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MONOローグ~夢なき子~  作者: 雨薫 うろち
西帝国動乱編
246/363

245.感想ともう一人の師匠

 闘技の後はお腹が減るので、鼠のヒトの店に直行し、使い果たした筋グリコーゲン補給の為に懐かしい味のするナポリタンを注文した。


 更に筋肉の材料になる蛋白質もと、ハンバーグもセットにしてもらえば完璧だ!何しろこのゲームではカロリーをどれだけ摂取しても太らない!多分。


 脂質高すぎじゃない?生活習慣病とか大丈夫?とか全く関係ない。寧ろ元々医療用のゲームだしそういう人のストレス解消とかも考えて作られてるんじゃないかな?


 そして、カウンター席の自分の隣では赤い髪のお姉さんが、昼間なのにお酒とステーキとガーリックライスとコンソメ風スープを注文している。


 再び相見える事はあるのだろうか?はどこへ行ってしまったのだろうか?


 まあ、勿論あれは闘技上のストーリーでしかないので、別に二度と会わないとかそんな気サラサラ最初から無い。


 「しかしソタローも見違えたね~。元々高ステータスで押していくスタイルなのは知ってたけど、いい感じにまとまってるじゃないか」


 「褒めてもらえるのはありがたいんですけど、結局負けちゃいましたからね。まだまだ足りない事があるんだと思います」


 「何言ってんだい!私はあそこが専門だよ?アンタは集団戦も出来るんだし、仲間がいればいるほど強化されるんだから、現時点でも最強の一角でいいんじゃないかい?まあ小さくまとまるよりは向上心がある方がずっといいけどさ」


 そんな事を言っている内に、注文の品が来たので食べながら話す。


 「最強の一角は流石に荷が重いと言うかなんと言うか、部位破壊もよく分ってなかったし、自分の手札すらもまだ不明な所がある次第なので、もうちょっと勉強が必要だなと感じましたね」


 「あ~まあね~そう言う所は気がついたときにコツコツアップデートするしかないさね。完璧を目指すのはいいけど、常に完璧な状態を保つってのは難しいからね。部位破壊なんかは意外と対策出来てるほうだし」


 「え?あんなあっさりボディで落ちてたのにですか?」


 「何言ってるんだい。私がどれだけメンタル削りながらアンタのボディも削ったか……。普通は末端程部位破壊が起き易いんだよ。指先とか爪先とか部位毎にダメージ許容量があって、末端程弱いって設定なのさ。普通は手や指先を狙われやすいんだけど、アンタは盾とハンドガード付きの剣だからかなり狙いづらい方だよ」


 「確かに、末端の露出って言うのは少ないかもしれないですけど」


 「更にアンタの場合どこもかしこもダメージが通りにくい、だから一番油断に繋がりやすいボディを叩いたってのに、中々崩れないし、私も結構ギリギリだったよ」


 「そうだったんですか。装備に関してはクラーヴンさんのお陰ですし、スタイルに関しては師匠とか上司の勧めのお陰なので、あとは今回みたいにボディががら空きにならないように【訓練】ですね」


 「まあね。ただ世の中にはアンタの隙がない装備ですら抜いてくる、異様な正確性を持った相手もいるから気をつける事は大事だけどね。本当に剣を握ってハンドガードから関節一つ分出てるだけの部位を斬ってくる変人がね」


 「そんな化け物が……。努々気をつけます」


 「そうだね。それでアンタの足りない所ってどういう所が気になったんだい?もし必要なら誰か紹介するけど?」


 「えっと、自分の術の使い方は師匠に聞くとして、欲しい手札が二つあります。一つは術を使う時間を稼ぐ方法」


 「あ~そりゃ、私もそれを一番に警戒したからね。ただでさえ硬いのに生命力精神力を底上げされたり、ただでさえ通常攻撃が重いのに重量と筋力上げてきたり、最悪なのは回復だね!アレは予想外すぎたよ」


 「アレは薬の割りに<治療術>を持ってないと使えない術の触媒扱いなので、持ち込めたんですよ。もう少し使い込んで、二種類以上の薬草を混ぜられると更に使い勝手がよくなる予定なんですよね」


 「へ~生産寄りの術って事かい。元々汎用スキルの【兵士】職って言われてたけど、そんな発展先があるとはね……。それでもう一つってのはなんだい?」


 「もう一つは、相手を足止めする方法ですね。足が遅いのは致し方ないとして、追えないまま中距離でやられるのが、結構くるんですよね」


 「なる程!確かに追えないなら相手を捕縛したり、動きを封じたりする手札があった方が便利だね。私は軽量だから追い足で苦労した事ないし、その辺の技術はちょっと知識がないね。左手は盾じゃなくて鎖かなんか持ってた方が良かったんじゃないかい?」


 「あ~確かにその選択肢もありましたね!【帝国】では見た事ないですけど、有りそうと言えば、ありそう?」


 「いやいや、そんなけったいな物使わんでも盾で時間稼ぎも足止めも出来るぞい」


 急に、しわがれた男のヒトの声が聞こえたと思ったら、ご無沙汰してた盾の師匠だ。


 「あれ?アンタ有名な元【闘士】じゃなかったかい?」


 「そんなことない、そんなことない。名なぞ残っておらんよ。ずっと決闘王に負け続けた脇役じゃ。今はただの世話焼き爺さ!しかしこんな大物、拳闘士のランカーとやるなら先に儂の所に来れば使える術の一つ二つくらい授けたのにの」


 え?先に相談するべきは盾の師匠だったか?

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[一言] ソタロー、盾役に転向の危機?←危機なのか?
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