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MONOローグ~夢なき子~  作者: 雨薫 うろち
西帝国動乱編
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45.ダンジョンアタックー破竹ー

 「やぁ、ソタロー君!それじゃあダンジョン攻略と行こうか」


 約束の日に例の如くダンジョン前宿営地に向かえば既にカヴァリーさんとビエーラさんが待っていてくれた。


 「はい!よろしくお願いします!」


 「どうするのか覚悟は決まったの?」


 「とりあえず教えてもらった事全てやろうかと思ってます」


 「それはまた……茨の道だね」


 「分かったの。じゃあソタローが一番前を歩くの」


 「え?自分が先頭ですか?」


 「そうだね。好きに進んでもらって構わないよ。ちゃんとフォローはするから」


 という事なので、ダンジョンに潜り込みイタチ達に襲われるが、


 尽くビエーラさんの射撃で光の粒子になって消えていく。


 一応その光は霊子って言うエネルギー?みたいなもので、世界を構成する元なんだとか。


 あまり気にしてなかったけど魔物とか確かに<解体>が終わると光を発して消えてた。


 うん、そして自分とカヴァリーさんはやる事がない。


 「止まるの!」


 急にビエーラさんが声を掛けてきたと思ったら、目の前にツララが降ってくる。


 どうやら罠の検知まで出来るようだ。


 本気で自分とカヴァリーさんはいらない子状態なのだが?


 「あのビエーラさん?」


 「さんは、いらないの」


 「そうですか……、いやそれより自分達やる事がないんですけど」


 「じゃあ体力を温存しておくの。下の階は足場が悪くて疲れるの」


 大変申し訳ない気持ちでいっぱいだが、ずんずん進みボス部屋へ。


 弓を構えた黒貂を相手取り、自分がまず最前に立って矢を盾で受け、


 そして自分の首横を抜けるようにビエーラさんの矢が飛び、黒貂に突き刺さる。


 一瞬黒貂の動きが止まったところにカヴァリーさんの斬撃。


 素早い連撃で縦横構わず滅多切り。


 本当にカヴァリーさんの剣の振りは早すぎて、正直よく見えない。


 シェーベルに乗ったまま攻撃する為にスピード重視だとは聞いてたけど、本気の振りは殆ど残像しか認識できないとか完全におかしい。


 やっと黒貂に追いつき剣を振れば、


 黒貂は普通に反応して飛びのこうと足に力を入れるが、左目に矢が突き立ち動きが止まる。


 そこに自分の一撃が入り、全身がビクッと震え、また動きの止まった所に水平斬り。


 黒貂が上体を屈めた所に、頭部めがけて回し蹴り。


 体勢が崩れたままフラフラっと動く黒貂の脳天に向かってかち割りの全力剣攻撃。


 それで黒貂は倒れて光の粒子に変わり、毛皮だけが残った。


 後部屋の真ん中にいつの間にかの宝箱。


 「解除系のスキルは持ってないから放っておくの」


 「え?もったいなくないですか?」


 「仕方ないよ。スキルがなければ開けられないんだから、諦めよう」


 そしてボスを倒すと開く奥の通路を抜ければ、そのまま次の階へ。


 そして今回の取って置き秘密兵器!カンジキを取り出し靴の上から装着!


 「兵長から支給カンジキ借りてきました!まさかこんないい物を借りれるなんて……」


 「まだ装備変更できないんだから無難な選択なの」


 「うん、当面は<蹴り>封印だね。っていうか……そんな物まで貸してくれるなんて本当に至れり尽くせりだよね」


 そんなこんな言いながら、2階の攻略を始める。


 カヴァリーさん、ビエーラさんはかなり体重が軽い所為か精々足首程度までしか埋らない。


 そして自分はカンジキの所為でかなり遅いが、膝まで埋っていた時と比べれば断然楽!


 今後は雪の柔らかい所ではカンジキを履こうと心に決めた。


 「はい!待つの!」


 「罠ですか?」


 「そうなの。罠が埋ってるけど、避けられないから覚悟を決めて踏み抜くの」


 の……脳筋解除か……。仕方ない自分が一番防御が硬そうだし覚悟を決めて踏もう。


 思い切って一歩踏み出せば、


 ジュゥゥゥゥ


 という音と共に一気に雪が消え、お湯に変化。


 思わずお湯の中に落っこちそうになるのを二人が引っ張って、支えてくれてセーフ。


 「お湯トラップ?」


 「そうなの、火傷する上にお湯から上がると凍傷も同時にかかるって言う厄介な罠なの」


 「なんて凶悪な……」


 「ちなみに一定重量が無いと発動しないの」


 「お手数お掛けします」


 そんなこんな話ているうちに勝手にお湯が凍ったので、上を通り抜ける。


 明らかにこんな早く凍るわけないのだが、まあそこはダンジョンという特殊空間だから仕方ない。


 そして現れる病毒持ち狐!


 結局ビエーラさんの狙撃で片っ端から消えていくので、買ってきた薬一切が無駄に。まあいいんだけど。


 「あの狐は触らなければなんて事無いの」


 「あれかな?野生の狐に触れない様にっていうゲーム側からの注意みたいな」


 「どうなんでしょうね?」


 黒毛に雪を振り撒いたような銀の毛皮を鞄に詰め込みながら進み。ちなみに毛皮に触れても病毒にならない。


 現実の野生の狐の事は分からないけど。


 そのまま罠を脳筋解除したり、狐の毛皮を回収しながらどんどん攻略が進むが、ペースが早すぎる!


 やっぱり上級のプレイヤーは格が違う!三人で何?このハイペース!


 殆ど自分の歩行速度でダンジョン攻略が進んでるんだけど!


 そんな事考えている内に、明らかにサイズ感の違う大部屋。


 当たり前のように察するが、ボス部屋だ。

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― 新着の感想 ―
[一言] さくさくさくさく ソタローは、雪中行軍の練習に来た気分になる(笑)
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