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双子の絆


 松葉(まつば)濡烏(ぬれがらす)はゼオラに()かっていった。八咫烏(やたがらす)(さと)(からす)戦闘不能(せんとうふのう)にしたゼオラは、何事(なにごと)()かったように平然(へいぜん)()っている。

(あやかし)というのは人間(にんげん)()ないと()きられない(よわ)存在(そんざい)だ。無様(ぶざま)()けるのがお似合(にあ)いだね。」

ゼオラの(けん)(ほそ)(ひか)っていた。

「それで、(あやかし)でも(かい)でもないどっちつかずの(きみ)がここを(まも)意味(いみ)()いと(おも)うんだけどね。」

ゼオラが(ゆび)()らすと、(そら)から(いわ)(あめ)()りそそいだ。八咫烏(やたがらす)(さと)家屋(かおく)(つぶ)れていく。

松葉(まつば)、いけるか?」

松葉(まつば)(うなず)き、団扇(うちわ)()った。そして突風(とっぷう)()こし、(いわ)()ばしていった。


 (たたか)いの(なか)松葉(まつば)(おも)()していたのは、双子(ふたご)(おとうと)である一八(いちはつ)姿(すがた)だった。自分(じぶん)()境遇(きょうぐう)でありながら、一八(いちはつ)(あか)るかった。(いま)現世(げんせ)()るそうだが、元気(げんき)にしているだろうか。いつか(ふたた)()える()()るのだろうか。

 松葉(まつば)はその()まで()(わけ)にはいかない。(ちが)(みち)辿(たど)っていようと、(こころ)(ひと)つだ。いつか何処(どこ)かで(おな)場所(ばしょ)辿(たど)()くだろう。

(すす)(みち)(ちが)っても、(おな)場所(ばしょ)辿(たど)()くって(しん)じている。だから、それまで()けない!」

松葉(まつば)団扇(うちわ)()ち、周囲(しゅうい)(かい)()()ばした。


 濡烏(ぬれがらす)はその様子(ようす)(たたか)いながら見守(みまも)っていた。かつて濡烏(ぬれがらす)は、(おに)以外(いがい)存在(そんざい)(みな)格下(かくした)だと(おも)()んでいた。ところが、『獄炎(ごくえん)(やから)』の元締(もとじ)めである蘇芳(すおう)はそうではないと()う。蘇芳(すおう)冥界(めいかい)現世(げんせ)(みずか)(おもむ)き、様々(さまざま)存在(そんざい)(かか)わっていた。同族(どうぞく)()がありながらも、異種族(いしゅぞく)(にく)まなかった。蘇芳(すおう)なら(かい)(ほか)種族(しゅぞく)(かか)わり()える世界(せかい)(つく)れるかもしれない。濡烏(ぬれがらす)はそう(しん)じ、蘇芳(すおう)(おな)(こと)をしている。

「あいつは、(おに)以外(いがい)(やつ)らを()りたかっただけなのかもな…」

そして濡烏(ぬれがらす)松葉(まつば)背後(はいご)()った。

「いつかお(まえ)(おとうと)にも()わせろよ。」

「はい!」

(いま)松葉(まつば)濡烏(ぬれがらす)背中(せなか)(あず)けられている。(いま)()(まえ)()ない一八(いちはつ)(ため)にも、そして八咫烏(やたがらす)(さと)(ため)にも松葉(まつば)()ける(わけ)にはいかない。松葉(まつば)(かたな)(にぎ)()めた。

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