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MONOローグ~夢なき子~  作者: 雨薫 うろち
西帝国動乱編
212/363

211.報告と報酬

 マダム・アリンの屋敷から逃げ出す事はできたが、これ以上搦め手で邪魔されるのも嫌なので、お互いホームに戻る事にした。


 ガイヤさんはスポンサーのレディと言う方が権力者のようだし、ブラックフェニックスも依頼主がいるらしいので、そちらに戻るとの事だ。


 ブラックフェニックスに関してはマダム・アリンと因縁があるらしいし、何かあれば手伝うとは言っておいたが、話があるかどうか反応は微妙な感じだった。


 そして自分は【古都】に帰還、吹雪の侵略者を連れて【兵舎】に行けば、国務尚書が待ち構えていたかのように入り口にいて、そのまま会議室に連れて行かれて報告会となる。


 「一応見ての通り中隊級ボス魔石は売らずに、確保したまま帰ってきたので、任務完了という事でいいでしょうか?」


 「うむ、その点についてソタローは完全に任務をこなしているし、報酬は約束しよう。それで今回の任務気になる点などあったら忌憚なく述べてくれ。書面にしてもいいが、ちょっとした違和感や思い付きなんかは落ちてしまう事もあるからな」


 「そうですね。まず魔石の取引はブラックフェニックスと呼ばれる人を誘い出す罠だったようですね。魔石自体は欲していたようですので、夜会という場を使って総取りにするつもりだったんじゃないでしょうか?」


 「ふむ、それから?」


 「マダム・アリンが邪神教団と繋がりがあるのは意外と有名な話でした。更に確認は取れていないですが、四天王フロリベスと呼ばれていました。夜会の参加者にはガイヤが知るヒトもいたようですが皆マダム・アリンの一味だった事から、邪神教団というのは結構広まっているのかもしれません」


 「なるほどな……我が国にも浸透していないとは言い切れぬし、その点は十分注意せねばなるまいか」


 「あとはマダム・アリンの手の者がちょっと異常だったくらいですかね?」


 「どう異常だったのだ?」


 「再生するんですよね。意思はありそうだったし、明らかにヒト型なんですけど部位破壊が起こると再生して普通に動き出すって言う感じです。更に仲間を一飲みにしてパワーアップしたり……」


 「まるで魔物のようだな。いやいっそ魔物を使役しているならスキルの恩恵だが、そんな特殊体質の戦力を確保しているのか」


 「ええ、戦い方は平凡で自分と相打ち程度の筋力がありながら、結構身軽でしたが、ちゃんと術を使って対応すればなんとでもなりますし、核があったので狙う場所さえ間違わなければ無力化できます」


 「ソタローと打ち合えるレベルの筋力があるとなると、相当な難敵か……これは対応を誤ると危険だな。分った対応策についてはこちらで検討するとしよう。他には何かあるか?」


 「一応マダム・アリンについてはそれくらいですかね。もう少し情報を集められれば良かったんですが、敵の数が数でしたから脱出優先で動きました。あと自分が【帝国】の手の者だという事は相手に伝えてしまいました」


 「それは構わない。【王国】のレディとのつながりが見えたところで、誰でも知ってる話だ。また思い出した事があったら、何でも報告を上げてくれ。それで今回の報酬はどうする?」


 「吹雪の侵略者の北の海探検が進められるように協力してもらいたいんですけど」


 「ふむ、エイリークの事業か。それについては私も陛下に何度か進言しているが、具体的な利益に繋がるものではない為、現状凍結されているな。しかし報酬を他者の為に使ってしまってもいいのか?」


 「はい、現状装備も新調したばかりですし、それでもまだ素材が供給されていると聞いてますので、これ以上必要な物がないというのが、正直な所です」


 「ならば、また陛下に進言してみるとしよう。仮に上手くいかなければ、資金面で私自身のコネクションから融通できるように取り計らう」


 「ありがとうございます!ソタローも本当に良かったのか?」


 「ええ、自分は何の問題もないです。取引を潰して逃げただけですから、別にこれと言って何か困った事があったわけでもないですし、何なら協力してもらったガイヤとブラックフェニックスにお願いします」


 「そのブラックフェニックスと言うのが問題だな。噂はこちらでも聞いているが、正体が判然としない。よっぽど情報を扱うのが得意な組織なり機関なりが関わってる案件だ」


 「そうなんですか……割と堂々と現れていたので、てっきり有名なヒーローなのかと思いました」


 「邪神教団と敵対する組織の戦闘員と言った所なのだろうが、来歴も正体も一切不明だ。特異な武器を使うとは言われているが、それすらもこちらへの目隠しかも知れん」


 ブラックフェニックスについてはもう少し本人に話を聞いておけばよかったか。


 まあ今更そんな事言った所で、始まらないので心の隅に置いておくに留めよう。


 「じゃあ、特別任務は終了という事で、次は中隊級ボスですね」


 「ああ、次は少々特殊な環境での戦闘になるので準備は進めている。エイリークも協力するように」


 「了解!」


 特殊な環境での集団戦ってなんだ?聞いてないぞ?

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― 新着の感想 ―
[一言] 雪と氷の帝国で特殊な所と言われたら、半氷の沼とか…………… 実は、火山があって、温泉地とか 温泉地だけど、硫黄と硫化水素で、立ち入れないとか……………?
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