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MONOローグ~夢なき子~  作者: 雨薫 うろち
西帝国動乱編
3/363

3.【訓練】

 先日のガンモに誘ってもらった狩りではっきりしたが、


 現状の自分では最弱魔物を狩る事さえ一苦労なので<盾>のスキルを取得することにした。


 スキル取得は【兵士】の拠点である【兵舎】で行う。ちなみに自分が【兵士】ジョブを選んだのは、例の隊長が【兵士】だから!それだけ!


 【兵舎】受付にいつも立つNPCである兵長に、


 「<盾>スキルを取得したいのですけど?」


 「ふん、そうだな筋力、装備許容量共に問題ないだろう。このまま片手剣・盾スタイルで行くのか?」


 「まだはっきりとは決めてませんが、当面はそうするつもりです」


 「それなら、剣も長剣に持ち替えていいかもしれないな」


 「えっと、どういうことでしょうか?」


 「身体能力が育ってきた分、装備できる許容量が増えてるから、少し重量のある装備を試してみてもいいだろう。もし軽い武器の方が合っているなら持ち替えてもいい」


 なるほど、ステータス上昇に伴って選択肢が増えたって事なのだろう。最弱魔物しか倒してない割にはちゃんと成長してるんだな。


 さて、どうするかな?何しろまだ良く分かってない事の方が多い。ガンモには武器変更も勧められてるし、その辺りも聞いたら教えてもらえるんだろうか?


 「色々試したい気持ちはあるんですけど、槍とか鈍器とかって使い勝手はどうなんでしょうか?」


 「鈍器は防御の上からダメージを与える打撃が特徴だ。当てれば破壊力が乗るから使いやすいと言える。槍は間合いが広い分距離を取れると言うのが強みだ。刺突及び斬撃は部位を狙う分多少当てづらくなる」


 「剣と比べると、どうでしょうか?」


 「剣は携帯性がいい」


 剣の利便性って持ち歩きしやすいだけなの?やっぱり武器変えようかな……。


 「なんで剣を持ってるヒトが多いんですか?」


 「携帯性がいいって事は他の作業がやりやすいし、いざという時身を守る武器としては一般的だろう」


 なるほど【兵士】になって受けるクエストの大半が作業【料理番】【整備】【巡回】【座学】、戦闘的なものと言えば【訓練】くらいだし、腰から剣を下げていればいざって時に対応しやすいのか。


 「当面は剣盾にします。ただまだ何が自分にあってるか分からないので、勧められたものを使ってみます」


 「そうか、違和感があったり疑問があったらいつでも聞くといい。【訓練】で教官に聞いてもかまわないぞ」


 そう言いながら両手で抱えるほどの本を取り出す兵長。この本には何故か現在自分が取得できるスキルについて書いてあるので、この中から選ぶ事になる。


 そして目的であった<盾>を取得。


 さてスキル取得で一つ問題がある。アビリティだ。スキルを取得するとアビリティをセットできるのだが、要はどういう方向に特化するかって話だ。


 「<盾>のアビリティについて聞いてもいいですか?」


 「ふむ、基本は盾で攻撃を受けてガードしてダメージを軽減するのが目的だが、ガード状態には三種ある。()()()()()()()()()()()。ブロックは受け止めてダメージ量軽減、パリィは受け流してダメージ無効化、バッシュは攻撃に対して盾をぶつけていくアグレッシブな防御方法だと思えばいい」


 「ん~決められないですね」


 「少し使い込んでから、合うものを探してもいいぞ」


 「分かりました。アビリティは後日にします」


 「ああ、だがアビリティがあるのと無いのでは性能が変わってくるからよく考えろよ。それで今日の任務だが【訓練】にしておくか?盾や長剣にも慣れたいだろう」


 「じゃあ、それでお願いします」


 そして、任務票を貰い訓練場に向かう。そこは文字通り訓練をする為のただの広場で、


 自分と同じような格好の【兵士】達と教官と呼ばれるやっぱりごついおっさんがいる。


 このゲームは不思議とごついおっさんばかりだ。別に不満は無いけど。


 「教官!【訓練】お願いします」


 そう言って、任務票を渡せば【訓練】開始。


 「おう<盾>を取得したんだな。それに長剣を試したいとか。じゃあこの【訓練】用武器で素振りから始めろ」


 と言う事で、いつも訓練場で聞こえる掛け声、


 「構え!振れ!構え!振れ!」


 に合わせて、剣を振る練習。しかし長剣は重い。今迄使っていた剣とは大違いだな。


 「構えで剣を振り上げる時にちゃんと盾は体の前に出せ」


 教官に注意されたので、剣を振るとき以外は盾を体の前で構える。どうすればいいのか見本は周りの素振りNPC達の動きから適当に真似してるだけ。


 しかし、それにしても長剣が重くて中々思うように振れないなと、周りをよく観察すれば自分と同じように剣に振り回されているNPCがいる。


 そのNPCは振り上げる時はゆっくり力を使って頭上に持ち上げ、振る時は投げ出すように剣を落っことすかのよう。


 何となく真似している内に、剣が風を斬る音がした。


 そこで、はたと気がついたのは、今までは最初に支給される軽くて短い剣を力づくで振って殴っていたが、


 それは少しでも威力を出そうと力んだ結果。逆に振るスピードが遅かったんじゃないかって事。


 縦振りに慣れてきたところで、横振り。


 うん、やっぱり力を入れない方が剣の先端に遠心力がかかって、勝手に素早い切り払いになる気がする。


 突きはちょっと難しかったが、なんかやっている内に慣れてきた。剣を真っ直ぐ投げつけるイメージ。


 肘に負担がかかるが、ゲームだし怪我するわけじゃないので思い切りやるが、だんだんしっくりしてきた。


 「少し、慣れてきたようだな。じゃあ打ち合いの方もやっていけ!」


 え?十分素振りしたし別の任務も受けようと思ったのに、別の【訓練】に投げ込まれたんだけど?


 訓練場にはいくつかの塊があって、次にやらされたのは盾で受けて、剣で相手の盾を叩く【訓練】だ。


 要は素振りじゃなくて、対象を殴る【訓練】にレベルアップしたって事かな?

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― 新着の感想 ―
[一言] (//∇//)ノ╋━”ぶんぶん←こんな感じ(笑) 素振りは大事だし、改善する努力は大事(//∇//)
[一言] ソタちゃん流されてく感じならそれっぽいわ〜。 肝心な時に自分で決断出来んと、代償は高くつくぞ。
[一言] いきなり流されてて草 隊長と同じやんw
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