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MONOローグ~夢なき子~  作者: 雨薫 うろち
西帝国動乱編
42/363

41.対人【訓練】

 ログインをして、早速行動!今日やることは決まっている。


 【訓練】だ!


 「兵長!今日は【訓練】でお願いします!」


 「おう!やる気だな。いい傾向だ。まあ頑張って来いよ」


 と任務票を渡されつつ激励されたので、ここは一つ頑張るとしよう。


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 そして、訓練場では教官とカヴァリーさんが、話をしていた。


 「こんにちは!」


 「ソタローかよく来たな。最近ニューターはダンジョンの方に回されてるって聞いてたが、一段落したのか?」


 「ええ、2階のフィールドが雪深くて自分の装備ではどうにも苦しかったので、一旦切り上げました」


 「なるほどな。無理をせずちゃんと準備を整えるのも戦だ!【兵士】の心得が身について来た様じゃないか」


 「ええ、それでもう少し装甲を減らすに当たって戦闘技術の向上を図りたいと……」


 「課題が分かっているのなら話が早い!カヴァリー!相手になってやれ!」


 「え?どういう事?」


 「丁度【訓練】の相手を探してた所だし、やってみようか」


 そのまま人の少ない場所に連れて行かれ、カヴァリーさんと対峙する事に……。


 カヴァリーさんは胸当てと剣を持つ手から肩にかけては金属だが後は革装備のかなり軽装、ガンモに似てるが更に軽そうだ。


 まあ【騎兵】だし軽い方が有利なのかな?でも逆に【騎兵】って事は馬に乗ってこそだし、徒歩でどれだけ戦えるのだろう?


 軽い分早いだろうとだけ予測をつけ、待ち構えていると……、


 フワッと、浮くように一瞬で間合いを詰められ、剣を持っている方に回り込まれた。


 すぐさま迎撃しようと剣で突くが、あっさりサーベルの先で軌道を変えられ、そのまま胴体に一撃。


 金属の鎧の上からの攻撃に対して力を込めガードしようとしたが、衝撃が突き抜けてきて息がつまり、動きが止まってしまう。


 今度はヘルムの上からの一撃で、頭がくらっと……、そのまま鎧の継ぎ目を徹底的に斬られて負け。


 何がどうなったのか全然分からない。


 「ソタロー君?大丈夫かい?」


 「ええ……、何されたのか全然分かりませんでした」


 「僕は普段シェーベルの速度で剣を振り抜くからかなり衝撃に強いスキル構成なんだ」


 「ああ!だからあんなに衝撃が突き抜けてくるんですか」


 「まあね、狙って狙い通りのところに当てるのは流石に難しいから、装甲の上からでもダメージを与えていくのさ。でも()()でも無いんだけどね」


 「え?どういう事です?」


 「まあ細かい所は内緒だけど、スキルやアビリティにはいろんな組み合わせ方があるって事かな。皆が基本的に使う<戦形>や<剣>なんかは速度重視だよ。だってシェーベルに乗ったまま斬るんだから、そうじゃなかったら追いつかないじゃない」


 「速度重視スキルと鎧の上からでもダメージを与えられる衝撃系のスキルとを上手く合成してるわけですか」


 「まあ、そんな所。盾系はパリィのみだし、左手は普段手綱を握ってるから使わないし、隙はあると思うよ」


 「え?腿で挟んで両手空きとか出来そうですけど?」


 「馬ならね。シェーベルのジャンプ力は伊達じゃないんだよ……」


 と言う事で、もう一度対峙。


 今度は徹底的に盾でカヴァリーさんとの間に壁を作る。


 流石に盾は衝撃が抜けないのか動けなくなる事はないので、盾裏からカヴァリーさんのシルエットを見つつ受け止め迎撃の、


武技 盾衝


 軽いカヴァリーさんは思いのほか吹っ飛ぶが、元々ダメージの少ない突き放し専用の技。全然平気そう。


 「折角突き放しても追撃が無いのが残念だね」


 そう言いながらも、また間合いを一瞬で詰め、頭を狙って振り下ろしてきたのですぐさま盾を頭上に構えるが、


 どう軌道を変えたのか、いつの間にか腿を斬りつけられ、返す刃で足首も打たれる。


 踝に衝撃が突き抜けるのと同時に、体勢が崩れ股内にサーベルの切っ先が突き刺さる。本当に容赦ない。


 何とかやり返そうと強引に剣を振ってみても寧ろ手首を斬りつけられる始末で、また負けてしまった。


 「ああ……全然追いつけない」


 「ん~そうだな~スタイルが違いすぎて勝手な事言えないけど、確実な所で三つかな」


 「なんでしょう?」


 「折角防御力があるのに耐性が低くて衝撃で動きが止まりすぎる所が一つ」


 「衝撃耐性ですか……」


 「斬る場所が無いんだから、相手は打撃や衝撃で攻めてくると思うよ?次は攻撃があまり怖くない所」


 「重い武器は駄目ですかね?」


 「いや、一発が大きいっていうのは本来相手にはプレッシャーの筈なんだけど、今は対応に追われてて攻撃に怖さが無いよね」


 「あぁ、なるほどプレッシャーですか……」


 「最後にさっきもちょっと言ったけど、突き放しても追撃が無いから相手も休んじゃうよ」


 ぐぅの音も出ない完璧なアドバイス。どれも今の自分に必要な物ばかりだ。


 「確かに突き放してたら<蹴り>とかも当たらないですよね」


 「え?蹴りも使えるの?じゃあ小回り効く技持ってるじゃない。それならもっと、接近なら蹴りで牽制、剣で大ダメージ。相手が焦って何かしてこようとしたら盾で突き放すとか、そういうところから【訓練】したら?」


 なるほど、そうやって武器や戦闘手段ごとに役割を変えればいいのか。


 カヴァリーさんの話を聞きつつの対人【訓練】は負けっ放したが、やらなきゃいけないことは見えた。

 

 「ところで、なんか装備を変えるって聞こえたけど?」

 

 「ああ……今の装備だと雪に沈んじゃうので、少し軽くして雪の中でも動きやすくしようかと思って」


 「へ~僕は元々軽装だから分からないけど、どんな装備なんだろうね」


 「足回りに雪でも沈まない魔物の毛皮を使いたいなと」


 「……、いい魔物知ってるよ?」

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― 新着の感想 ―
[一言] ソタくん中々周りに可愛がられてるな。隊長なんて雑に放り投げられては謎進化を遂げ、周りに困惑されてたからな。
[一言] いい装備、知ってるよ? そうして、ソタローの装備に一般プレイヤー的には謎な装備が増えていくのであった(笑)
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