表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MONOローグ~夢なき子~  作者: 雨薫 うろち
西帝国動乱編
78/363

77.いつの間にやら世界の危機

 「いや、待たないよ。自分はご飯作るから」


 「あ?いいから言う事聞いておけ!マジ大変な事になるぞ?お前」


 「ならないよ。じゃあね!人数集めて大声出すしか能のない奴らと話す事はないよ」


 そのまま本当に立ち去る隊長とついてきた数人の【帝国】NPC達。


 どうしようかと一瞬迷った内に重装備の人に捕まってしまう。


 「君は話が分かりそうだね。どうか聞いて欲しい」


 「え……ええ……」


 「おいおい、置いてかれて可愛そうに、なんならうち来るか?あんな軽そうなコミュ症野郎より、うちの方が絶対攻略捗るぜ」


 「いえ、遠慮しておきます」


 「まあ、移籍の事は置いておいて、大事な事なんだこれは」


 「はぁ、話だけなら聞きますが」


 そうして、あっという間に一軒の飲食店に連れ込まれる。


 メンバーは自分と重装備のお兄さんとさっき代表して話してた弱そうな人の3人。


 「まずは自己紹介と行こう」


 「そんな事より、話を進めたほうがいいんじゃないか?こいつが協力しないって言うなら、実力行使しかないんだし」


 「物騒ですね。そもそもルクレイツァってなんです?」


 「え?知らないのに、反対してたのかい?」


 「おいおい、マジかよ。何であいつあんな拒絶感たっぷりだったんだ?本当にコミュ症か?」


 「ああ、隊長って頭ごなしにモノを言う人に対してああいう対応らしいですよ」


 「隊長……?【帝国】の隊長!!!」


 「まじか……じゃあガイヤに一目置くどころか、勝ち越してるじゃねぇかよ」


 「え?そうなんですか?ガイヤさんって方に会った事無いので知らないんですけど?」


 「ああ、ファンサイトに動画も上がってるから調べてみるといい『炎の巫女VS漆黒将軍』で検索できるからさ」


 「……、まあそんな事より話を進めようぜ。ルクレイツァってのは【教国】の昔話に出てくる聖女の血を継いでる【帝国】人でな。どうやら大昔に先祖の聖女が命と引き換えに魔将と呼ばれる敵を封印したらしい」


 「魔将ですか?聞いた事無いですね」


 「まあ、僕達も偶然情報を手に入れて又聞き状態なんだが【王国】に二人の有名な騎士がいたそうだ。片方は天騎士と呼ばれるに至ったが、もう一人は遅れを取った事で邪神に力を求め、魔将となって人々を脅かす存在になったとか」


 「天騎士は1000人を率いて対抗したが、魔将が率いるのは異形の存在達。最初は互角だったものの徐々に体力的に追い詰められていく天騎士達」


 「ああ、それで聖女が?」


 「そう。聖女が命と引き換えに魔将を封印。当時聖女と恋仲にあった天騎士は何でも願いが叶う玉に願って、死してなお【王国】を守る存在になった。聖女と共にね」


 「まあロマンチックな昔話はコレくらいにしてだ。大事なのは今!なんでも【砂国】の幻の街とか言う怪しげな街出身の絶対当たる占い師、なんなら未来予知をする女がいて、魔将復活を伝えに来たそうだ」


 「さっきから『そうだ』っていうのが多いですけど、何故又聞きなんですかね?」


 「うっ……鋭いね」


 「まあ他所のクランに来た依頼話を偶々盗み聞きした奴がいるんだよ。んで俺達で先に何とかしちまおうぜって話」


 「いや、なんか不確定な話っぽいし、ちゃんと依頼のあったクランと相談するなり連携するなりした方がいいと思いますけど」


 「そうなんだが相手が悪くてね。王国騎士団なんだよ」


 「いけ好かない奴らでな。まあ実力はあるんだろうが、やたら秩序秩序ってなうるさくてよ」


 「秩序は保たれた方がいいと思いますよ?」


 「うん、僕達だってなんでも好き勝手やろうということではないんだ。だがその情報をもたらしてくれた者達も強くなる事を願って騎士団に入ったのに、とにかくまずは【訓練】しろとそればかりで、嫌気が差してしまったらしい」


 「そりゃよ。折角ゲームしてるのに構え!振れ!じゃやる気も出ないだろうが、現実なら部活でも体作りからってのは分かるが、流石にゲームでそんな面倒な慣習作られたんじゃ、やる気も出んわ」


 「まあ、自分は散々構え!振れ!からやった身なので、何も言えませんけど。なにしろいきなり頭ごなしに渡せと来て、【王国】なめんなみたいな事言われて、黙って渡す相手じゃないですよ隊長は……」


 「うん、僕が行くべきだったと思うよ。だが魔将というのはとにかく危険だ。何しろ名のある名将が1000人率いて戦った相手な訳だし、ここは聖女の子孫を渡してくれないか?」


 「ふん、俺だって相手が隊長だって知ってれば、もう少し言い方考えたっつーの。まあそれでもいくら隊長だって1000人は率いれないだろ?俺達も一応調べられるだけは調べたが、1000人つったら国家レベルの大事でやっと出てくるって話だ。んなもん現状プレイヤーで何とかなる話じゃない」


 「確かに隊長は団を率いてます。要は後方支援付きの100人隊ですけど……。一応村や町を拠点にしなくても動ける集団ってだけで、尋常じゃないんですけど」


 「そうなのか……集団戦イベントから結構経つが、ほぼ行動制限無しの100人を率いてるのか今は」


 「やべーなやっぱり。100人率いれるってだけでやべーけどな。本当にごく一部だろそこまで達してるの」


 「一応自分も100人までは率いれますので、普通にやってれば出来ると思いますけど?」


 「「……はぁ?」」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ソタローくんの「あれ?なんかやっちゃいました?」だ! いつかやるとは思ってた!!
[一言] あ、ソタローじゃなくて、相手がレベルの違いに気付く?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ