表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MONOローグ~夢なき子~  作者: 雨薫 うろち
西帝国動乱編
121/363

120.遺物(コピー)

 カモノハシからの邪神の尖兵となんとか倒しきり、湖の瘴気に関してこれ以上手がかりもない。


 数日【黒の防壁】に留まり調査したが、


 結果、時間と共に良くなりそうって事だ。


 もう後はどうしようもないので【古都】に帰還。


 数日平和な任務が続き、久しぶりに【闘都】にでも行こうかとログインすれば、受付に宰相。


 まずいな~何にも考えてなかった。また何が欲しいって聞かれるぞコレ……。


 「久しぶり、これで二つ目だ。【帝都】でも噂になっているよ君の事はね。それで何を望む?昇進でも物品でも構わない。既に偉業と言っても過言ではない事だよ。ちなみに今回協力があったというニューター二人には既に相応の金額と物品を提供済みだ」


 「そうですか。今回は殆ど二人のお陰なので、自分は特に……」


 「そういう訳には行かない事を理解してるだろ?まあだが君がそういう性格なのも前回把握している。物品はコレでどうだろう?」


 そう言って取り出すのはやたら古ぼけた剣。


 正直これをどうしろとって感じなんだけど……。


 「えっと、どういった由来の物ですか?」


 「うん、初代皇帝が使用していた剣のコピーだ。コピーなのでオリジナルほどの効果は無いが、君が率いる仲間の士気が高ければ高いほど攻撃力も高まる代物だよ。当然このままでは使えないが、剣の素材として使うといい」


 「はぁ、コピーですか。じゃあ遠慮なく使わせていただきます。ありがとうございます」


 「うん、ちなみに天騎士が持っていたとされる刀身自体が士気で出来ている剣もこのコピーを素材にしているらしいぞ」


 「え!じゃあ、刀身が出たり消えたりする剣が作れるんですか?」


 「それは無理だね。素材としては同じ物を使用しているかもしれないが、あの剣はあの時代の技術だから、今の我々では再現不可能だよ」


 「ああ、そういう物なんですね。ロストテクノロジーみたいな」


 「うん、この世界はどうしても神と邪神の綱引きだ。神側に傾けば世界は広がり技術も生まれ、邪神側に傾けば、世界は断絶し技術も失われてしまう」


 なるほど、確かにそういう設定だった気がする。つまり基本的に邪神勢力はどんどん削らないと、自分達が不利になっていくのか。今更ながら再確認してしまった。


 「もし、邪神勢力をもっと削れれば、この国の人達は豊かになりますかね?」


 「どうだろうね。今は貧困から掬い上げて尚且つそれぞれ専門分野を学ぶ機会を与える場として軍が機能している。そしてそれは白竜様の意思に適っている事だというのが基本認識ではあるが……農家の次男三男を危険な仕事に送り込む親の事を考えればね……」


 「何か考えがあるんですか?」


 「うん、まあ……いずれにせよ邪神勢力と大きく出なくとも魔物と戦う戦力は必要だ。そこを補う方法があるなら、軍をもう少し縮小して世に財を放出してもいいはずだ。そういう意味では邪神勢力を圧迫できればという考えはあながち外れてはいないね」


 ちょっと歯切れが悪いのは、簡単な話じゃないよって事かな。まあ自分に出来るのはコツコツ【訓練】を積んで魔物を倒す事くらいしかないか。


 「すみません色々質問に答えていただいてありがとうございます」


 「いや、別に構わないよ。君の身分と他の報酬に付いてはちょっと考えている事があるので、引き続き頑張ってくれたまえ。ちなみに【旧都】及び【帝都】においては君の名を既に通してあるから好きに軍施設は使ってもらって構わないよ。今は実だけと言うだけで、名の方は待ってくれという事だ」


 「了解」


 すると、風のように全く無駄の無い足取りで、帰っていってしまう国務尚書。やっぱり達人だよな~。


 「お前さんも何だかんだすげーな。まさか【帝国】の宝をコピーとは言え下賜されるとは」


 「【帝国】の宝ですか?」


 「ああ、歴史的事業をなした時に伝承だけだと色々忘れられたり捻じ曲げられたりとあるから、物品と一緒に残す習慣はどこの国にもあるんだが、そういうのを各国では国宝として扱ってんだよ。そのレベルの品って事は相当期待されてるんだな」


 「え~……返してこようかな」


 「無理無理、使っちまえ。コピーなんだから気にすんな」


 酷い言い様だが、仕方ない全部クラーヴンさんにお任せだ!


 そのままクラーヴンさんの店に立ち寄り剣コピーを任せて【闘都】へ。


 他の装備も結構いい感じらしいけど、剣と一緒に纏めて受け取る手筈だ。


 今使ってる装備がそもそも性能が変だし、そう急ぐ物でもない。


 【闘都】に付いたら鉄靴に変えて、都をうろつく。


 前回は取り敢えず【闘技場】って感じだったが、今回は気持ちに余裕があるし、少し見て回ろうっていう寸法。


 と言っても、大よそ中央闘技場が一番大きく、その他東西南北に1個づつメイン闘技場。


 その他は闘技場と言っていいのかどうか分からない様な野良試合まで組まれてるみたいで、何ともこの都のヒトは戦うのが好きなんだな~って感じ。


 そして、人気【闘士】は戦うだけじゃなく色んな方面で広告塔もやってるみたい。

 

 その所為か、屈強なお兄さんお姉さんの絵姿があっちにもこっちにも、


 そして一番驚いたのが新聞がある。


 【帝国】にも合ったのかな?全く気にしてなかったが、とは言え自分が見つけたのは【闘士】の試合日程とオッズ表っていうのかな?掛け金の倍率と予想ばっかりの新聞。


 あと特集記事で、黒い怪鳥って言うのが各地に現れてあこぎな商売をしてる奴らを倒して回ってるらしい。


 なんだろう、なんかそう言う裏の仕事請負人みたいな人でもいるのかな?

 最後の黒い怪鳥は9/4朝8時に公開予定の別主人公になります。


 ソタロー編でどれ位扱うかはまだ未定ですが、ちょっとだけ宣伝させていただきました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] いや~ ソタローはゲームをしてるだけで、この世界で生きてないから~
[一言] 着実にアイテムを集めていくソタロー(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ