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MONOローグ~夢なき子~  作者: 雨薫 うろち
西帝国動乱編
132/363

131.【闘技場】イベント

 隊長の事で何となく落ち着かない空気の【帝国】から離れ【闘都】で過ごす日が多くなった。


 勿論相変わらずルークのお兄さん師匠達の教えを受けに定期的に戻っているし、盾の扱いを教えて貰っている事も好意的に受け止められたので安心だ。


 何しろ二人共<総金属>の鎧に身を包んでるんだから、盾必要なの?ってタイプの人達だからな。


 でも今の自分には大事な攻撃手段!上級【闘士】からのお誘いはかからないものの、中堅どころとはしょっちゅうやり合っている。


 その中で盾で殴る事の有効性を確認中だが現在経過良好。寧ろ盾がメインなんじゃないかってくらい、盾で殴りまくって、またファンが増えたらしい。


 ファンがつく基準がよく分らないけど、盾で殴っても喜ばれるし、剣と盾を捨てても喜ばれる。


 何故か剣で殴っても喜ばれない!


 ちなみに頭突きが武技になり、 鐘突 と言う事で、ホントにただの頭突き。頭突きすれば筋力と頭部防具の性能で威力が変わる……集団戦でクワガタ冑で頭突きしたら……。


 そして二つ目の盾術 獅子反射 盾に精神力を込めた状態で、術を盾で受け止めると術の威力を相殺しつつ反撃術が飛ぶ。


 ダメージ量としては大した事無いが、強いノックバックがあり更に術に対応できるのは助かる。今まで全く考えてなかったけど、術士と戦う事もあるかもしれないのだから、早めに教えてもらえて本当にありがたい。


 そんなある日の事、鼠のヒトからお誘いを受けることに……。


 「なんだかんだ『鉄壁の不屈』の名も結構有名になった事で【闘技場】イベントに誘われてるっすけど、興味あるっすか?」


 【闘技場】イベントっていうのは文字通り【闘技場】が主催するイベントって事だろうが、運営イベントとはまた違うのかな?


 「ちなみにどんな物なんですか?なにぶん初めてなので勝手が分らないんですけど」


 「それはそうっすよね!今回のは重装備でガチャガチャぶつかり合うタイプのイベントです。題して『今世界で一番重い場所!』となってるっすけど、条件は一定の人気と重装備だけっす。ただ【闘士】は比較的重装備のヒトがいないので、小規模なイベントっす」


 「ああそう言えば、なんで【闘士】って皆軽装備なのかなって思ってました」


 「それは肌出してた方が人気出るからっす。幾ら殴っても倒れないと言っても、装備でダメージ食らわないんじゃ。ちょっと冷めるっす」


 「自分冷められてたんですね……」


 「いやいや、それは大丈夫っす!体ごとぶつかって、殴られる前に殴って、殴られながら殴って、武器も盾も手放して捕まえて蹴り倒すスタイルは、何か熱いっす。王道じゃない所がいいっす」


 ああ、だから普通に剣で殴っても盛り上がらないのか……。


 「分りました。モノは試ですし、出場してみようと思います」


 「そうっすか!じゃあ登録しておくので、指定の日に来るっす。南東にある屋外【闘技場】っすから場所を間違えないようにするっす」


 ふむ、どんなイベントなのか後は当日まで分らないか。


 そうなると今自分にできる準備は、重装備に詳しいヒトに相談に行くことだな。


 すぐに、【闘都】からポータルを使用して【古都】の【訓練場】へ。


 どうやって自分の気配を察するのか分からないが、いつの間にか師匠が後から現れる。


 「やぁ!ソタロー今日は【闘技場】じゃなかったのかい?」


 「ホアンさん!ちょうど良かった!さっきまで行ってたのですけど【闘技場】イベントに出る事になりまして」


 「なるほど!もうそんな所まで到達するとは流石我々の弟子!それでどんなイベントだい?」


 「なんでも『今世界で一番重い場所!』って言うイベントらしいんですが、相手は皆重装備らしくて」


 「ふむ、それは僕の沽券に関わる話だね……。ここで君が簡単に負けたりしたら【帝国】は雪が降ってるから、重装備じゃ埋って使い物にならないとかそんな噂を立てられるかもしれない!ふむ……ここは何とか重装備相手に対する有効打を考えねば!」


 「いや、そんな事言われるとは思わないですけど、重装備相手に有効打なんてあるんですか?そもそも」


 「重装備の基本的な弱点は、足が遅いことと体勢を崩されやすい事だろう。崩れた体勢で戦いづらいという言い方も出来るかもしれない」


 「まあ確かに軽装の人は変な姿勢でも剣振ってきますもんね」


 「うむ、あと鈍器に弱い。泳げないなどの弱点もあるな」


 「使い物になってないみたいですけど?」


 「そんな事無いさ~~~~!物理防御は圧倒的だ。ちょっとやそっとの軽い武器じゃダメージにもならん!ソタローの重剣なら攻撃が通る!問題なかったな!心配せずに圧勝して来ればいい!折角だし一個術を教えておこう」


鋼鎧術 天衣迅鎧


 両拳を胸の前で打ち合いながら精神力を全身に流すと、不思議と力が湧きあがる。


 「これどうなってるんですか?」


 「うむ、流す精神力量に応じて重量が数倍になる。だがそれを打ち消して通常通り動けるほど筋力が高まる術だ。更にはただ鎧がぶつかるだけで相手にダメージが入るが、使いどころを選ぶから後回しにしていたんだけど、今のソタローなら使いこなせるだろう。くれぐれも雪上では使わないように」


 な!これ使ってあの上級【闘士】と戦いたかった!

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[一言] 雪の中で使うと、隠れんぼするときに便利……………ww 砂漠で使うと、アリジゴク気分に←マテ
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