表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MONOローグ~夢なき子~  作者: 雨薫 うろち
西帝国動乱編
93/363

92.騎士団と知り合う

 「それでどういう作戦で行くんですか?」


 「そこはまあ、ルークが書いてくれてる情報を見ないことには決められないかな」


 「ですよね。それは追々として、一個気になったのが元々なんか予言者だか占い師が魔将復活を予言した事がきっかけじゃないですか」


 「そうだね。でも自分達があの天騎士の鎧をそのままにしておけば、クエストは進まない。つまり予言は外れるって事が気になるのかな?」


 「ええ……隊長と騎士殿二人揃ってこのクエストが始まったのは間違いないと思うんですけど、逆に言うと二人が揃ってクエストを進行しなければ、どうなったのかなって」


 「ん~要素としては自分と騎士殿なんだろうけど、クエストのストーリーとしては分岐がちゃんと用意されてるんだと思うよ。だから例の奴らも野放しだったんだろうし、もし何もしなければどこかで暴発してたかもね。天騎士装備無しに魔将と戦う可能性だってあったかもしれない」


 「なるほど、ちゃんとクエストを進めない事で、ハードモード突入みたいな」


 「そういう事。【砂国】の幻の街出身の予言者って言ったらソヘイラ様でしょ?つまり魔将復活は100%起こしますって、運営が言ってるようなもん」


 「ああ、必ず当る占いは、運営に用意されたシナリオなんですね。理解しました。じゃあ準備期間をもらえる今の状態は悪くはないのかもしれないですね」


 「分からないけど、多分ね。自分は最近根詰めてて面倒だけど、まあ仕方ない。乗りかかった船だし、ちょっと魔将倒すかなって感じ」


 ちょっとで済む問題なのかな?


 まあ、隊長が言うのだからそうなんだと思っておこう。


 とは言え、現状の自分には手に余るレベルの戦いになる可能性は高い。少しでも強くなっておく事と、自分にも出来る準備はしておきたいところだ。


 そんな事を考えていると見慣れぬ重装備の人達がこちらにやってくる。


 それぞれ色にこだわりがあるのか、塗り別けられた【兵士】風だが【帝国】の人達じゃないのは間違いない。


 数人確実に沈みそうな装備だもん。


 「よう、お前さんがソタローか?噂は聞いてるぜ。なんか隊長に次いで100人率いれるようになったとか」


 思い出した。一周年イベントの時隊長の敵として、一緒に宣伝になってた人達だ。


 確かキングダム……なんだったかな?

 

 「赤……こういう時は先に名乗るものよ。我々は王国騎士団の幹部。私は金騎士と呼ばれているわ」


 そう名乗るのは金の優美なローブのお姉さん。騎士と言うよりは聖職者っぽいけど、術士タイプなのかな。


 「そうだな、悪い悪い。俺は赤騎士って呼ばれてる。まあどいつもこいつも見たまんま呼んでくれればいいさ。分かりやすくするためのカラーリングだし」


 「ソタローといいます。それで自分になにか?」


 「ああ、先だって【王国】プレイヤーのごたごたに巻き込んじまった侘びと、親睦を兼ねて一緒に大物狩りでもしないか?って誘いだ」


 「別に侘びとかそんないいですよ。本人達に直接言われたし、なんだかんだ決着ついたことですから」


 「へ~~、隊長を追ってるって割りにまともそうだな。まあじゃあ侘びは無しとして、100人率いれるなら一緒に狩りしないか?魔将とか言う敵相手に、少しでも手札を増やせたら活躍の場もありそうだろ?」


 「つまりレギオン級狩りの指揮を自分にとれって事ですね」


 「まあ、そういう事になるな。戦闘で得られたレアアイテムは手に入れた者勝ち、素材に関しては参加者山分けだ」


 「別に断る理由は無いですけど、レギオンだとそこまで経験ないですよ?」


 「構わないさ。そもそも率いれる奴が少ないんだから、ありがたい話さ。強引に人数集めても士気管理が難しいしな」


 「分かりました。それで相手は?」


 「うん、話が早くて助かるぜ。一体は【馬国】なんだが、馬は乗れるか?」


 「いや無理ですね。基本歩き移動です」


 「そうか……そうなると【王国】内のレギオンが良いか……」


 赤い重装備の騎士が考え事を始めると、それまで黙っていた青いフルプレートに大盾の超重量と思われる人が、


 「沼地の古塔はどうだ?骸骨を操る。術士骸骨」


 「あいつはちょっとトリッキーだし慣れてない奴には難しくないか?」


 「そもそも普段一緒に行動してない俺達を指揮するんだから、難しい事には変わらんだろう。なんでも一回で何とかするなんて無理なんだから、魔将討伐まで何度かトライするつもりで、任せてみたらどうだ?」


 「ふむ……。死者の平原には何箇所か沼地があるんだが、その内の一つに塔が立っている場所があるんだ。そこには骸骨になった術士が住んでてな。ヒトが近づくと骸骨の群れを使って襲い掛かってくるんだ」


 「その骸骨を倒すのを手伝って欲しいと……、その術士骸骨の目的が分からないので、断ります」


 「うん、やっぱりそういうところは隊長に似てるわ。俺達だと骸骨が襲ってくるなら問答無用で倒しにかかるもんだが、背景を知らないのに勝手な事できないってんだろ?一応その術士骸骨に関しては【王国】から討伐許可が出てる。だが集団で勝てないんで、潜入して暗殺だの、塔内資料の奪取だのと物騒なクエストすらちらほら出始めてる」


 「【王国】のNPC達が手をこまねいてる理由は?」


 「うむ、一つは骸骨が大量発生する程の瘴気。もう一つが厄介な理由で、塔周りの沼地の敵を一瞬で移動させてくる」


 「塔周りの敵を一瞬で移動?」


 「ああ、例えば塔の近くにいた敵が、一瞬後に背後に回ってるみたいな。指揮能力は殆どないようだが、骸骨を瞬間移動させる技術で、非常に厄介な相手なんだ。ちなみに俺達の位置も移動させられる。折角塔まで近づいたのに沼地の入り口に戻されたりとか」


 「その移動って言うのがどれ位自在なのか、または連続して使ったり出来るのかによって、戦い方は変わりそうですけど、相手が骸骨なら何とかやれそうですね」


 「ああ、戦力的には問題ないと思う。あとは指揮だけなんだ。やってくれるか?」


 「分かりました。引き受けましょう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 金、赤、青騎士がソタローに声を掛けた (//∇//)ソタローく~ん、レイド、たおそ~ ソタローは警戒した 意味分かんないから、や~(//∇//) (…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ