#2 angel's mission
二話目は、唯都と関係の深かったあの天使様…?
※文字数少ないのでポエムみたいになってます。
――『ラファエラ』。
天使として、私がこの世界に存在するための名前。
『私』が『わたし』であるための名前。
――『日隅唯都』。
最近わたしが見守っている、とある男の子の名前。
天使である私のここでの主な仕事は、彼を監視して導くことです。
ただ、監視といっても部屋に監禁して見張るわけでもありません。
ときどき危なげなことを言う彼が変な気を起こさないように、そっと見守るだけです。忙しい"神様”の代わりに、危なっかしい彼の背中を見守ること。
それが、私に与えられた天命なのです。
そう、『見守るだけ』なんですが……
「さぁ、さっそく異世界で冒険と洒落込みましょう!」
「嫌だ」
唯都さんは、思ったよりも問題児でした。
私が現れたそばから首を吊って死のうとするし、冒険だって嫌がりました。
こーんなに可愛い『わたし』の後押しがあっても、はじめは折れなかったくらいです。きっと当時の彼の意思は、かのフェイズシフト装甲よりも硬かったことでしょう。まさにバリ硬です。
だからこそ、この世界を楽しむ気になってくれたときは、すごく嬉しかったんです。私が居たことで変わった彼の心が、どうしようもなく愛おしくて。
――失うのが、怖かった。
「生きていてほしいんです。唯都さんは、こんなところで死んでいい人じゃないんですから」
本来の役目以上のことをしてしまったのは、そのせいだったんでしょう。
それが私の気まぐれでも、”神様”に怒られるようなことであっても。
彼が死んでしまう未来を、見たくなかった。
彼にこれ以上悲しみを増やすようなことは、させたくなかった。
可哀想な彼が、これ以上後悔に苛まれないように。
もう一度――いや、何度だって、やり直すチャンスを与えたかった。
だから私は、罪を犯した。
わたしの名前はラファエラ。
唯都さんの生きる道を見守ることが、『私』の仕事です。
これからも、ずっと。
ラファエラはポエマー