123.イベントと新装備と珍装備
-運営からのおしらせ-
ゲーム定期イベントのシーズンとなりました。
本来であれば前回イベントMVPのバルト・ロメオ様の所属国【海国】での開催予定でしたが、
禁則事項に当るリアルマネートレード(以降RMT)が発覚した為、対策の間イベントは中止とさせていただきます。
楽しみにされていたユーザー様には大変申し訳ないのですが、今回のRMTの原因がイベント内で生じる賭け金を理由としたトラブルの為このような処置とさせていただきました。
代替イベントとして、一定期間通常フィールドにイベント用魔物を発生させ、金銭をドロップする形にします。
これまでのイベントで多くの財をつぎ込んでしまった方々はどうぞ積極的にご参加ください。
また生産職の皆様につきましては、イベント魔物特攻装備及び道具の設計図を各ジョブの拠点にて無料配布します。
何段階か難度の設定もございますので今のスキル熟練度にあった武器を量産してどうぞ今後の資金に当てていただければと思います。
本ゲームお楽しみの皆様に付きましては今後とも規則に則りお楽しみください。
「なるほどね~」
って言うのが第一声。いずれそういう人も出るんだろうなと思ったけど、本人の事はプライバシーだから晒さないにしても、こういうのって放置されるのかと思いきや、ちゃんとプレイヤーに報告があるんだな。
やっぱり元々が医療用で、何かと実験と認可の繰り返しみたいだし、監視が厳しいのかな?
その割りに好き放題な人も多いけど、ルールは破ってないから別にいのか……。
折角だしそのイベント魔物って言うの倒してみたいけど、特攻武器か~。通常武器と二本持ちになると重量がな~。重剣二本は絶対重い。
でも運営イベントだから、武器にバフをかける何かとか、そんな感じかな?
こういう時はクラーヴンさんに相談だ!
すぐさまゴドレンの店へ向かう。
いつも通り店番をしてるクラーヴンさんは、既に結構な量の特攻武器を量産したらしく、商人の子に渡している所だった。
用が終わるまで少し待ち、早速イベントの事を聞いてみる。
「イベントの特攻武器の件で来たんですけど」
「だろうな、ずっと問い合わせが多くて、商人の嬢ちゃんに代理を頼んだ所さ。取り敢えず大量生産は可能だから、なくなる事はない。ただ色んな生産者がそれぞれに金儲けできる態勢になってるから、どんな道具使うかは、ちゃんと吟味した方がいいぞ」
「あ~なるほど!単純に武器だけじゃなくて弱体化させるアイテムとかそういうのもあるんですね?」
「そうだな。単純に武器持ち歩いてどんどん殴った方が楽ならそうすりゃいいし、弱体化アイテムを使って、いつもの武器で戦う事も可能だし、おおよそ流通の目安になる金額も明示されてるしな」
「ちなみに特攻武器ってどんな感じですか?自分も流石に重剣二本持ちは重量オーバーかなって……」
「ああ、安心しろスキルと関係ない武器だからよ」
そう言ってクラーヴンさんが取り出したのは、金属バット。普通に野球で使うやつ。
「これは鈍器とかのスキルが必要になりそうですね」
「関係ないらしい。関係あるのはステータスのみって事だ。術系の連中は箒だし、射撃の連中はパチンコだ。ちなみに剣がよければ木刀になるぞ。素手の場合はファンシーなサクサク手袋か軍手を選べたきがしたぞ。魔物使役してる奴は法螺貝で魔物を特化バフだったかな?投げる物だとスーパーボールに……あと傘もあったな……」
「なんかイベントって感じですね……」
「まあな。あまり良くない事があったから少しでも明るく、童心に帰ろうって事じゃないか?」
「ああ、変に賭けで血眼になるんじゃなくて、純粋な気持ちで魔物ぶん殴るって事ですか?」
なんとも、ここの運営の考える事はよく分らない。
「まあ、こういうの振り回すのが恥ずかしければ、弱化アイテムとかバフアイテムもあるからそっち使えばいい」
「いや、折角だし自分も一本持とうと思います。片手武器で盾と取り回しのいいやつ」
「そういや、盾と武器セットのやつがあったな……鍋の蓋とオタマセットだ」
「他に何か無いですか?」
「料理するから好きかと思ったが、これじゃなかったか。まあサイズ感で言うと、金属バットが一番いいと思うけどな」
「じゃあそれで、お願いします」
「あと頼まれてた装備も出来てるぞ」
「本当ですか!そっちの方が重要なんですけど!」
クラーブンさんから渡されたのは、かなりスレンダーな形で全く装飾も無いつるっとした胴当。
貝を素材に鉄で作ったら、何故かうっすらパールと言うか色の反射に淡いピンクとエメラルドグリーンみたいなのが混ざってるのが不思議。
完全に胴から背中までぐるっと防御されてて、横のベルトで固定する形だが、サーコートを上から着ても嵩張らないだろう。よく見るとちゃんと複層になっていてある程度柔軟性も確保されてるのがクラーヴンさんの凄い所。
お次は、クワガタの冑。ちょっとドキドキしたが結構まともな品が出てきて助かった。
フルフェイスで、やや仮面っぽさもあるが、それは角の意匠が頬まで伸びてるからで、目の所に保護用のガラスも入ってる所から、何となくクワガタデザインヒーローっぽさはあるが、上に長い角よりはいい。
「なんか角が目立ちすぎるって話だったから、顔横の頬宛と一体化させたから相対的に頭から飛び出る角は短くなったがそれでいいんだよな?」
「全く問題ないです。これでお願いします」
「じゃあ、最後に剣だな。本当はその愛用の剣を打ち直すことも考えたんだが、こっちは集団戦用として使い分けた方が良さそうだ」
そう言って渡されたのは、余計な装飾こそ少ないが何となく気品のある護拳付きの幅広剣。問題は先端が四角くて突くのにちょっと向いてない。
「何でこうなっちゃったんですかね?」
「素材にした剣がこうなりたいって言うから形を整えただけなんだが」
ベテランの鍛冶屋は素材と対話できるのか……剣がそういうなら仕方ない。
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勇将重剣・・・味方士気上昇補正
味方士気上昇による攻撃力補正
古貝腹巻・・・斬・突耐性(小)
状態異常回復補正(小)
自然回復力補正(小)
虫将冑・・・味方士気上昇補正
味方士気上昇による防御力補正
筋力及び装備重量許容補正
装備スキル<分析>
視覚保護
金属バット・・・イベント用魔物特攻
2周年イベント以降実装される武器デザイン例となります。武器カテゴリーに関しては実装をお待ちください。