表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MONOローグ~夢なき子~  作者: 雨薫 うろち
西帝国動乱編
95/363

94.沼地の術士骸骨

 「くっそ!またやられた!」


 大急ぎで白騎士、金騎士救援に向かっているのだが、ある程度近づくと、全然違う場所に飛ばされてしまう。


 しかし瞬間移動の傾向だけは分かった。


 多分区画別けされていて、区画範囲内の人及び骸骨が纏めて飛ばされる。


 なにしろ偶々だが、沼地に足を取られ転んだ者が一人だけ取り残されるのだから、部隊で飛ばしているわけではないだろう。


 ただ問題は、どうやって相手が認識しているかだ。


 どうあがいても目的地に辿り着けないが、今も金騎士と白騎士部隊が削られていると思えば、気が気じゃない。


 「こりゃちょっと賭けになるが、俺とソタロー二人で突っ込んでみるか?」


 「どういう事です?」


 「いやさっき、一人取りこぼしてただろ。集団を中心に差し向けてその間に二人で救援に向かえば、見逃してくれるんじゃねぇかと思ってよ」


 「……やってみる価値はありますか。自分達二人でどこまでやれるか分かりませんが」


 「まあ、そこは踏ん張るしかねぇな。少しでも相手の戦力を分散する事で白の奴が少しでも戦いやすくなればって、その程度だがあいつも個人の戦闘力は中々のものだし、一回信じてみないか?」


 「分かりました!それでは赤騎士部隊の皆さんはひたすら塔に向かって、走ってください」


 言うなり、赤騎士と自分で並んで白騎士金騎士救援に走る。


 予想が上手くはまったのか、今度は順調に近づいて行き、骸骨の集団に噛み付く。


 白騎士金騎士を襲う骸骨は逆三角形の騎士盾に長剣、冑に上半身鎧と結構な重装備。


 しかし弱点は下半身、隊長の動きを思い出し低空攻撃で片っ端から戦闘不能にしていく。


 立てなくても剣を振りまわしてくる骸骨達を踏み潰して、ずいずい進み囲まれるもひたすら弾き飛ばすように突撃。


 剣を振り回せば当るし、盾をぶつければ吹っ飛ばせる。


 何だかんだ囲まれた状態の方が戦いやすい気がする。何しろちょっとやそっとのダメージなら自分を止めるには全然足りない。


 赤騎士も同様。両手で振り回す剣で次から次へと骸骨達を斬り倒す。


 ひたすら暴れまわる事、どれだけ経っただろうか?


 徐々に薄くなる骸骨達の密度、手の届く範囲に骸骨がいなくなる度にどんどん敵の多い場所を探しては突っ込んでいく。


 なんだか高まるテンションに抑えが利かない。


 手当たり次第骸骨を粉砕しているとやたら冷めた声がかかる。


 「程々にしていただかないと、士気コントロールが苦しくなってるのですけど?」


 ……どうやら士気に浮かされてしまっていた様だ。でもゲーム的なアレだから仕方が無いアレですよね?


 落ち着いた頃にはほぼほぼ趨勢は決まって、敵が戦力を集中していた白騎士金騎士部隊の救援はなった。


 青騎士は時間がかかりそうだが、互角らしいので放って置く。


 あとは元凶となる術士骸骨だけ。


 しかし、集団でかかっていた赤騎士部隊はまた沼地の入り口に戻されていた。


 「青騎士さんはそのまま掃討を続けてください。他は全員バラバラになって中央を目指します。塔に入りこんだら無理しないように!」


 言うが早いか、てんでバラバラに塔を目指す。


 何人かはまとめて入り口に戻されたが、徐々に輪を詰めていき、一人二人と塔の内部に潜入。


 どうやら塔内部に入ってしまえば、それ以上飛ばされないらしいので、ジワジワと塔の占拠を開始。


 塔内部にも骸骨【兵士】達がいて立ちはだかるが、かなり武装が充実しているらしい。


 ようやっと自分も合流するが、確かにフルプレートの骸骨は中々に厄介だ。


 弱点と言う弱点がないので、地道に塔を登っていくしかないが、完全に消耗戦。


 戦略も何も無い力押し展開。


 とにもかくにも死なない様に粘って回復!それのみ。地味だろうとなんだろうと、一人でも多く上の階に押し上げ、死ぬ前に戻すのみ。


 やっと辿り着いた最上階は何かの研究室なのかいっぱい紙が釣り下がっている。


 わざと暴れて研究結果を撒き散らすような事は一切しない。丁寧に丁寧に攻撃と防御を重ね。護衛骸骨達を倒し、最後は術士骸骨。


 何となくストーリー上理知的で何か言い残す骸骨を想像したが、最後の一体になった瞬間巨大化。


 塔の屋上を最後の戦闘フィールドにしつつ、ボス戦。


 しかし足場的に5人しか入れなかったので、自分、赤騎士、白騎士、黒騎士、金騎士。


 青騎士はまだ塔の最上階まで登ってこれていない。


 まるで懐かしのターン制バトルのように、スピードの早いものから攻撃。


 敵の攻撃を自分が受けて、金騎士の回復を受ける。


 攻撃の要は赤騎士。白と黒が翻弄してチャンスを作り、優勢な状況を維持。


 晴れ渡る塔の最上階、眼下は霧のかかる、まるで雲の上のような幻想的な風景。


 巨大化術士骸骨を削り倒すと、頭の中にファンファーレがなる。


 今回は、

 

 最多被ダメージ

 ボス攻略パーティ


 の二つ。


 なんか二つで一つになってるぱっかり割れたメダル?

 ちょっと長めのローブ風サーコート


 の二つのアイテムを手に入れた。


 最早自分はこの手のレアアイテムにサーコートを手に入れる運命なのか?


 その後、何気に骸骨術士系クエストを受けてた人達に同行させてもらうと、塔内部研究所らしき場所には、塔を中心とした沼地の地図。


 読めない文字を割り振られているのは、アルファベットのような物か?


 どうやらそれを動かして、区画ごとに瞬間移動していたようだ。


 【王国】はその研究を欲していたようだが、死して尚研究に没頭していた骸骨が悪いのか、その研究を奪うため刺客を差し向けた【王国】が悪いのか、


 結局自分には結論をつけることが出来なかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ラストアタック賞とかは無いのか~ サーコートコレクションが出来たりして(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ