラージュができる 」


「……どうやって? 」


「誰か一人買い物しに行ってくれ! もちろんお安く済む百均でな 」


 バカを行かせる訳にはいかず、無精髭の野郎は拒否しやがった。

 そして誘拐したアイツを行かせるのは論外。

 仕方なく俺が街中のデパートへ調達に行った。


 その(かん)の連絡は、少年が持ってたスマホと盗んだスマホでやり取りした。


(アイツら大丈夫か? いや、もしアイツが外に連絡しようにも、大人二人なら止められるだろう )


『あっ、聞こえてる? 』


『あぁ 』


『じゃあ梱包用の透明テープ。あと百均ってペンキあったっけ? 黒か青で頼む 』


『ちょうど見つけた。500円くらいの 』


『……百均なのにそれって詐欺だよな 』


『他に買う物は? 』


『ビニール紐と園芸用のナイフ。それで終わり 』


『分かった 』


 なぜ誘拐した少年の言うことを聞いているのだろう?

 一瞬正気に戻りそうになったが、吐き捨てるような笑いとともに、その考えを遠くに投げ捨てた。


 罪を犯す。

 そして捕まらず、金を得て普通に暮らす。

 そう決めたんだ。

 だからリスクを減らせるのなら、なんだってしてやる。


「お客様、お会計は」


「……あぁ。これで頼む 」


 結局値段は1000円ピッタリだった。

 商品を持ち、デパートを降りる。


 その間、辺りが気になって仕方がなかった。

 人が持つ携帯。

 動く目。

 足音や喋り声。

 布が擦れる音。


 ずっとずっと聞こえる。

 通報されるんじゃないか、もう通報されているんじゃないか。

 エレベーターを待つ間に捕まるんじゃないか。

 エレベーターの中には警官が居るんじゃないか。

 今周りにいる人は私服警官なんじゃないか。

 あいつは逃げていないか。


 そんな考えが、ずっと頭の中で回っている。



「おうお帰り〜!! 」


 だが俺の不安とは対照的に、誘拐された少年はソファーで横になっていた。

 スマホと缶コーヒーを片手に。


「おいそれどっから持ってきた 」


「無精髭のおっさんがくれた。アイツ良い奴だなぁ 」


 まぁアイツの事だ。

 子供に甘いのは当然か。


「……んでバカは? 」


「車取り行かせた〜。俺運転できないしな〜 」


「じゃあお前は? 」


「青い鳥だったSNS。あぁ大丈夫、『誘拐されたなう』とか呟かねぇから 」


「……はぁぁぁ 」


 言いたい事が多すぎて言葉にならない。

 そんな中、外からクラクションの音が聞こえた。


「ただいま!!! 」


(俺たち今……ほんとに犯罪を犯してるのか? )


 隠れる気のないバカ。

 誘拐した少年にこき使われる俺。

 マジで何をしているのか分からなくなってきた。


「おーし、じゃあ始めっか!! 」


 だが誘拐された少年はノリノリで買った商品を奪い、車の方に走っていった。


「おう、帰ってたか 」


 少年と入れ違いで帰ってきたのは、無精髭の仲間だった。

 その手にはタバコが握られている。


「1本くれ。あと少し寝る 」


「あぁ 」


 投げられたライターと紙タバコ。

 咥え、火をつけ、ソファーに体を沈める。


 気を張っていたからか、すぐに眠気がやってきた。



『なんでお前は言うことを聞かないんだ!! 』


『あんたはできぞこないよ!! 』


 たぶん夢だろう。

 捨てたハズの親の声がする。


 昔は殴られる蹴られるが日常の一部だった。

 ガラス瓶で頭を殴られた時はさすがに死んだかと思った。


 奴らは暴力で子供を縛ろうとしていた。

 自分たちが入れなかった大学に、俺を無理やり入れようとしていた。

 携帯もゲームも漫画も、何も買ってくれなかった。

 だから大学生になった日、家の中に火をつけて、そのまま逃げてやった。


 そこからは馬鹿をした。

 高校生不良たちをボコしたり、助けてくれなかった交番に石を投げたり。

 ほんと、馬鹿ばかりした。


 それで……確か、そうだ。

 ゴミ捨て場に放火しようとした時、コイツらに出会ったんだ。


 あぁ、覚えてる。

 面識のない三人がライター片手に、ばったり出会ったんだ。

 悪いことをしてるハズなのに、大笑いしたよ。


 コンビニでカップ麺を万引きして、三人で話しながら食べた日も覚えてる。


『俺? 俺はバカでさ、家族から見切り付けられたんだよ! お前なんか家族じゃない、どっか行っちまえってな。そん時ペンで腹刺されてさ〜! ほらっ!! ここ傷あんだろ!? 』


『俺は……ただ、むしゃくしゃした。何をしても、出来のいい人間と比べられる。努力不足だって否定される。だからもう……馬鹿をしたいんだ 』


 みんな、家族から苦痛を受けていた。

 だから気もあった。


 三人で犯罪をやっている時が、一番自由だった。

 家族が言っていた、『ちゃんとした大人』から逸れることが何よりも幸せだった。

 

 だが歳を食っていけば、おのずと金が必要になる。

 


 俺は家が、安心できる場所が欲しい。

 バカは、結局頑張っても無駄だろうから、遊んで暮らせるだけの金が欲しいと言う。

 無精髭のアイツは、捨てられた兄の娘のために、養育費が欲しいと言う。


 だから俺たちは……誘拐を


「おっさん!? 寝タバコしたら死ぬぞ!!? 」


 ばっと、咥えていたタバコを取られる。

 目を開ければ顔を青くした少年が見えた。


「あぁ悪い……疲れてた 」


「たくよォ、身代金請求する前に死ぬなよ? 」


「おい 」


 眠気のたまる顔を手で拭ってると、無精髭の仲間がカップ麺を持ってきてくれた。


「食え、お前もな 」


「あんがとおっさん! じゃあ俺とんこつ頂き〜 」


「助かる 」


 残ったしょうゆ味のカップ麺をすする。

 そうしてると名も知らない少年がこっちを見ている事に気が付いた。


「どうした? 」


「いやな、おっさん達ってなんで俺を信じてんだろうなぁ〜って。普通ガキがごね始めたら殴るのが普通だろ 」


「アイツらと一緒にするな 」


 駆け上がった怒りが腕に駆け上がる。

 カップ麺を少年にかけそうになったが、慌てて深呼吸。

 気を落ち着かせる。


「……悪い 」


「いや、安心したよ。な〜んかアンタらと居ると落ち着くなぁって思ってたけど、まさか同類だったなんてな。アンタも家族死ね死ね派? 」


「……あぁ 」


「そっかァ。じゃあさ、ほんとにこの作戦成功させてくれよ。そんでゆっくり、トラブルと無縁の暮らししてくれ。そしたら俺も助かるからな 」


「そう……だな 」


「おぉカップ麺!! 俺も食べてぇ食べてぇ!!! 」


 膝で滑ってきたバカ。

 当然下はコンクリだから、ズボンの膝はボロボロになった。


「あいった!! 消毒液ある!? 」


「……唾でも付けてろ 」


 そんな事を言いながらも、帰ってきた無精髭の仲間は消毒液と湯が入ったカップ麺をバカの前に置いた。


「サンキュー!! いっただきます!! 」


「あ〜ほんと……家族なんかより、アンタらと居る方が楽しいよ 」


 そう言って笑う少年。

 その顔はほんとうに楽しそうで……嘘なんてまったく含んでいないようだった。




 そして腹ごしらえが終わり、みなで最終準備に取り掛かる。


「車は大丈夫そうか? 」


「あぁ、バッチシだぜ!! 」


「んで身代金受け取り場所は…… 」


「ここの橋が良い。Googleマップで確認したらちょうどいい高さだった 」


「ちょっと待ってろ。薄着を用意する。お前は……必要ないな 」


「おう! いつでもバッチリTシャツだ!! それと脅迫電話の台本もできたぞ!! 」


「……マジで誘拐されたヤツのセリフとは思えねぇな 」


「まーまー良いじゃねぇか!! あと反射光は……ここら辺のガラスでいっか 」


「あとタイミングはどうする? 」


「俺!! 無線傍受できるぞ!!! 」


「えぇ……お前、そんなこと出来んの? バカなのに? 」


「あぁ!! 機械のことは得意だ!! 」


「じゃあ後は片付けだな。自分に繋がるもんは残すなよ〜 」



 荷物を車に詰め、三人で何度も廃墟の中を確認し、電話を始めた。

 三度のコール。

 そして電話は繋がった。



『はぃ? どちら様でしょうか? 』


 電話に出たのは、通る女の声だった。

 アイツが言うには……叔母だったか?


『イタズラでしょうか? 』


『お宅の孫は誘拐した。身代金を用意しろ 』


『……それは長男の方でしょうか? 』


 張り詰められたような声。

 だがそれは、


『いや、次男の方だ 』


『あぁ良かった〜。跡取りが居なくなるかと 』


 すぐに安堵するような声に変わった。


(クソが )


『で? 身代金はいくら程ですか? 』


『3000万だ 』


『3000万? あの子にそんな大金を払うわけ』


『用意しなければ、脱税のことをマスコミに流す 』


『……はっ? 』


 紙に書かれている台本。

 アイツが考えたからか、電話の声にはあからさまに動揺が現れた。


『ど、どうしてその事を 』


『少し痛めつけたらボロボロ吐いてくれたよ。今から30分後、佐波斬橋(さばぎりばし)の電灯に、金を詰めたカバンを置け。そこで子供と交換だ 』


 すぐに電話を切り、持っていた台本をしっかり燃やし、三人が待つ黒い車に乗り込む。


「ちゃんと脱税と拷問のこと言った? 」


「あぁ、30分後の要求も通した 」


 後ろの席の少年にスマホを渡すと、手馴れた手つきでSIMカードを引き抜き、それを折って窓から捨てた。


「つかよォ〜、30分でほんとに警察来んのか? 」

 

「あぁ。クソ家族が、いやあにっ……あぁぁ俺より3年はやく産まれた男が警官なんだよ。だから身代金もめちゃくちゃはやく用意してくれるハズだ 」


「じゃあ計画続行だな 」


 車は進み、とある場所で路駐(ろちゅう)する。

 ここは橋まで徒歩数分の場所。

 最後の準備をするには最適だ。


「おっしゃ着替えろ着替えろ! あっ、つーか天気はどんな感じ? 」


「いい感じに曇ってる。明日は記録的豪雨の可能性だってさ 」


OK(おーけぇ)


 少年と一緒に手袋をはめ、全員で安物のジャンバーを被る。

 変な目では見られるが、これでカメラから顔を隠せる。


「じゃあまた後でな〜 」


「お〜う 」


 車から降りる。

 そして少年のスマホで時間を確認する。


『8月12日 15:28 』


「少し走んないとなぁ 」


「急ぐぞ 」


 なんだか俺たちは長年の付き合いみたいだ。

 正直に言えば、コイツを誘拐して良かったと思っている。


 じゃなければきっと、こいつは今も家族に苦しめられているだろうから。

 そう考えていると、少し緊張感がほぐれてきた。


「おっさん、準備運動済ませた? 」


「あぁ 」


「じゃあ行こうか 」


 二人で橋を、目的の佐波斬橋(さばぎりばし)の上を歩く。

 この段階ではまだ俺たちが犯人だとは分からないハズだ。

 カバンに手をかけてからが本番だ。


「おーおー、しっかり川が荒れてるな 」


「計画通りだな 」


 少し辺りを見渡す。

 すると見えた。

 大きく少しこんもりとしたカバンが。


 それに自然と近付き、躊躇いなく肩に担ぐ。

 瞬間、


「動くな!! 」


 辺りから10人ほどの私服警官が走ってきた。


「準備OK? 」


「あぁ 」


 俺は肩を、少年は俺の腰を掴み、


「おい!? 」


 そのまま川に飛び込む。



 水の中に沈むなんて数年ぶりだ。

 家族にホースで溺れかけさせられたとき以来……か?


 あの時は絶望しかなかった。

 だが今は希望がある。

 この金さえ残れば、俺はもうゆっくり……暮らせるんだ。


「ぉぼぇ!!? 」


「ゲホッ、大丈夫か!? 」


 事前に調べていた落差工(らくさこう)

 そこで俺たちはなんとか止まれた。


「あぁヘーキ!! 口の中が土の味だがな!! コーヒー飲みてぇ!!! 」


「元気そうで何よりだ!! 」


 濡れた体と少年と金。

 その三つを持ち上げ、河川敷に膝を着く。


 川が荒れているからか、辺りには人の目は無い。


「やっべ来てる来てる!! 」


「速いな 」


 安心したのもつかの間、空から音が聞こえてきた。

 ヘリだ。

 ヘリがもう来た。


「おう走れ走れ!! おっさんへーき? カバン持とうか!? 」


「大丈夫だ! あと俺は20代!! おっさんじゃない!! 」


「それ今言う!? 」


 濡れた服が重みとなって、疲労とともに足を重くする。

 だが肩に担ぐ(希望)を強く握りしめ、少年とともに目的地へ全力で向かう。


「おーいコッチだ!! 」


「はいただいま〜!! 」


 開けられた車のドア。

 そこに飛び込むと、黒い車は急加速を始める。


「うっへ〜ビッショビッショ!! あっ、つーか無線どんな感じ!? 」


 ガバッと、後ろの席から少年は身を乗り出す。


(せ、せめぇ…… )


『逃亡犯は現在、鰐川(わにがわ)沿いを車で走行中。黒いエクストレール。ナンバーは不明。光が反射して確認不可 』


「おー、安物ガラスにしてはちゃんと反射してんな 」


「じゃあ駐車場にレッツゴー!! 」


 追われているのに呑気に運転し、そのまま巨大なショッピングモール内部の駐車場に入る。

 ここなら空から見えることは無い。


『犯人たちは駐車場に逃亡。黒いエクストレールを見つけ次第、包囲せよ 』


「よっしゃぁビフォーアフターの時間じゃ!! 」


 駐車場の進入禁止ペース。

 そこに車を突っ込み、すぐに塗装を剥がす。


 俺たちは車にテープを貼り付け、その上に黒いペンキを塗っていた。

 テープの境目が分かりやすいよう、ビニール紐を噛ましてある。


 近くで見れば塗りムラで塗装だとバレるが、ヘリからの距離だとそう簡単にはバレないハズ……だと少年は言っていた。


「はいゴミ捨て逃亡! レッツゴー!! 」


 テープを剥がし終え、反射板を外し、それらをゴミにまとめる。

 そしてショッピングモールが完全に包囲されないうちに外に出た。


 意外にも出口は混んでいなかった。

 すんなりと駐車場から離れることができ、大通りに合流。

 その間にパトカーとすれ違ったが……誰もこちらに気がつくことは無かった。

 

 車を走らせる。

 無言で。

 そして人気のない山付近に行くと、


「「「「よっしゃあああ!!!! 」」」」


 柄にもなく大声をあげてしまった。


「うぉぉ良くやったなお前!! 」


「いや待て金! 先に金あるか確認しろ!! 」


「あっ、そうだな 」


 少年の言う通りに金を確認する。

 手袋は邪魔だから脱いだ。


「うぉ!? 」


 カバンの中。

 そこにはしっかりと万札が詰まっていた。

 

 上だけが本物とかでは無い。

 下も中断もすべて、綺麗な万札だった。


「「「「うぉぉぉぉぉ!!!!!!!!! 」」」」


 本物だ。

 だから四人でさらに騒いでしまう。


 肩を抱き合ってどんちゃん。

 大声でどんちゃん。

 肩を殴りあってどんちゃん。

 けれどそんな中、


(わり)ぃけどさ、ここで下ろしてくれ 」


 冷めたように少年は言った。


「……良いのか? 」


「あぁ大丈夫だ。こっからなら歩いて帰れる 」


「いやそうじゃなくて……帰ったらお前、また苦しむ羽目になるだろ? 良かったらお前……一緒に来ないか? 金も分ける。だから 」


 金があるなら自由だ。

 それが分かってるのに、そう提案してしまった。

 コイツを昔の自分と重ねてしまったんだ。


 だが少年は首を横に振った。


「有難い提案だけどさ、俺から見たら……あんた達も大人なんだ。だから悪い。怖いんだ 」


 その言葉の重みは、俺たちが一番理解できる。

 散々言葉で、行動で、縛り付けられたんだ。

 だったら大人の言うことなんて、聞きたくないと思うのが当然だ。


「そうか…… 」


 それが理解した(分かった)から、もう誰も強くは言えなかった。


「元気でやれよ 」


「あぁ 」


 手袋を互いに外し、握手を交わす。


「じゃあな、無理すんなよ 」


「アンタもこれ以上バカすんなよ〜 」


 少年はバカとも握手をし、


「逃げてもいいからな 」


「あんがとな無精髭のおっさん。色々してくれてありがとう 」


 無精髭の仲間とも長い握手を交わして、肩を組んだ。

 そして少年はゆっくりと来た道を帰っていく。



「あぁそれとさ! 」


 思い出したように、少年はこちらに振り向く。

 その顔はにっこりと嬉しそうに笑っていた。


「金は大事に使えよ!! 」


「……あぁ 」


 少年の背が見えなくなるまで眺め続け、奇妙な余韻に浸りながら三人で車の中に戻る。

 そして車は走り出す。


「……タバコをくれ 」


「ほら 」


「俺も欲しい 」


「あぁ 」


 無精髭から配られたタバコを咥え、ポケットの中に手を入れる。

 だがライターはなかった。


「あれ……あぁ悪い。たぶん川に落とした 」


「それ大丈夫か? 」


「さすがに大丈夫だろ。川に落ちてる100円のライターなんて、誰も気にかけない 」


「じゃあ後でコンロで火ぃ付けるかぁ 」


 俺たちは山奥を走り、車を焼き捨て、全員で別れた。

 各々の自由のために。







 そして9月28日。

 俺たち三人は一家殺害の疑いで逮捕された。





ーーー



 カランっと、グラスの氷が音を鳴らす。

 それすら気にならないほど、私の心は混乱に満ちていた。


「なんでそんな……酷いことを 」


「さぁ? 犯罪者が考えることなんて分かりませんよ 」


 いつの間にか来ていたパンケーキにシロップをかけながら、七変化先生はクスッと笑った。


「誘拐されて、手を()()()て、しかも家族全員を殺されるなんて……酷すぎます 」


「まぁ自分にとっちゃ過去のことですよ。しょ〜じき、今は自由に生きてますからね〜 」


「そう……割り切れるものなんですか? 」


「割り切れると思いますか? 」


 間もなく返された言葉は、胸に刺さるほどの鋭さを持っていた。


「…………ごめんなさい 」


「いえいえ。記者の仕事は報道することですから、職業にケチは付けるつもりはありません。あっ 」


 突然のほうけた声を出す七変化先生。

 目線の先には時計があった。


「あっすいません! これからインタビューがあるんでした 」


 パンケーキを一口で頬張り、ジュジュっとコーヒーを飲み干し、止める暇もなく、先生は一万円を置いて店を出て行ってしまった。


「……はぁ 」


 残された自分用のパンケーキ。

 とりあえずそれを食べるが、甘い以外の味が分からなかった。


「……なぁ 」


「なに新人? ずっと黙ってたけど 」


「あの人って頭おかしいのか? 」


「ぶっ!? 」


 あまりに唐突な言葉に、コーヒーを吹き出しそうなった。


「あんた何行ってんの! 失礼にも程があるでしょ!! 」


「いやだってさぁ。今の話、あの人が書いた本とほぼ同じなんだもん 」


「…………えっ? 」





ーーー




 身代金誘拐事件。

 これは成功してもあまり美味しくない。

 なぜなら用意された金には、ちゃんと番号が打ってある。


 使った場所が分かれるんだ。

 だからアイツら、成功しても捕まるのは確定してた。



 そもそも最初にアイツらを利用しようと思ったのは、あの時だ。

 家が嫌で夜道歩いてたら、大人三人がコソコソしてるのが分かった。

 誘拐とかなんとか、馬鹿みたいに大きな声出してたから……じゃあ罪を被せようと思った。


「あぁこれ落し物ですか? ……とりあえずここに置いておきますね 」


 夜のジャンクフード店。

 一人の家政婦から盗んだスマホを初期化して、忘れ物のフリをしてソファーに置いた。

 もちろん俺だってバレないよう、声低くして、サングラスと厚手のジャンパー着てたけど。


 そしたら尾行してたあの三人が、なんの躊躇いもなく盗ってくれたんだ。

 めちゃくちゃ笑ったよ。


「さ〜て、どうスっかなぁ? 」


 家の鏡の前。

 そこで体を鉄パイプで殴りながら考えた。


 ずっと昔から、車のカモフラージュのやつを考えてた。

 事前に調べたから、1000円で足りるのも把握済み。


 体中アザまみれの子供が訴えるんだから、少しは心に響いてくれると嬉しい。

 あと凶器は……買いに行かせるか。

 そしたら防犯カメラにも写ってくれるからな。


 確かあれは200円くらいだから、おぉ、ピッタリ1000円だ。


「あと拷問したって言わせないとなぁ 」





『おっさん!? 寝タバコしたら死ぬぞ!!? 』


 いやマジで死ぬな。

 ここで死なれたらマジ困る。


『ここの橋が良い。Googleマップで確認したらちょうどいい高さだった 』


 ここだと良いな。

 家が近い。

 少し車で走っても、2時間かければ帰れる。


『少し痛めつけたらボロボロ吐いてくれたよ。今から30分後、佐波斬橋(さばぎりばし)の電灯に、金を詰めたカバンを置け。そこで子供と交換だ 』


 ナイス!

 マジでありがとう!!

 ちゃんと拷問のこと言ってくれて助かる!!!


『うっへ〜ビッショビッショ!! あっ、つーか無線どんな感じ!? 』


 おっさんに体中くっ付けて〜、ライターGET〜♪


「「「「うぉぉぉぉぉ!!!!!!!!! 」」」」


 よっしゃあ成功したァ!!

 これで家族殺せるぞぉぉ!!!


『元気でやれよ 』


『あぁ 』


 握手ついでに指紋付けて〜、準備完了。

 そのままカメラに写らないよう、事前に決めたルートを進む。

 そして空が暗くなって、月が見えないほど雨が降った時……作戦を始めた。



 家の電線を切る。

 この風だ、誰も不審がらない。


 窓ガラスを割る。

 この音だ。誰も聞こえないだろうし、家族の寝室から一番遠い窓を選んだ。


「ふふん、ふ〜ん 」


 鼻歌を唄いながら、頬を掻きむしる。

 血が出てきたから今度は首を。

 とても痛くて後悔した。



 ギぃって、そっと扉を開ける。

 ここは(クソ)の寝室。

 一番強いコイツから殺すと、ずっと決めていた。


「ゴッ!? 」


 寝ている首に、グッとナイフを突き刺す。


 暴れられたら怖いから、逃げる準備をしてた。

 抵抗されて殴られても良いように、心構えもしてた。

 でも呆気なく死んでくれたから、心底ほっとした。


「ははっ 」


 母の首を刺した。

 ごめんねと思った。


 叔父を殺した。

 申し訳ないと思った。


「はぁ……はぁ…… 」


「あれ、おばあちゃんトイレ? 」


 残ったアイツは、まるでバケモノを見るような目をしていた。


「なんで…… 」


「怨み? かなぁ。昔さ、僕が警官の兄に殴られてな時にさ、みんな助けてくれなかったじゃん。しかも『やり返せないアンタが悪い』って言ってたじゃん。だからさ、ほら、うん、死んで 」


「何言ってんのよアンタ!? そもそも私はそんな事言ってないわよ!!! 」


「……虐めた方は覚えてないって。こういう事を言うのかな? 」


 腹を刺して、大声を出せなくして、ついでに足も刺して、ライターで火をつけた。

 家にあるものを使えば、誰だって大火事くらい起こせる。


「あぁ、忘れてた 」


 ジャンバーを脱いで、自分の指紋が付いたナイフを捨てる。

 んで、


「いだだだ!!!! 」


 自分の手を焼いた。

 指紋が焼き潰れるくらい。


 前科持ちじゃないから、凶器に付いた指紋を調べられても該当はしない。

 火が大きくなるよう壁に色々塗ったから、元からあった俺の指紋は焼けたハズだ。

 残ってても物色したと捉えられるだろう。


 後はいい感じに体にやけどを付けて、


「アハハハハッ!!!! 」


「居たぞ生き残りだ!!! 」


 精一杯笑ってやった。



 元々そういうのを持ってたから、事件のショックによる精神乖離とされて詳しい聴取は行われなかった。





ーーー『現在』




 目的の会場に入る。

 入って速くなった息を整えて、


『ではスペシャルゲストのご登場です!! 七変化先生〜 』


 マイクの声とともに会場にステージに立つ。


「はいどうも〜。皆さんはじめまして〜 」


『なんとメディア初登場! 何か一言ありますか!? 』


「いや〜そうですねぇ。僕が書いた小説、『完全犯罪』がまさか実写映画化するとは思ってませんでした。ほんと嬉しい限りですよ 」


『それは嬉しいですね〜。では、続いて質問コーナーと参りましょうか。まずは『少年A』役の煤谷(すすたに) (りん)さんから! 』


「はじめまして七変化先生。私、少年A役をさせて頂きた煤谷と申します 」


「はじめまして〜 」


「それで質問が二つあるんです 」


「はいはい 」


「一つは……あぁその、私役者なので、この犯人となった少年Aに成りきったりするんです。けど……どうしても理解できない箇所があったんですよ。一つはどうしてこんな大それた事を14歳の少年が考えてたのか。もう一つなぜ、8月13日というお盆の日に殺人を犯したのでしょうか? 」


「あ〜、必死だったんじゃないですかね? ほら、家族から十数年苦しめられて〜、そこから解放されたくて殺したのに、そのあとまた数十年も牢屋の中なんて嫌でしょう 」


「あぁぁ……なるほどぉ。考えてもみませんでした。それで二つ目はぁ 」


「あぁ、その方が墓参り一回で済むじゃないですか 」


「……はい? 」


「いやほら、命日とお盆が一緒だったら一回で〜 」


「……あの〜、今から少年A役変わりましょうか? 僕より、七変化先生の方が向いてると思うんですけどぉ 」


「……ハハッ 」







 匿名チャンネルサイト


1. ID:AtaOka25

 今流行りの『完全犯罪』

 元ネタは実際にあった事件で、被害者は先生本人らしいぞ!


2.

 ソースは?


3.

 俺の冷蔵庫


4.

 3>>

 はっ? ソースは常温だろ、頭イカれてんのか


5.

 で、どこ情報?

 ファンなんだけど初耳


6.

 イッチ?


7.

 逃げたか(´・ω・)ツマンネ


8.

 つーか完全犯罪流行ってるらしいけど面白いの? 映画見た人kwsk


9.

 おもんなかったよ。見てないけど


18.

 オモロかったよ。見てないけど


19.

 ぶっちゃけ面白かった。でも原作の空気が映画に活かされてなかったね。というか少年A役なのに俳優さん歳食い過ぎでしょ。どっからどう見ても30代じゃん


20.

 それは酷すぎんだろww


21.

 というか今日のインタビュー見た? 七変化先生(作者)出てきたらしいよ


22.

 チー牛だった?


23.

 いや普通の若い感じの人


24.

 あぁあの人か。怖かったね


25.

 マジ怖かった


26.

 >>24

 何が怖かったの?


27.

 雰囲気というか言動? なんかずっと他人事でさ、変な方向見てた。それでインタビューされた時の笑顔が下手なホラーより怖かった


28.

 結局なにが怖いの?


29.

 うpはよ(/・ω・)/


30.

 絶対チー牛だって


31.

 >>29

 ほらこれ




32.

 こわ


33.

 ひぇ


34.

 この人呪いのビデオ出身だったりする?


35.

 チー牛とか言ってすみませんでした


36.

 というかこの人なんで手袋してんの?


37. ID:AtaOka25

 やけどらしいよ


38.

 イッチ!?


39.

 だからどこ情報だよ?


40.

 また逃げかつまんね〜


41.

 冷めたわ〜


42.

 というかこの作品無理あり過ぎない?


43. ID:AtaOka25

 無理じゃなかったよ


44.

 はいはいそうだね


45.

 イッチ絶対チー牛じゃん


46.

 というかなんでそんな知ってる感じなん?


47. ID:AtaOka25

 (^▽^)



 さぁね



「はぁ 」


 パソコンを閉じる。

 ボロアパートの天井を見上げて、入れてたアイスコーヒーを飲んで、ガラスに写る自分に向けて、笑ってみる。


「あ〜、人生たのっし 」


 やけどを負った手を伸ばし、ゲラゲラ笑う。

 あぁほんと、過去の苦痛(かぞく)が居ない人生はすごく楽だ。




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