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MONOローグ~夢なき子~  作者: 雨薫 うろち
西帝国動乱編
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95.まだまだ続く集団戦の前に食事

 騎士団との集団戦に釈然としないまま、手に入れたアイテムを確認していると、


 サーコートは術士骸骨から手に入れただけあって、精神力や精神力コントロールに補正があるらしい。


 ただ、今の毛皮と違って耐寒は無いので【帝国】に帰ったら使えないので、鞄の肥やしかな?


 もう一つのメダルは、称号……では無かった。


 ワープ系のボスだけあって、どうやら二つに割って別けて持つことで、人の位置を入れ替えられるアイテムとなっている。


 フィールドを分割してまとめて飛ばせるほどの効果は無いが、何かに使えるかな?使える事もあるかもしれない。


 まあ一段落と言う事で【帝国】に帰ろうかと思っていたら、また声をかけられてしまう。


 「よう!ソタロー!次はうちな~!」


 アンデルセンさん……。


 まあガンモ達を受け入れてくれたり、何だかんだいい人だし、嫌とも言えないよな~。


 「今度はどういう敵なんですか?」


 「おう、まあ船の上で戦闘ってのは流石にソタローもしんどいよな?」


 「そりゃまあ、多分?やった事無いので何とも言えないですけど」


 「あ~まぁ、隊長みたいになんか知らんけどなんでも出来るって訳にはいかんよな。泳ぎなんて【海国】プレイヤーじゃなきゃ取らないもんな~」


 「確かに隊長って泳いで世界回ったんですもんね。異常ですよ」


 「うん……まあな。まあ俺達は島で釣れる魔物なんかを倒すんだが、やってみないか?」


 「別にいいですけど」


 と言う事でポータルで【海国】に連れて行かれる。


 ここはどこだろうか?


 ポータルから出たら目の前に広がる海と、桟橋。


 泊まる船の行列に圧倒されてしまう。


 「うちの船はこっちだぞ!」


 そう言って、促される大型の船。


 船のことはあまりよく分からないが、周りに停泊している物とは明らかにサイズが違うのだが、こんな物どうやって手に入れるのだろうか?


 しかし、乗船してみれば吹き付ける潮風の気持ちよさに、いつのまにやら嵌ってしまいそう。


 船の舳先で風を感じつつ、何にも無い海をボンヤリ眺めていると


 あれよあれよと言う間に辿り着いた島。


 船から下りると、そのまま島の森を突っ切り反対側の海岸へ。


 岩がゴツゴツ飛び出ていて、明らかに足場の悪そうな場所ながら、


 一度会ったことのある釣竿を持った嵐の岬のプレイヤーが海岸で釣りをしている。


 やはり釣竿は杖じゃなくて、釣りに使うべきだよね。しっくりと来る光景を何となく眺めていると、


 「どうだ?釣れそうか?」


 バルトさんが釣りおじさんに話しかけている。


 多分集中しているのだろうから、少しほうっておいた方がいいんじゃないかと思うのだが、


 「ああ、多分いけると思うぞ。天候も安定してるし、時間的にも今がベストなんじゃないか?」


 どうやら釣り対象の知識は十分にあるらしく、かなり余裕を持った様子。


 そして始まる食事タイム。


 これからレギオン戦始まるんじゃなかったの?と思ったが、一切緊張感も無くみんな食事の準備を始めるので、自分も参加。


 釣りおじさんの邪魔になら無い様に、別の釣りポイントから魚を釣ってきた人達と合流。


 黒い大きな魚がメインという事だが、残念ながら自分に魚を捌く能力は無いので、そっちはお任せ。


 【海国】はかなり気温が高く、普段とは明らかに違う気候条件、何を食べようか迷っている内に、


 「ほら!来たぞ!準備しておけ!」


 釣りおじさんから声がかかり、急いで向かう。


 勢いをつけられ空高く飛ばされた魚影を確認し、踏み潰されないように対象を観察する。


 落下してきた魚影は早くも矢と術のエフェクトに包まれ、あっという間に勝負が付き、近くに寄って確認すればいかにも凶暴そうな鮫。


 しかし陸地に打ち上げられれば、あっという間だし、何より精々ボスサイズ。


 何で自分が連れてこられたのかな?と思ってアンデルセンさんを見やると、


 「ああ、この鮫の腹にくっ付いてるの分かるか?」


 「小判鮫ですかね?」


 「そうそう、レギオンボスがこいつを好物にしてるんだ。だがくっ付いてるこっちの鮫の逃げ足が速くて、普段は食えないって言うな」


 なるほど、道理で皆余裕でご飯の準備してる筈だ。先に言っておいて欲しかった。


 気を取り直してメニューを考えてもなんかしっくり来ない。レシピノートを見返しても魚料理は書いてない。


 チータデリーニさんのレパートリーにはなかったのだろう。


 仕方ないので島内を少し散策、嵐の岬のメンバーの数人が黄色い実を採っていたので、見せてもらったら自生する柚子風の柑橘系果物。


 魚料理と合うらしいが、自分にそんなおしゃれな物を料理する能力は無い。


 そうこうする間に刺身やら焼き魚やら揃ってしまったので、一緒に頂く事にする。


 全体的に柚子風味で爽やかだが、なんか物足りない。


 割とそれぞれ好きな事をしているらしい嵐の岬でも料理は流行っていなかったらしく、取得したのは割りと最近でしかも人数も少ないから普段はこんな物だと言われれば、納得するほかない。


 何しろ自分も何を作ったらしいのかすら思いつかないのだから、文句を言える立場ではないだろう。


 だが、なんかボンヤリした味の物ばかり食べてても面白くない。


 スープ用の青い瓶を溶かしたお湯に余り物の魚を大量に突っ込んで、嵐の岬の人が持っていた調味料も適当に混ぜていくらか煮てみたら、何となく汁物に仕上がった。


 味はまあまあだがやや臭みがあったので、生姜と葱を入れて、完成。


 かなり雑で適当な味付けだったが、やっぱり嵐の岬の面々もボンヤリした味の食事では物足りなかったらしく、さっさと無くなったのは良かった。


 お腹が一杯になった所で、集団戦だな。

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― 新着の感想 ―
[一言] 内臓とって、焼いて、ゆずを掛けても旨いのに………………………… 醤油がないのか?
[一言] 釣りってことは、隊長とレギオンが被った時のかな? もしこのままソタローが、レギオン装備を集めて行くとなると、 この小説もそろそろ終わりが近いのだろうか・・・
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