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切れた糸


 星藍(せいら)(いえ)から(はな)れた篤矢(あつや)星藍(せいら)(さが)(まわ)った。途中(とちゅう)、クラスメイトにも()って星藍(せいら)(はなし)をしたが、(だれ)(なに)()らないと(こた)える。

「おかしいよ、たった一日(いちにち)星藍(せいら)ちゃんを(わす)れるなんて…。」

クラスメイトだけでない、(となり)()らしていたはずの老夫婦(ろうふうふ)星藍(せいら)()らないと(こた)える。あまりにも不自然(ふしぜん)だった。一日(いちにち)(ひと)はある一人(ひとり)(わす)れるのだろうか。それ自体(じたい)はそうおかしくはないが、篤矢(あつや)にとっては大問題(だいもんだい)だった。


 篤矢(あつや)(まち)()(めぐ)った。そして色々(いろいろ)(ひと)(はな)()けた。ところが、(だれ)星藍(せいら)()らないと(こた)える。



 星藍(せいら)()ない世界(せかい)意味(いみ)がない。篤矢(あつや)()()れるまで必死(ひっし)(さが)したが、それでも()つからなかった。(まち)をどんなに(さが)しても、星藍(せいら)どころか、それを()(もの)(だれ)()ない。


 篤矢(あつや)(こころ)には空洞(くうどう)出来(でき)ていた。それも星藍(せいら)がどこにも()ないからだ。篤矢(あつや)はずっと星藍(せいら)(こころ)()(どころ)にしていた。そんな星藍(せいら)()なくれば、(なに)(たよ)りにして()きていけばいいのだろう。

 その現実(げんじつ)否定(ひてい)する(ため)に、篤矢(あつや)星藍(せいら)存在(そんざい)そのものを否定(ひてい)してしまった。

星藍(せいら)ちゃん…って、(だれ)だっけ?」

篤矢(あつや)がそう(つぶや)いた(つぎ)瞬間(しゅんかん)、お(まも)りの(ひかり)()えた。そして、篤矢(あつや)()(ひかり)()えた。そして、篤矢(あつや)はそのままどこでもない場所(ばしょ)()かって(ある)()した。




 篤矢(あつや)辿(たど)()いたのは『(ひかり)()』と()ばれる()(そば)だった。篤矢(あつや)はその()()りかかる。(こころ)空洞(くうどう)(ひろ)がって、いつしか(から)になっていた。(いま)篤矢(あつや)には(だれ)(こえ)(とど)かない。



 そんな篤矢(あつや)(まえ)(あらわ)れたのはお(まも)りを(わた)した青年(せいねん)だった。青年(せいねん)篤矢(あつや)(そば)近寄(ちかよ)り、一言(ひとこと)こう()う。

(わす)れるなって()ったのに…」

青年(せいねん)篤矢(あつや)のお(まも)りを()た。水晶玉(すいしょうだま)篤矢(あつや)()(おな)じように(ひかり)(うしな)っている。

(はや)()()たないと手遅(ておく)れになる。それでもいいのか?」

篤矢(あつや)(なに)(こた)えない。ただ空虚(くうきょ)をぼんやりと(なが)めている。(いま)篤矢(あつや)には(だれ)(こえ)(とど)かない。

「このままだと本当(ほんとう)大切(たいせつ)存在(そんざい)(うしな)ってしまうぞ?」

青年(せいねん)はそう()って()()るが、篤矢(あつや)(まった)()づいていなかった。



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