24.【座学】からのガンモ再会
アンデルセンさんに【下士官】になったなら、すぐに【座学】やれよ!と怒られてしまったので、
ログインしてすぐに【座学】に向かう。
講師はミランダ様って言う、よぼよぼの小さいお婆ちゃんだが、元最強の軍師にして集団を率いる術の達人だとか。
しかしずっと、もにょもにょ言っている。
一応話の内容はなぜか分かるのだが、もにょもにょ言ってるだけなんだよな~。特殊な種族とか?
術の説明をしてくれるんだから、何か術が得意な種族とかそういうのだろうか?
自分のゲームイメージだと術といえばエルフとか?でもエルフって不老長寿のイメージだし。お婆ちゃんみたいな種族ってなんだ?
その時ミランダ様の隣に立っていた教官が、こちらに質問を投げかけてくる。
「おい!ちゃんと話を聞いているか?<戦陣術>とはなんだ!」
「士気を消費して、戦術及び陣術を使用します。戦闘中に高まる士気をコントロールする事もできます」
「では、これからお前がすぐに取得するべきスキルは何だ!」
「<戦陣術><戦法><精神強化>の三つです」
「もにょもにょ(よく聞いてたね。今日は入れ歯を忘れたからここまでにするよ)」
入れ歯忘れてもにょもにょ言ってたのか~。異種族の特殊言語とかじゃなかったのか。
【座学】が終わって早々にまずはスキル取得。
<戦法>
武力・・・先頭に立って戦うほど味方の士気が上がる。
これはどうやら隊の士気に関わるみたいなので、タンクの自分は先頭に立つしかないよねって事で取得。
<精神強化>
感応力・・・術威力補正
術の威力に関しては正直な所全く自信がない。
たださっきの【座学】で<剣術>も術だと言っていた気がする。つまり物理攻撃だけ上げてても駄目って事だろう。
他にどういう方法で術の威力を上げるのかは今の所分からないが、最低限いくらかでも上げていこうと思う。
最後に<戦陣術>なんだけど、アビリティセットの代わりに、術をセットできるみたい。
ちなみに術セットは【教会】で自由に変更できる様だ。最初のセット枠は三つから始まるみたいだけど、少なすぎるし徐々に増えるのかな?
・激励
・戦線維持
・壁陣
・岩陣
・方陣
と陣形ばっかりだけど、こんなものかな?激励は士気をちょっと消費して大きく高める基本術みたいだから、必須かな?
前に、先輩が『気合入れろ!』って言ってたのはコレかな?
うん、まあ今の所何が出来るわけでもないし、こんなものか。
後はこの前<指揮>を手に入れたことで、小隊陣形を組めるようになったので、セット。
○
○ ○ ○
○
クロス陣形って言うらしい。自分が先頭に立てば攻撃が自分に集中するので仲間を守るのに都合がいい。
ふむ、次は何の任務をしようか?魔物狩りもいいが<解体>が無いともったいない気がするし、それなら北砦の【巡回】の方がいい。
考え事をしながら歩いていたら、
「おう!ソタロー!久しぶりだな!」
「あっガンモ!最近顔見なかったけど……ああ!その胸当て!」
「おう!今回は更に遠出して【鉱国】まで行ってきてな。手に入れたぜ~ミスリルの胸当て!」
「そっかー、このゲームにもミスリルってあるんだな」
「まあ【鉱国】は鍛冶のメッカだし、色々面白い物があるぜ。後よ最近知り合いが増えてな。紹介するわ」
「うぃーっす俺がニャーコン」
「んで、俺がシラッキー。よろしくな」
一人は明らかに術士風のローブを羽織り、もう一人は弓使いだが【帝国】風のクロスボウではなく。普通の弓矢。
「まあ、装備を新調して仲間も増えて、これで攻略が捗るってもんだろう。もしソタローが時間空いてるなら一緒に狩でも行こうぜ」
「でも、足手まといになるし」
「大丈夫だって!俺達と一緒に狩りしてればすぐ強くなるって」
「そうそう!ガンモの友達だろ?一緒に狩りに行こうぜ」
「じゃあ……、すぐに装備用意してくる」
なんかガンモの仲間だけあって二人とも気がいいみたいだし、あまり待たせちゃ悪い。
大急ぎでクラーヴンさんに作ってもらった装備セットに着替え待ち合わせ場所に戻る。
「ごめん待たせた!」
「おっおう……ソタローか?」
「そうだけど?」
「随分物々しい装備になったじゃねぇか」
「ガンモがタンクが合ってるって言ったから、やってみた。何だかんだ合う気はしてる」
「そうか~。じゃあ行くか!」
「隊列はどうする?」
「隊列?」
「うん【下士官】になったから隊列って言うのが使えるようになったんだけど」
「へ~!いつの間に昇進したんだ?地道にクエストやってた甲斐があったじゃんよー!そっかじゃあソタローの昇進祝いも兼ねて大物倒すか」
「大物?」
「おう!大河沿いに蟹がいるだろ、犬くらいのサイズの奴。アレをたくさん倒すと、でっかい蟹が出るんだよ。あれ倒そうぜ!」
でっかい蟹?
「っしゃぁ!蟹だ蟹だ!」
「蟹鍋~焼き蟹~蟹味噌~」
なんか愉快なガンモの仲間と一緒に大河に向かう。