↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/75

Star dust


 一八(いちはつ)の話(はなし)を聞(き)いた律花達(りつかたち)は、翌日(よくじつ)から早速(さっそく)ソニアの手(て)がかりになるものを探(さが)しに向(む)かった。一八(いちはつ)によると、ソニアは白髪(はくはつ)で、五歳(ごさい)くらいの見(み)た目(め)をしているらしい。二人(ふたり)はそのような子(こ)を見(み)ていないか町中(まちじゅう)の人(ひと)に聞(き)いて回(まわ)った。ところが、誰(だれ)もそのような子(こ)は見(み)ていなかった。



 ソニアに繋(つな)がる何(なに)かは見(み)つけられなかったが、二人(ふたり)の友人(ゆうじん)の篤矢(あつや)が気(き)になる話(はなし)をした。

「あれ、かなり話題(わだい)になってるよね。」

「あれって?」

「白部山(しらべやま)に流(なが)れ星(ぼし)が落(お)ちた話(はなし)だよ。」

「流(なが)れ星(ぼし)が落(お)ちたらそれは隕石(いんせき)じゃないの?」

「そうなんだけどね、大(おお)きかったはずなのに痕(あと)が残(のこ)ってないんだよ。」

篤矢(あつや)は山(やま)を指(ゆび)差(さ)した。白部山(しらべやま)は、普段(ふだん)と変(か)わらぬ形(かたち)でそこにある。



 ソニアを見(み)つけられないのは残念(ざんねん)だが、隕石(いんせき)が近(ちか)くに落(お)ちたのは気(き)がかりだ。律花達(りつかたち)は走(はし)って山(やま)に向(む)かった。



 そこにあったのは隕石(いんせき)ではなく、ティラノサウルスの姿(すがた)をした怪(かい)だった。怪(かい)は眠(ねむ)っていたが、三人(さんにん)の気配(けはい)に気(き)づいて目(め)を覚(さ)ました。

「あれは…、怪(かい)?」

その怪(かい)の上(うえ)には少女(しょうじょ)が立(た)っていた。その少女(しょうじょ)は三人(さんにん)を見下(みお)ろしている。

「ソニアはどこ?」

少女(しょうじょ)は三人(さんにん)よりも年下(としした)だが、口調(くちょう)は妙(みょう)に大人(おとな)びていた。

「ソニア…、ってあなたもソニアを知(し)ってるの?」

「あいつ、気(き)に食(く)わないの。」

少女(しょうじょ)が手(て)をかざすと、怪(かい)が突撃(とつげき)してきた。三人(さんにん)は木(き)に叩(たた)きつけられる。

「待(ま)って!あなたもソニアを探(さが)してるんでしょ?実(じつ)は私達(わたしたち)もなの!」

「本当(ほんとう)?」

怪(かい)が攻撃(こうげき)を止(や)めた。そして、少女(しょうじょ)を地面(じめん)に降(お)ろす。

「そう、それが本当(ほんとう)ならいいけど。」

少女(しょうじょ)はワンピースのポケットから鍵(かぎ)を取(と)り出(だ)した。

「私(わたし)はゾフィー、『Star dust(スターダスト)』のリーダーよ。覚(おぼ)えといて。」

それだけ言(い)うと、ゾフィーは鍵(かぎ)を投(な)げて空(そら)に差(さ)し込(こ)んだ。そして、怪(かい)と共(とも)に姿(すがた)を消(け)してしまった。

「あいつ…、『Star dust(スターダスト)』のリーダーって言(い)ってたな。」

一八(いちはつ)はゾフィーが消(き)えた空(そら)を妙(み)ていた。

「『Star dust(スターダスト)』?」

「宇宙(うちゅう)からやって来(き)た敵意(てきい)を持(も)つ者達(ものたち)だと、昴様(すばるさま)は言(い)っていた。」

「あの子(こ)が敵(てき)だというの?」

「ああ…、冥界(めいかい)の怪(かい)はあいつらが送(おく)り込(こ)んでいるらしいからな。」

一八(いちはつ)はずっと何(なに)か考(かんが)えているようだったが、二人(ふたり)には言(い)わなかった。



 それから、律花(りつか)と音羽(おとは)はそれぞれの家(いえ)に戻(もど)った。一八(いちはつ)は今日(きょう)も律花(りつか)の家(いえ)に泊(と)まるつもりらしく、律花(りつか)にくっついていた。


 律花(りつか)は自分(じぶん)の部屋(へや)で本(ほん)を読(よ)んでいた。その本(ほん)は黒(くろ)い革(かわ)の表紙(ひょうし)で、中(なか)は見慣(みな)れぬ文字(もじ)で何(なに)かが書(か)かれている。

「何(なに)見(み)てるんだ?」

「黒書(こくしょ)、お父(とう)さんが魔術(まじゅつ)を使(つか)うならこれを読(よ)めって言(い)われているの。」

一八(いちはつ)には読(よ)めなかったが、律花(りつか)はこの本(ほん)が読(よ)めるようだった。父親(ちちおや)に教(おし)えてもらったのだろう。

「律花(りつか)のお父(とう)さんは魔術師(まじゅつし)なのか?」

律花(りつか)が頷(うなず)くと一八(いちはつ)は立(た)ち上(あ)がった。

「へぇ、俺(おれ)も教(おし)えてもらいたいぜ!」

一八(いちはつ)は部屋(へや)を飛(と)び出(だ)して律花(りつか)の父親(ちちおや)の元(もと)へ向(む)かってしまった。



 律花(りつか)の父親(ちちおや)は、ビガラス・ジューンという魔術師(まじゅつし)だった。彼(かれ)は死霊(しりょう)使(つか)いと呼(よ)ばれる一族(いちぞく)の出身(しゅっしん)で、植物(しょくぶつ)を扱(あつか)うのを得意(とくい)とする。律花(りつか)は風見(かざみ)の陰陽師(おんみょうじ)の力(ちから)と、魔術師(まじゅつし)の力(ちから)の両方(りょうほう)を受(う)け継(つ)いでいた。



 そのビガラスの姿(すがた)を見(み)かけた一八(いちはつ)は早速(さっそく)話(はな)し掛(か)けていた。

「律花(りつか)さんのお父様(とうさま)ですよね。」

一八(いちはつ)は、律花(りつか)には慣(な)れ慣(な)れしかったが、ビガラスには敬語(けいご)で話(はな)していた。

「ああ、俺(おれ)で良(よ)かったらだが…」

「はい!教(おし)えてほしいです!」

「お父(とう)さん!」

「俺(おれ)はいいぞ。可愛(かわい)い弟子(でし)がもう一人(ひとり)増(ふ)えるからな。」

ビガラスは二人(ふたり)を連(つ)れて自分(じぶん)の部屋(へや)に向(む)かった。そして、一八(いちはつ)にも律花(りつか)と同(おな)じ本(ほん)を手渡(てわた)す。

「これからよろしくな、一八(いちはつ)君(くん)。」

ビガラスは一八(いちはつ)の本(ほん)に書(か)かれている文(ぶん)を一(ひと)つ一(ひと)つ指差(ゆびさ)しながら教(おし)えていった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。