197.治療術取得と
久しぶりに武技を確認したら 鉄擁 が 鋼締 に変わっていた。
そう言えば動きを封じるつもりが、ダメージを与えられるようになってたんだよな~と思い出し、定期的な武技の見直しを再び心に誓う。また忘れそうだけど。
そして、カピヨンさんから教えて貰ったスキルを合成するのが今日やるべき事。
というのも、賞品カタログに10個のスキルを合成可能迄熟練度を溜めた状態にするって言う、色々台無しな賞品が存在したのでそれにした。
元々持っていたスキルで熟練度が溜まっていないモノは、<軍法>と<秘策>の二つ。まずはこれを合成可能熟練度にして、<軍卒士>と合成。
<軍略士>=<行軍>+<戦陣術>+<軍法>+<秘策>
軍配 4種混合
軍用(速) <戦陣術>強化 全軍移動力攻撃速度上昇
神算 <秘策>強化 中隊以上を率いている場合に士気上昇
と、まあまずは指揮系スキルを上げる事で、あと三つの集団戦を少しでも有利に展開しよう。
お次は<採集>と<調合>を取得して即合成という荒業、今まで地道に熟練度上げのために作業してきた事を忘れてこの手軽さに溺れてしまいそうだ。
<野天者>=<手入れ><簡易調理><採集><調合>
屋外生活・・・屋外生産全般成功率上昇
野食・・・屋外調理バフ効果上昇
生薬調合・・・治療用医薬品作成可能
ちなみに<採集>には小ぶりの戦闘には使えそうもないナイフと、<調合>には専用のセットが必要なので、軍の支給品を借りて今後練習していこうと思う。
そして肝心の医術系スキル!これを取得しなかったらカピヨンさんの筋肉で、すり潰されひき肉にされただの蛋白質に変えられてしまう。まあそんな酷いことするヒトではないけども、怒らせていい相手ではない決してだ!
<処置>が<手当て>の上位版、<医療知識>が医術の肝になるらしい。これらをやっぱり熟練度溜まった状態に変えて、
<治療師>=<処置>+<医療知識>+<回復>+<感覚強化>
治療・・・治療用道具使用可能、治療効果上昇
手際・・・治療速度上昇
診断・・・状態把握
あと4つ熟練度を溜める事が出来るが、一旦保留、いざという時にとって置けるのが非常にありがたい。使用の際は【教会】に来るだけなので、いつもスキルの付け替えでお世話になってるし、お手軽なのも助かる。
スキルがまとまった所で、カピヨンさんの所へ向かい、これからどうするのか聞いてみる。
「ソタロー!それでは早速医術を取得する為の治療修行……!既にスキルが合成されている?まさかソタローこそが伝説の医の霊獣に愛されし……」
「いや、違います!神の思し召し?です!」
「なぁあああ!!神の!……なんて事だ!」
「いやーーー!!!そういうのじゃないです!この前の大会の賞品の中にそういうのがありまして!」
「ああ、そういう事でしたか!確かに神の催しの優勝者であれば、それくらいの賞品を受け取る事もあるでしょう」
「そういう事なんですけど、ここからどうしたらいいのかと思いまして」
「既に<治療師>を合成したのであれば、あとは簡単です。この薬を飲みなさい!」
「いいですけど、一体どんな効果が?」
「特にありません。普通に健康にいい薬ですけど、それを飲んだ方が雰囲気が出るじゃないですか」
「えっと?」
「既にあなたの<処置>は<治療術>へと変更されましたので、スキルは<医術士>へと変更されています。では次に具体的な医薬品の使い方ですね」
「いや、早いです!とりあえずこの薬は飲んだらいいんですか?飲まない方がいいんですか?あと本当にそういうの唐突過ぎるんですよ!」
「その薬は胃腸の調子を整えるものなので、飲んでおいた方がいいですよ。あと唐突なのは仕方ないんです。昇進するのもスキルが術に変わるのも一瞬の事なので、遅れずについて来て下さい」
「ぐぬぅ」
とり合えず、薬を飲み込みながらカピヨンさんの説明を聞く事にする。
「まず 救急 という術ですが、通常の【衛生兵】は動けなくなった者を安全地帯に逃がすのに一旦戦線を離れる所、その術はその場で状態を固定できる為、安全地帯に逃がした状態と同じように作用します」
「つまり倒れた仲間【兵士】に使えば、次の戦いに早い段階で復帰してもらえると?」
「そういう事です。これは何を使っても同じ効果になりますので、軍の支給品を使用してください。熟練度が溜まれば、自ずと同時にかけられる対象の数や範囲が広がります」
救急 はNPCを率いた集団戦をやる自分には必須かもしれない。まさかこんな術があったなんて想像もしなかったな。
「これは助かりますね。今も丁度人手がなくて次の中隊級ボスを倒せないでいるので」
「そうですね。そちらの方も様子を見てきましたが、間もなく次の戦いに向かえると思いますよ。さて他に関しては各種状態異常に対応した医薬品及び生命力用と精神力用となってますね。これらも熟練度次第で同時効果人数や使用範囲が広がります」
「精神力回復も出来るとは……しかも複数同時回復……凄い!」
「状態異常にかんしては自分で<調合>になれれば同時に複数の状態異常に対応できるものも作成できる様になりますし、回復量を高めたかったらやはり<調合>してみる事ですね。既に合成できる所まで熟練度が溜まっていれば現時点でも相応の物が作れますので、色々試してみてください」
「ありがとうございます!これは凄い!ところで、筋肉の使い方は?」
「ふふふ、そうですね。筋肉をつけたことで器としては十分丈夫になりましたし<治療術>を手に入れた事で回復も万全です。あとはその内に何を注ぎ込むか!それはお楽しみです」
何か不穏な笑みを浮かべるカピヨンさん、これ以上の追求は止めておこう。一旦スキルの整理だ。
<焚鬼><塞剣士>
<圧迫><軍略士><武術士>
<探険者><体操士>
控え
<医術士><野天者>
一応今の自分のスキル構成はこんな感じ、ほぼ合成完了してかなり見やすくなったし、現時点では完成形なのかな?
<軍略士>とか100人用の<行軍>上位とか言われないのは、多分それ以下は中隊長や部隊長クラスが動かすようにって事なんだろう。